SL 20cm以上の大型になる。側面を見るとアーモンド形。。鱗状突起のある放射肋が5-6本ある。造礁サンゴに穿孔していて、足糸を出す開口部がある。外套膜に白い縁取りのある楕円形の斑紋がない。
シラナミガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目ザルガイ上科ザルガイ科シャコガイ亜科オオシャコ属外国名
学名
Tridacna maxima (Röding,1798)漢字・学名由来
漢字 白波貝 Shirabamigai
由来・語源 『目八譜』より。貝殻の模様から。目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
武蔵石寿
武蔵石寿(むさし・せきじゅ 玩珂停、明和3-万延元年 1766-1861)。石寿は号、本名は武蔵孫左衛門。450石取りの旗本。赭鞭会。本草学、貝類。西洋の新しい分類学も取り入れようとしていた。『目八譜』(掲載1064種)、『甲介群分品彙』(掲載605種)、『介殻稀品撰』など。現在使われている標準和名の多くがここから来ている。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。造礁サンゴ。
紀伊半島以南。熱帯インド・太平洋域。生態
シャコガイの仲間は海中の微少なプランクトン、浮遊物もとらえるが、主な食料は体内の共生藻から得ている。共生藻(スーサンテラ)はシャコガイの排泄物である炭酸ガスやアンモニア、リン酸塩を取り込み、言うなれば植物での肥料分とし、かわりに光合成で得たアミノ酸や酸素をシャコガイに提供しているのだ。(参考文献/『黒潮に生きるもの』鈴木克美 東京書籍)基本情報
主に琉球列島で食べられている。シャコガイ亜科ではヒメジャコがいちばん一般的で、本種など大型種は比較的少ない。水産基本情報
市場での評価 関東にはときどき沖縄などから入荷してくる。値段は高い。(注/また沖縄県水産海洋研究センター石垣支所の久保弘文さんによると、沖縄のシャコガイではヒメシャコの評価がもっとも高く値段が高い。シラナミはそれに準じるものだという)
漁法 採取、養殖
主な産地 沖縄選び方
ー味わい
旬は不明。
貝殻は硬くて重いが。軟体部分も大きい。後閉殻筋とひも、内臓嚢の部分が刺身になる。
内臓嚢(ギーラのトーフ)が大きく非常にうま味が強い。貝柱はほどよい食感があり、甘味も感じられる。ひも(外套膜)は磯の風味が感じられるが少し硬い。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
シラナミの料理法/生食(刺身、セビチェ、内臓嚢の刺身)、汁(みそ汁)、ソテー(バター焼き)クリックで閉じますアジケーの肝
シラナミの肝(ギーラのトーフ、ギーラの肝、アジケー豆腐) 軟体の白く長球形の部分を石垣島で「ギーラのトーフ(豆腐)」といって単独で流通するという。これをそのまま生で食べてみた。強いカキに似たうま味と苦みがあって、しかもカキよりも磯の風味があり、後味が意外に軽い。非常に美味である。泡盛などに合う。
シラナミの刺身 貝柱とひもが一般的に刺身になる。ぬめり(粘液)は少なく、臭味も感じられない。非常にきれいな軟体である。貝柱はほどよい食感で甘味が強い。ひもは磯の風味が強いもののやや硬い。クリックで閉じますギーラの刺身
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)