境港のマイワシで刺身定食

脂もあるし、身に張りがあるし


鳥取県・島根県のマイワシは昨年は4月いっぱいいい状態だった。
マイワシだけは旬がわからない。
同じ産地でも個体によっててんでんばらばら。
おたんこなすのボクには、地域ごとの旬の整理は不可能である。
でも今回、確実に言えることは、4月上旬の境港産はそこそこ脂が乗っているし、巻き網ものだとは思うが鮮度もよかった。
ちなみに境港水揚げは鳥取県産とは限らない。
水揚げの多くが「JFしまね」だからだ。

遙か昔、境港で食事をしたとき、すし店のオヤジサン曰く、「イワシはもらうものか、拾うものだった」だったらしい。
それくらい境港はイワシで賑わっていた。
当然、境港だけではなく、日本海のマイワシの水揚げ量は膨大という時代は長かった。
このまま山陰での豊漁が続き、昔の値段にもどってくれることを願いたいものである。

さて、境港産のマイワシは抜群にうまかった。
刺身全体が真っ白とまではいかないが、名残雪程度には白い。
しかも身が締まっているのがいい。
考えてみると、前回の島根県浜田産といい、3月、4月の山陰のマイワシは外れなし、に思えてきた。
だいたい、八王子卸売協同組合、舵丸水産のクマゴロウが本音で「売りたい魚だ」と言うことはめったにない。

ご飯に乗せて食べるうれしさよ


ご飯の上に乗せたときの存在感に、惚れてしまいそうである。
当分、この刺身でご飯でいいか、と思う。

みそ汁の真子白子では白子がうまい


ついでに中骨ででとっただしは、あっさりした只見のみそと非常に相性がよく、軽い味わいでいながら、しっかりとマイワシのうま味が感じられる。
やはりマイワシの白子はうまいね、なんて思ったりする。
あれこれ複雑な思いが浮かんでくるのが魚を使ったみそ汁のいいところである。

境港のマイワシはまだまだいけている


マイワシを買いに八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で鳥取県境港産マイワシを発見した。触っただけで脂そこそこあり、とわかるものである。
これを4尾買った。
大は22cm・124gもあり、価値ある大きさだと思う。

刺身を造り、みそ汁を作り、お昼ご飯がととのう


帰宅後すぐに、これを手開きにする。このとき白子と真子は取り分ける。
1尾は小骨をできるだけ抜き、腹骨を取り皮を剥いて刺身にする。
中骨とか砂ずりなどを集めてさし昆布(小さな昆布を一緒に煮ること)をしてだしを取る。
これだけでは足りないので混合節でとっただしでかさを増す。
豆腐とねぎ、真子と白子でみそ汁にする。
みそは福島県只見町『目黒麹店』のものだ。


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