銚子産キハダマグロの刺身

銚子産キハダマグロの刺身、おいしいじゃないか


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産でキハダマグロの若い個体18kg前後のロインをサクにしていた。忙しい日だったので1サク買って帰ってきた。
キハダマグロのサク買いは安くて、おいしくて、市場から帰った日のお昼ご飯にすぐ食べることができて、といいこと尽くめである。

ちなみに築地に大物競りを見に通っていた2005年から2010年くらいまで、大物競り場でたくさんの人の話を聞いた。
本マ(クロマグロ)だけの築地だとばっかり思っていたら、意外にキハダマグロを好む仲買が決して少なくないことに気づいた。
大物の目利きで、キハダマグロをついでに競って帰る人がいる。
気になったので、キハダマグロを競り落とした方の店までサクを買いに行ったこともある。
このサクのおいしかったこと、は今も忘れない。
以来のキハダ好きである。

ちなみに雑喉場研究家だった故酒井亮介さんは、大阪の「はつ好き」(はつは大阪でのキハダマグロの呼び名)は産地である紀州(和歌山)が近いからだと言っていた。東京では周辺であまりとれないので、あまり食べなかったようだ。
それが今や東京近海はクロマグロよりも、キハダマグロが多い気がする。
関東でもキハダマグロをふんだんに食べるべきなのである。

銚子産のキハダの刺身がやたらにうまかった。18kgくらいだろうと言っていたが、もっと大型かも知れぬ。
もちろんクロマグロの脂の甘さや濃厚なうま味はないものの、さらりとおいしくてちゃんとマグロらしいうまさが楽しめる。

キハダマグロを始めマグロ類は納豆に合う


刺身にしながら多めのみりんと醤油で漬けにする。
これを細かく切り、練った粉わさび、ねぎ、納豆と和える。
翌日の朝ご飯はこれで済ます。
納豆とマグロ類はとても合うが、今回のづけは非常に甘口にしてみた。
キハダマグロに足りないうま味の幅をみりんで補ったと言った感じである。
甘めのキハダマグロ納豆がご飯に合う。

甘めの漬けキハダ納豆はそばにも合う


ついでにお昼は冷たいそばに、そばつゆ(アジの厚削り、めじか薄削り節)をかけて、キハダマグロ納豆をのせて食べる。
粉わさびがきかなくなっていたので一味唐辛子を振る。
やはり甘いキハダマグロ納豆と、そばは合う。

グルメでもなく食通でもない、平凡なボクは、1サクのキハダマグロで3食まかなうこととなる。

キハダマグロは


キハダマグロは世界中の熱帯から温帯域を回遊している。体長2mを超える大型魚である。2000年〜2010年くらいまでは伊豆半島から西に多いといったもので、漁業的にも伊豆諸島・駿河湾以南のものだった。
それが今や北上傾向にあり、神奈川県、千葉県、茨城県などでもでは重要な漁業対象である。
築地場内(東京都築地市場で現豊洲市場)の大物売り場には昔はキハダマグロも並んでいたが、「大阪のマグロ」と呼ばれていた。それが今や関東でも盛んに食べられている。
またツナ缶の材料としても重要である。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。


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