秋めかない9月の、カドガワフエダイのカルパッチョ

濃厚な味つけだが、それ以上に切りつけた身がうまい


9が月振りのカドガワフエダイは、刺身にして、カルパッチョにもしてみた。
我が家のカルパッチョはオリーブオイル・塩・にんにくが基本で、好みの香辛野菜、香酸柑橘類などで絵を描くようにつくる。
カルパッチョは描くようにつくるので、カルパッチョなのだ。

皿にオリーブオイル・にんにく・塩を塗りつける。
ここにできるだけ薄く切った身を貼り付けていく。
全部貼り付けたらスプーンなどでたたき全体を馴染ませる。
ここにスダチの果汁を点々と搾り。
スダチ・ローゼル・オレンジミントを描くように散らす。

カルパッチョは濃厚な味わいであるが、カドガワフエダイのうま味がそこにしっかり浮き上がってくる。
逢魔が時にカルパッチョをつまみ、安いジンの水割りで口の中を洗う。
久しぶりに素晴らしいカルパッチョができたという喜びがこみ上げてくる。

冷たく冷やして翌日パンの友にする


半分だけ食べて冷蔵庫に仕舞い込む。
翌朝はこれで温めたバゲットを食べる。
ただ単に食べてジンで流し去る以上に味わい深い。
冷たい日東紅茶だって、上等な味がする。

旬ではなくても価値がある、フエダイ科の雄的な魚


今回、鹿児島県鹿児島市、大倉の久保さんが送って来てくれたカドガワフエダイは宮崎県日向市産である。
12月にきた前回と比べてみると断然12月の個体に脂があった。
たった2個体だけど今回の個体は生殖巣が縮んでいた。
ひょっとしたら産卵後かも知れない。
かといってまずくはない。

白身魚の味は脂だけで決まるわけではない。
豊かなうま味と食感が今回の個体でも楽しめた。
カドガワフエダイは寒い時季に脂がのるが、脂の少ない時季でも味がいいとこがわかった。


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