カツオの血合いのミンチカツ
魚のミンチカツはみな素敵だけど、特にカツオの血合いの、が好き

生まれて初めてのミンチカツは、徳島市内、市場で買ってもらったものだと記憶してる。
ボクの生まれた徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)商店街の、家の通りを挟んだ正面の肉屋にはなかった気がする。
上京したら「ミンチカツ」じゃなくて「メンチカツ」と書かれていた。
それほど気にしないでミンチカツと言ったりメンチカツと言ったりした。
東京都世田谷区弦巻の洋食店で、1週間に1度だけ外食していた時期があって、メンチカツばかり食べていた。
ロースカツよりも安かったからだ。
どうやら関西圏ではミンチカツで、関東ではメンチカツみたいだと明確に脳みそに刻みつけたのはその頃だ。
ということでカツオの血合いを叩いてカツ(フライ)にしたものも、徳島生まれのボクにはミンチカツかな。
ナツメッグがきいているのもいい。
いつもは牛乳を使うのだけど、切らしていてバターと卵黄、小麦粉を加えてソフトにした。
ミンチにしてもカツオ特有のうまい、がぐんぐんと舌を押してくる。
しっとりしているのはバターのせいだが、硬く締まりがちなカツオの身が柔らかいのもいい。
じゃぼじゃぼとウスターソースをかけて、お昼ご飯にする。