酒図鑑 兵庫県伊丹市、老松酒造「老松」
関東では一度も見たことがない老松
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ボクの酒の流儀は〈酒は好きなように勝手気ままに飲むべかりけり〉だ。
酒を居酒屋で語るヤカラはろくなもんじゃないと思ったのは秋田県秋田市で、だ。
燗温度を尋ねられ、「いちばんいい加減で」といったときの、日本酒酒場店主のあまりにも不愉快な態度、客のハレンチな反応以来、居酒屋で酒を語る御仁はみな嫌いだと前置きをしたい。
ということで、世間の評判などどうでもいい、ただの日本酒飲みのボクの、「日本酒語り」は、ボクが好きか、嫌いか、でしかない。
嫌いな酒はとりあげないので、基本的にここで挙げる酒はボク好みだ。
「老松」は週刊文春の田辺聖子のエッセイで知った酒だ。
ここ数年、田辺聖子という作家は、20世紀の摂津の食文化を調べる上で、重要だとわかってきた、その瞬間から買ってみたいと思っていたものだ。
冷やで飲むには特撰がいいと思う
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さて、酒自体とは関係ないが、摂津、伊丹は江戸時代、「下らない」の語源のひとつともなった、下り酒の産地である。
やがて下り酒の本場は灘五郷に移ってしまったが、現在も2軒の酒蔵が残る。
『老松酒造』は元禄期から続く酒蔵である。
造っている酒は2種類でしかない。
品数が少なく、今どきのラベルではないところがいい。
