セイタカエゾボラ

Scientific Name / Neptunea elegantula Ito & Habe,1965

セイタカエゾボラの形態写真

殻長17センチ前後になる。殻高がありのっぽなタイプと、ずんぐりしたタイプの両方がある。貝殻は白く螺肋が強い。
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殻長17センチ前後になる。殻高がありのっぽなタイプと、ずんぐりしたタイプの両方がある。貝殻は白く螺肋が強い。境港にあがったもの。隠岐の島周辺海域。境港にあがったもの。隠岐の島周辺海域。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目アッキガイ超科エゾバイ科エゾボラ亜科エゾボラ属

    外国名

    学名

    Neptunea elegantula Ito & Habe,1965

    漢字・学名由来

    漢字 背高蝦夷法螺
    由来・語源 殻高があるエゾボラの意味。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。水深225〜230メートル。
    日本海西部。

    生態

    基本情報

    山陰で水揚げされているもので西日本で主に流通する。
    北海道産ツブと比べるとややローカルな存在。

    水産基本情報

    市場での評価 関東には希に入荷。やや高値。
    漁法 カゴ漁、底曳き網
    産地 島根県

    選び方

    味わい

    旬は不明 寒い時期に水揚げが多い。
    貝殻はやや厚く、あまり硬くない。
    足に斑などがなく熱を通してもあまり硬くならない。

    栄養

    危険性など

    唾液腺にテトラミンをもつ。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれるもので、足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。発症する唾液腺の量は個人差がある。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法
    刺身


    セイタカエゾボラの刺身
    刺身 斑などがなく刺身にしてきれい。食感はエゾボラなどと比べると劣るがなかなか美味。

    関連コラム(料理法・レシピ)

    記事のサムネイル写真マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
    ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。  唾液腺にはテトラミンが含まれる。  テトラミンは死亡例はない・・・ 続きを開く

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

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    最初見たときにはエゾボラモドキでは、と勘違いした。それを産地が島根県であること、殻が薄く螺肋が非常に強いのでセイタカエゾボラであると思われた。
    水揚げ港は境港でも産地は総て島根県であり、隠岐ノ島からのものが多い。
    ◆食べてみる◆
    殻は薄く、写真の貝殻中央の穴はアイスピックですぐに開いた。ここにアイスピックを入れて身を切り離す。これで簡単に身が出てくる。刺身の味は旨味甘味ともあってうまい。また冷水と塩で締めた食感もほどよくて、清清しい味わいである。まつぶ(エゾボラ)よりも身のコリコリ感は劣るがうまさでは上かもしれない。酒蒸しも柔らかくうまい

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)
  • 主食材として「セイタカエゾボラ」を使用したレシピ一覧

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