トウイトガイ

Scientific Name / Siphonalia fusoides (Reeve, 1846)

代表的な呼び名トウイト

トウイトガイの形態写真

50mm SL 前後になる。体層は丸く膨れ殻頂が尖る。螺肋はよわくところどころカスリ模様になる。
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50mm SL 前後になる。体層は丸く膨れ殻頂が尖る。螺肋はよわくところどころカスリ模様になる。殻長5cm前後。糸状の筋が螺肋にあり、細いところと太いところがある。殻長5cm前後。糸状の筋が螺肋にあり、細いところと太いところがある。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ超科エゾバイ科ミクリガイ亜科ミクリガイ属

    外国名

    学名

    Siphonalia fusoides (Reeve, 1846)

    漢字・学名由来

    漢字 唐絲、唐糸貝 Standard Japanese name / Touitogai
    由来・語源 『介志』(1830-1843)より。貝殻の周囲に唐糸のように細い螺肋が見えるからだと思われる。
    大言海に「唐糸(とういと)」は〈舶来の木綿絲〉とある。
    〈トウイト、ガスイト、ボウセキイトなどを買って……〉。『吉野の民俗誌』(林宏 文化出版局 1980) 奈良県十津川村では、明治時代、大正時代、昭和になっても、実際に「トウイト」を買い、衣類を作っていたことがわかる。
    別名、ウスイロミクリ。
    介志・水族志
    畔田翠山(畦田伴存/くろだ ともありとも。源 伴存)著。江戸時代後期。紀州の本草学者。15属2233種の貝を図示。目八譜よりも後に成立。多くの和名を創出している。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。水深10〜100m。
    本州〜九州。

    生態

    基本情報

    本州から九州に生息する小型の巻き貝。産地が限定的で水揚げ量は少ない。
    島根県隠岐諸島千夫里島などではマユツクリとともにヌタウナギのカゴなどに入る。
    もう少し漁獲量が増えれば、もっとも味のいい巻き貝のひとつなので、人気が出るはず。
    珍しさ度 食用貝だが、水揚げ量が少なくめったに手に入らない。

    水産基本情報

    市場での評価 ほとんど入荷してこない。安い。
    漁法 カゴ漁
    産地 島根県

    選び方

    粘液に透明感のあるもの。

    味わい

    旬は秋から春。
    内蔵に毒などはなく、わたにも苦みがない。
    熱を通しても硬くならず、うま味が強い。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    トウイトガイの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、酒蒸し、煮つけ)

    トウイトガイの酒蒸し サルなどにいれてざくざくとていねいに洗う。これを酒と塩、少量の水で蒸し煮にしたもの。熱を通しても硬くならず軟体が取りだしやすい。身自体に強い甘みがあり、わたもおいしい。貝類のなかでも屈指の味である。

    好んで食べる地域・名物料理

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    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/清川智之(島根県水産技術センター)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)
  • 主食材として「トウイトガイ」を使用したレシピ一覧

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