殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。殻日は細い線が入り布目を思わせる。殻日の色は比較的薄い。殻口は白く外側に反り曲がることがある。山口県産。
エッチュウバイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)



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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足目新腹足亜目エゾバイ科エゾバイ属アニワバイグループ外国名
Finely-striated buccinm学名
Buccinum striatissimum Sowerby,1899漢字・学名由来
漢字 越中貝 Etyuubai
由来・語源 模式標本(タイプ標本)の産地は丹後沖。「エッチュウバイ」は『目八譜』による。越中とつくが富山湾ではとれない。目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿が編んだ貝の図譜のひとつ。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深200〜500メートル。
日本海西部、能登半島以西。
韓国。生態
ー基本情報
日本海で主に揚がる「ばい貝」と呼ばれているものの多くが本種。
主な産地は山口県と島根県。両県でとれたものが関東などにも盛んに入荷してくる。
山陰・北陸ではおでんや煮ものだけではなく、刺身で食べることも一般的。
関東など東日本ではあまり刺身にすることはなく、もっぱら煮て食べる。そのため、関東では小振りのものの方が高い。水産基本情報
市場での評価 関東では入荷量は多い方。値段は小さいほど高く、次いで大型のもの。中間的なものは安い。
漁法 カゴ漁
主な産地 島根県、山口県、福井県、石川県
選び方
原則的に生きているもの。口からゆるい液体などがこぼれ出ているものはダメ。味わい
旬は不明
漁期が味わいどき。年間を通してあまり味が変わらない。
貝殻は薄くもろい。ワタも筋肉も大きく歩留まりがいい。ワタには苦みがない。
唾液腺などに毒性分がない。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
エッチュウバイの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ、アヒージョ)、揚げる(天ぷら)エッチュウバイの刺身 刺身は柔らかく、甘みがあって非常に美味。食感の強いエゾボラと、柔らかいエッチュウバイは好みの分かれるところ。貝殻は包丁の峰などで簡単に割ることができる。内臓と蓋を取り、足を切り割って唾液腺(エッチュウバイは無毒だが刺身にするとおいしくないので)を取る。最初そのままぬめりをもみ出す。ある程度ぬめりがとれたら、塩を加えて揉み、水洗いする。あとは刺身状に切る。クリックで閉じます
エッチュウバイの煮つけ薄味 できるだけ小振りのものを選ぶとやりやすい。買い求めてきたらざっと洗う。鍋に貝・水・酒・塩を加えて煮る。あまり煮すぎると硬くなるので加減を見る。くせも苦みもないが、ほんのりとした甘味がある。ワタもおいしい。クリックで閉じますエッチュウバイの煮つけ甘辛味 小さいなものを選んで買った来る。ざっと水洗いして水をきる。鍋に醤油・酒・砂糖・水を煮立てて、少し煮つめる。ここに洗った貝を入れてからめるように煮上げる。千葉県でアカガイなどを煮るときのやり方で、貝の味わいを殺すのではなく、貝の味に甘辛味を加えるといったもの。クリックで閉じますエッチュウバイのアヒージョ 剥き身にしてわたと足を分ける。食べやすい大きさに切り、多めのオリーブオイル・にんにく・鷹の爪のなかでソテーする。貝だけではなく油も食すので、貝のうま味が出てもいい。味つけは塩だけで、貝をつまみ、残りの油をパンにつけて食べる。クリックで閉じますエッチュウバイのかき揚げ むき身にしてぬめりを取る。これを適宜に切り、高温で短時間揚げたもの。合わせたのは三つ葉だが意外に玉ねぎとの相性がいい。クリックで閉じますエッチュウバイの炒めものクリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)