ミギマキタテゴトナシボラ

Scientific Name / Pyrulofusus dexius japonicus Habe,Ito&Tanji,1980

ミギマキタテゴトナシボラの形態写真

殻長(貝殻の高さ)20cm前後になる大型の巻き貝。ずんぐりと丸く肩が盛り上がって丸い。縦方向に畝状の盛り上がりがあり、螺肋(貝殻を周る筋)がはっきりとしている。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★
      まずくはない

    分類

    動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目(吸腔目)エゾバイ科Pyrulofusus属

    外国名

    学名

    Pyrulofusus dexius japonicus Habe,Ito&Tanji,1980

    漢字・学名由来

    漢字 右巻竪琴梨法螺
    由来・語源 黒田徳米の命名。左巻きのナシボラに似て右巻き。肩のふくらみが竪琴(ハープ)を思わせる(?)。
    Habe
    波部忠重(はべ ただしげ Habe Tadasige 1916-2001 兵庫県)。貝類学者。マダカアワビの記載など、貝類の分類に多大な業績を残しただけではなく多くの貝類図鑑を作る。貝類学会会長も務める。

    地方名・市場名

    ミギマキ
    場所釧路[荷] 備考釧路から来た荷(箱)にミギマキ。 

    生息域

    福島県〜北海道、千島沖。水深80メートル〜180メートル。

    生態

    基本情報

    食用貝の多いエゾバイ科のなかでももっとも知名度の低いもの。エゾボラ(まつぶ)などエゾボラ属と比べると味が落ちるために主に産地周辺でのみ流通するのではないかと思っている。

    水産基本情報

    市場での評価 関東への入荷は希だが珍しくはない。見慣れない貝なので大きさの割りに安い。
    漁法 底曳網
    主な産地 北海道釧路、福島県原釜(相馬市)

    選び方

    生きているもの。身がしっかり硬く、痩せていないもの。

    味わい

    旬は不明。
    貝殻は厚みがあるがもろい。身は取り出しやすい。
    足を食べる。黒い斑が入る。まったくクセのない味わいで甘みがある。
    エゾボラなどに比べるとやや柔らかい。内臓はクセがなく、旨みがある。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ソテー(バター焼き)、生食(刺身)、焼く(焼貝)、煮る(煮つけ)
    ミギマキタテゴトナシボラのバター焼きバター焼き 剥き身にして足はぬめりを取っておく、内臓は軽く塩ゆでにして置く。フライパンにバターとにんにくを加えて火をつけて溶かし、足と内臓を加えて絡めるように短時間ソテーし、塩コショウする。貝自体に味はないのをバターでそれを補う。
    ミギマキタテゴトナシボラの刺身刺身 剥き身にして、足と内臓を分ける。内臓は塩ゆでに、足は唾液腺を取り、ぬめりをもみ出す。仕上げに塩でもみ上げて水洗いして水分をよく切る。これを出来るだけ薄切りにする。エゾボラなどと比べると数段落ちるものの、捨てがたい味である。
    ミギマキタテゴトナシボラの焼き貝焼き貝 剥き身にして滑りを取り、直火に近い焼き方で熱を通す。焦げ目がついて貝らしい香りがしたら酒、みりん、しょうゆの地を2、3度くぐらせて仕上げる。焼くことで貝の香りが出て、捨てがたい味になる。
    ミギマキタテゴトナシボラの煮つけ煮つけ 剥き身にしてぬめりをもみ出す。これを昆布だし、酒、しょうゆの地でさっと煮て、そのまま鍋止めにしたもの。貝の足自体にあまりうま味がないので、地をしっかりしみこませている。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
    八王子総合卸売センター『高野水産』
  • 主食材として「ミギマキタテゴトナシボラ」を使用したレシピ一覧

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