殻長(貝殻の高さ)17cm前後になる。細長いものとずんぐりしたものとがある。貝殻は硬く表面に茶褐色の殻皮(薄い膜)をかぶり、貝殻は陶器を思わせ白い。螺肋(貝殻にある筋)は体層(貝殻のいちばん下の足が入っている部分)下部に筋状になる。体層上部から上には螺肋は少なく目立たない。成長脈(縦に走る筋)は非常に細い。[宮城県石巻産 16cm SL・236g]
ナガバイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新腹足目アクキガイ超科エゾバイ科ワダチナガバイ亜科ナガバイ属外国名
学名
Beringius (Neoberingius) polynematicus (Pilsbry,1907)漢字・学名由来
漢字 長貝、長蛽 Nagabai
由来・語源 平瀬與一郎の命名。やや細長いため。
模式産地/宮城県気仙沼Pilsbry
Henry Augustus Pilsbry (ヘンリー・オーガスタス・ピルスブリー 1862-1957 アメリカ)。軟体類(貝類)学者。平瀬與一郎が送った標本をもとに国内の多くの貝類を記載、発表。
平瀬與一郎
hirasei, hiraseana, Neohirasea(平瀬與一郎 安政6-大正14 1859-1925 兵庫県淡路島福良)。京都で『平瀬商店(平瀬種禽園)』をいとなみ標本、特に貝殻を商い海外に輸出。貝類学の嚆矢。同郷の黒田徳米は同商店で丁稚をしながら貝類学を学ぶ。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深300〜400メートルの泥地。
銚子以北の太平洋、オホーツク海。生態
ー基本情報
銚子以北福島県、三陸などで行われている太平洋側の底曳き網などで揚がるもの。
専門とする漁はない。大型の巻き貝であるが比較的安い。水産基本情報
市場での評価 東北太平洋側の底曳き網などでまとまって揚がる。安い。
漁法 底曳き網
産地 福島県、宮城県選び方
原則的に生きているもの。味わい
旬は不明。
貝殻は硬くて重い。軟体は熱を通しても硬くならない。
食べるのは主に足で生食できる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ナガバイの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、煮つけ)、生食(刺身)、焼く(つけ焼き)クリックで閉じます
ナガバイの塩ゆで 生で食べても決してまずいわけではないが、貝らしい風味や甘味に欠けるところがある。貝殻をよく洗い、塩を入れた水からゆでて鍋止めする。10分前後ゆでると軟体は比較的たやすく出せる。足の部分は貝らしい風味はないものの好き嫌いの出ない味わい。わたは甘味があっておいしい。
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/須能邦男さん(石巻市水産振興協議会)・石巻魚市場仲買のみなさん
『北の貝の仲間たち』(樋口滋雄)、『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)