殻長10cm前後になる。貝殻は薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。
-
珍魚度
★★★
探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属外国名
学名
Neptunea frater (Pilsbry,1901)漢字・学名由来
漢字 小蝦夷法螺擬 Koezoboramodoki
由来・語源 エゾボラモドキに似ていて、少し小さため。
エゾボラモドキと同様、1907年、平瀬與一郎の命名。Pilsbry
Henry Augustus Pilsbry (ヘンリー・オーガスタス・ピルスブリー 1862-1957 アメリカ)。軟体類(貝類)学者。平瀬與一郎が送った標本をもとに国内の多くの貝類を記載、発表。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深50メートル〜1000メートル
銚子以北。主に三陸沖までだと思う。生態
ー基本情報
北海道から千葉県銚子までの底曳き網などでシライトマキバイと一緒にとれる。とれる量は少ない。
あまりきれいな貝ではないので比較的安く、流通することは希である。
珍貝度 三陸、常磐などでの底曳き網に混ざるもので、灯台ツブ(シライトマキバイ)などと比べると水揚げ量が少なく、消費地で見つけるのは難しい。水産基本情報
市場での評価 関東の市場にときどき入荷してくる。量的には少なく、プロの認知度も低い。値段はエゾボラなどと比べると安い。
漁法 底曳き網
主な産地 福島県、北海道選び方
生きのいいものは、足などを触ると反応がいい。貝殻から液体などがこぼれていないもの。味わい
旬は不明
福島県などでは底曳き網の漁期。
貝殻は薄く硬い。足は黄色みがかった白だが表面に黒いゴマ状の斑紋がある。
エゾボラ属特有のコリコリした食感が楽しめる。
甘みがあり、貝らしい風味も楽しめる。
含まれる毒・テトラミンについて
■ 足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。
■ 主にNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれる。
■ Neptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。
■ 発症する唾液腺の量は個人差がある。
■ 食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。栄養
ー危険性など
唾液腺にテトラミンをもつ。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれるもので、足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。発症する唾液腺の量は個人差がある。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コエゾボラモドキの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)、焼く(焼きつぶ)好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。 唾液腺にはテトラミンが含まれる。 テトラミンは死亡例はない・・・ 続きを開く加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『北の貝の仲間たち』(樋口滋雄)