コエゾボラモドキ

Scientific Name / Neptunea frater (Pilsbry,1901)

コエゾボラモドキの形態写真

殻長10cm前後になる。貝殻はエゾボラモドキと比べると薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。[千葉県銚子産/貝殻に厚みがあり、殻皮がないに等しいもの]
コエゾボラモドキの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
殻長10cm前後になる。貝殻はエゾボラモドキと比べると薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。[千葉県銚子産/貝殻に厚みがあり、殻皮がないに等しいもの]殻長10cm前後になる。貝殻はエゾボラモドキと比べると薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。[千葉県銚子産/貝殻が薄く、水管が長く細い]殻長10cm前後になる。貝殻はエゾボラモドキと比べると薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。[福島県相馬沖/貝殻が薄く殻皮が剥がれやすいもの]殻長10cm前後になる。貝殻はエゾボラモドキと比べると薄く、硬く、たたくとぱりっと割れる。褐色の殻皮(貝殻を覆う薄い皮)を被り、全体に黒く見える。膨らみは強いものとほっそりしたものがあり、螺肋(貝殻の周りを畝状の筋)はくっきりしている。イソギンチャク類をつけていることが多い。[福島県相馬沖/貝殻が薄く殻皮があるもの]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属

    外国名

    Whelk
    言語英名 

    学名

    Neptunea frater (Pilsbry,1901)

    漢字・学名由来

    漢字 小蝦夷法螺擬 Koezoboramodoki
    由来・語源 エゾボラモドキに似ていて、少し小さため。エゾボラモドキと同様、1907年、平瀬與一郎の命名。模式標本は宮城県気仙沼沖。
    Pilsbry
    Henry Augustus Pilsbry (ヘンリー・オーガスタス・ピルスブリー 1862-1957 アメリカ)。軟体類(貝類)学者。平瀬與一郎が送った標本をもとに国内の多くの貝類を記載、発表。

    地方名・市場名

    クロツブ[黒つぶ]
    場所福島県相馬市原釜 
    アカニシ
    場所鳥取県 

    生息域

    海水生。水深50〜1000m。
    銚子〜三陸沖。

    生態

    基本情報

    本種は主に福島県から岩手県にかけてのあまり深くない場所で揚がる。生息域が重なるエゾボラモドキとの区別は非常に難しいが、本ページでは貝殻が薄く、殻皮が目立つものをコエゾボラモドキとした。
    本種の問題点はピルスブリーの記載したときの個体(貝殻?)が平瀬與一郎から買い受けたものであり、また模式標本の個体数がはっきりしないなどで、エゾボラモドキとの形態的特徴の明確な区別ができないでいる。また生息域からして曖昧である。チヂミエゾボラの存在よりも本種の存在の方が曖昧な気がする。
    シライトマキバイ、エゾボラモドキなどと比べると水揚げ量は遙かに少なく、認知度も低い。またエゾボラモドキとの区別が難しいので混同されている可能性が高い。非常に味のいい巻き貝である。
    珍貝度 三陸、常磐などでの底曳き網に混ざるもので、灯台ツブ(シライトマキバイ)などと比べると水揚げ量が少なく、消費地で見つけるのは難しい。

    水産基本情報

    市場での評価 関東の市場にときどき入荷してくる。量的には少なく、プロの認知度も低い。値段はエゾボラなどと比べると安い。
    漁法 底曳き網
    主な産地 福島県、北海道

    選び方

    生きのいいものは、足などを触ると反応がいい。貝殻から液体などがこぼれていないもの。

    味わい

    旬は不明。福島県などでは底曳き網の漁期。
    貝殻は薄く硬い。足は黄色みがかった白だが表面に黒いゴマ状の斑紋がある。
    エゾボラ属特有のコリコリした食感が楽しめる。甘みがあり、貝らしい風味も楽しめる。
    下処理は「マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み」を参照。
    https://www.zukan-bouz.com/article/65

    栄養

    危険性など

    唾液腺にテトラミンをもつ。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)の巻き貝の唾液腺に含まれるもので、足を割るとクリーム色の柔らかなゼリー状の物体がある。これが唾液腺。ここにテトラミンが含まれている。テトラミンはNeptunea(エゾボラ属)以外にはスルガバイ(エゾバイ科エゾバイ属Buccinumのスルガバイ、フジツガイ科のアヤボラなどにも含まれる。食べると後頭部の激しい痛み、目眩、酒に酔ったような状態になり、吐き気、眼底の痛みをともなう。発症する唾液腺の量は個人差がある。死亡例はない。

    唾液腺1 テトラミンのは足(巻き貝で筋肉質の部分でいちばん外側の部分)を割ると柔らかく白もしくは薄いクリーム色をしている。
    唾液腺1 足のややつけ根に近い部分にあって指などで簡単に取ることができる。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    コエゾボラモドキの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)、焼く(焼きつぶ)
    コエゾボラモドキの刺身 本種などエゾボラ属の基本的な食べ方は刺身である。アワビよりも貝らしい風味が強く、また食感も豊かである。また同じエゾボラ科でもエゾバイ属の巻き貝と比べると遙かに食感が強い。本種の刺身の魅力は食感にあると考えてもいいだろう。
    下処理は「マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み」を参照。
    足の部分は最初はただひたすらにヌメリをもみ出す。粘液(ぬめり)が出きったと思ったら水洗いして、今度は塩を加えてもむ。再び水洗いして水分をよくきり、やや薄めに切りつける。

    コエゾボラモドキの焼きつぶ ヒメエゾボラの焼きツブは北海道名物でもあるが、本種も同様に焼いておいしい。表面の汚れを流す。足(蓋の着いている部分)を引き出して唾液腺を取り出すが、身をぬき、足を割って唾液腺を抜いてもいい。写真は身を抜き。ワタ、足の部分を数等分に切り分けて焼いている。焼いて水分が沸き上がってきたら酒・醤油で味つけする。

    関連コラム(料理法・レシピ)

    記事のサムネイル写真マツブなどテトラミンのあるエゾボラ属の仕込み
    ツブなど(エゾボラ属)は基本的に剥き身にして、足の中心部分にある唾液腺をとってから料理する。 唾液腺にはテトラミンが含まれる。 テトラミンは死亡例はないものの・・・ 続きを開く

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑 第二版』(奥谷喬司編著 東海大学出版局 20170130)、『北の貝の仲間たち』(樋口滋雄)
  • 主食材として「コエゾボラモドキ」を使用したレシピ一覧

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