汐っこの刺身 1kg前後以下の若いカンパチは秋に旬を迎える。関東ではこの秋の若魚を好んで食べる。この時期、身に張りがあり、脂のほどほどにある。三枚に下ろして皮を引き、刺身にする。適度な食感のなかにアジ科らしい酸味があり、後味が非常にいい。酒の肴にも、ご飯にも合う。
カンパチの背の刺身 4kgほどの背の部分の刺身だ。三枚に下ろして血合いを切り、皮を引いて刺身に。同じサイズならブリよりもおいしいと思う。酸味が微かにあり、ほどよい食感がある。アジ科らしいうま味もあってとても味わい深い。
カンパチの刺身腹部分 4kgのものの腹の部分の刺身だ。三枚に下ろして血合いを取る。皮を引いて刺身にする。脂は皮下と身に混在している。食感も背の部分よりも強く、うま味も豊かである。
カンパチのカルパッチョ 700g前後の小型を使ったが、野締めでも十二分にうまい。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。できるだけ薄く切りつける。皿にニンニクをなすりつけ、オリーブオイルを垂らして振り塩をする。ここに切り身を並べてとんとんと馴染ませる。上にトマトや辛い青唐辛子、キウイやプルーンなどの野菜果物などを並べて、仕上げに塩をしてオリーブオイルを回しかける。
カンパチのセビチェ 手の平にのるサイズを使う。三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。皮を引き、比較的細かく薄く切る。これをライム、塩、青唐辛子たっぷりでマリネする。適度にしまったら紫玉ねぎを加えて和える。非常に軽く爽やかな味わいでスピリッツに合う。
カンパチのなめろう サイズは選ばない。鮮度さえよければ野締めでもいい。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を抜く。細かく切り、みそ、ネギ(ここでは玉ねぎ)、ミョウガや大葉と叩く。ゆっくりと少しずつつまみながら酒の肴にすると最高にいい。ご飯に乗せて茶漬けもうまい。
カンパチ大根 あらを集めて置く、湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり、酒・みりん・醤油・水で煮る。ある程度煮えてきたら下煮した大根を加える。ワイルドに生の大根と最初から煮てもうまい。二日くらいすると骨までたべられる。
カンパチのあら煮(かまの煮つけ) 頭部やかまの部分、中落ちの部分は煮ると非常にうまい。ここではかまを使った。湯通しして、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・醤油・水で煮上げる。醤油によっては砂糖、みりんで甘味をつけてもいい。身離れがよく上品な味わいで、柔らかく甘味がある。
カンパチのしゃぶしゃぶ 刺身は、大量に食べると飽きが来る。これを半量くらいしゃぶしゃぶで食べるといい。ここでは皮付きのまま刺身状に切る。これを昆布だしに酒・塩で味つけして好みの加減で火を通しながら食べる。ポン酢、柚子胡椒などどのように食べてもおいしい。
汐っこの冷たい煮つけ(カンパチの冷たい煮つけ) 手の平にのるサイズを水洗いする。これを湯通しして、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよく切り、酒・醤油・水・さし昆布であっさりと煮る。煮上がりにショウガを振る。これを冷蔵庫で冷やす。味は冷やしているときにぐっと入っていくので、調味料は控えめにする。冷たい煮つけは夏の酒の魚に最高である。
カンパチのフライ 小型はフライ材料としてとても優れている。三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮付きでも、皮を引いてもどっちでもいい。塩コショウして小麦粉をまぶして、衣をつけパン粉をまぶして揚げる。さくっと香ばしく身はアジ科らしくうま味がある。軽い味わいなのでご飯にもビールにも合う。
カンパチの南蛮漬け 刺身にした橋の部分や鰭下の部分などを集めて置き塩とコショウで味つけする。水分をよくきり、片栗粉をまぶして揚げる。揚げたてを合わせ酢(酢・砂糖・醤油少し、水)に漬け込む。合わせ酢に漬け込んでもアジ科らしいうまみがあってとてもおいしい。
カンパチの塩焼き 大型で脂ののったものは塩焼きにしてもおいしい。かまの部分に振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。焼いても硬くならず身離れがいい。適度に繊維質で甘味があっておいしい。
カンパチの幽庵焼き 三枚に下ろして切り身にする。水分をよくペーパータオルなどでとり、酒・みりん・醤油同割りの地につけ込む。半日以上つけて焦がさないようにじっくりと焼き上げる。焼いても硬くならず、ふんわりと柔らかく上がりとても美味。
カンパチのフライパン照り焼き フライパンでソテーして甘辛いタレを絡ませる「フライパン照り焼き」も美味しい。三枚に下ろして切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶして多めの油でソテーする。火が通ったら切り身を取りだし、一度火を消して余分な油をすて、みりん・酒・砂糖でデグラッセする。ここに切り身を戻してからめる。
カンパチの潮汁 アジ科なのであらなどからうま味豊かなだしが出る。あらを集めて置き、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを昆布だしで煮て、酒と塩で味つけする。青みや大根など野菜を加えてもおいしい。