ヒラマサ(Yellowtail amberjack)

Scientific Name / Seriola lalandi Valenciennes, 1833

ヒラマサの形態写真

体長1.2m前後だが、最大2.5mになる。側扁(左右に平たい)し、ブリよりも体高が高い。体側中央に縦に黄金色の帯が走る。上顎の背後、いちばん後ろの上方の角は丸い。
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体長1.2m前後だが、最大2.5mになる。側扁(左右に平たい)し、ブリよりも体高が高い。体側中央に縦に黄金色の帯が走る。上顎の背後、いちばん後ろの上方の角は丸い。上顎の背後、いちばん後ろの上方の角は丸い。ブリでは鋭角的で角張っている。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属

    外国名

    Yellowtail amberjack

    学名

    Seriola lalandi Valenciennes, 1833

    漢字・学名由来

    漢字 平政 Hiramasa
    由来・語源 東京や神奈川県での呼び名。ブリと比べて左右に平たく、まっすぐ長いため。もしくはブリよりも平たく、黄金色の縦の帯が直線状(柾 まさ)であるため。
    Valenciennes
    アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。沿岸の中・下層。
    伊豆〜小笠原諸島、北海道全沿岸[オホーツク海]〜九州南岸の日本海、東シナ海、太平洋沿岸、瀬戸内海、屋久島、奄美大島、少ないが沖縄県。
    朝鮮半島南岸・東岸、済州島、山東省、ピーター大帝湾、千島列島の太平洋沿岸、インド-太平洋、アルゼンチン、セントヘレナ島。

    生態

    産卵期は春から夏。
    ブリより成長が早い。
    肉食性でアジ、サバ、イワシ類、スルメイカ、甲殻類などを補食する。

    基本情報

    日本列島以南の暖かい海域に広い生息域を持つ。一般にブリ属3種とはブリ、カンパチ、ヒラマサのこと。なかでもヒラマサはとれる量も養殖される量も少なく、もっとも知名度が低い。またカンパチとともに非常に大型になる。
    産卵期が春のブリの旬は冬、本種は春〜初夏が旬で、産卵後以外あまり味が落ちない。
    ブリに極めて似ており、プロでも見まごうことがある。ブリとの見分け方は体が平たい、縦縞の黄色が鮮やかであることなどで慣れれば意外と簡単である。また下記の方法も参照されたい。
    また食用魚として以上に釣りの世界で人気が高い。太公望憧れのターゲットである。
    ヒラマサ
    主上顎骨後縁上部は丸く角張らない。ブリは角張っている。
    ブリ
    主がく骨後端(口の真上の三角形の部分)の上の角がブリでは尖っている。

    水産基本情報

    市場での評価 ブリ類ではもっとも入荷量の少ないもの。養殖されている量も少ない。値段は一年を通してやや高値。
    漁法 釣り、定置網、シイラ漬け漁
    産地

    選び方

    味わい

    大型の旬は春から夏。若魚は周年味がいい。
    大型は処理(締め方)がよければ寝かせた方がうまい。小型ではブリよりも美味。
    鱗は小さく、取りにくい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くない。
    ブリ属特有の透明感のある白身で、血合いが赤く美しい。
    熱を通すと締まる。

    栄養

    寄生虫

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒラマサの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、セビチェ、ポキ、なめろう)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、みりん干し)、ソテー(ムニエル、フライパン照り焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、汁(みそ汁、潮汁)、蒸す(清蒸、剁椒魚頭)、卵巣(煮つけ、焼く)

    ヒラマサの刺身[背下部] 同じブリ属でもブリとの違いは白身のように熟成することだ。仕立てさえよければ刺身で長い期間食べられる。写真は4日目の背の血合い近くの部分の刺身。血合いは熟成しても酸味はもたつ柔らかく広く深い味わい。大型は背の部分、腹の部分などで微妙に味が違う。脂の甘さと相まって非常においしい。

    ヒラマサのセビチェ 刺身にするとどうしても無駄な部分がでる。これをより細かく切り。塩・辛い唐辛子・ライム(柑橘類はなんでもいい)でマリネする。身が白くなったら好みの野菜などを合わせて皿に盛る。レンズ豆やアボカドなどを加えるとボリューム感が出る。
    ヒラマサのポキ ポキ(ポケ)はハワイで生まれた料理らしいが、ミクロネシアやメラネシアなど熱帯域で広く作られているようだ。皮を引いた身を細かく切り、ねぎや好みの野菜と和え、醤油・ごま油と和えるだけ。簡単でおいしく、パンにも合う。
    ヒラマサのみそたたき(なめろう) 尾に近い部分や、小型魚などは、なめろう(みそたたき)にしてもいい。水洗いして皮を引き、細かく切る。これをみそ・ねぎなどの香辛野菜と合わせて叩く。
    ヒラマサの塩焼き 大型は焼いてもおいしい。適当な大きさに切り、振り塩をする。1時間以上寝かせて焼き上げる。脂のあるものは焼き上げると表面に脂が浮き上がり、揚げたような香ばしさが生まれる。
    ヒラマサのみりん干し 血合い部分や腹もなどをみりん干しにした。小型は片身、開いて作ってもいい。切身などに軽い振り塩をする。表面に出た水分を拭き取り、みりん干しの地(醤油・砂糖・少量のみりん)につけ込む。2時間以上漬け込んで干し上げる。
    ヒラマサのバター焼き 小型や尾に近い部分はソテーに向いている。適当な大きさに切り、塩コショウする。小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。仕上げにバターで風味づけする。ニンニクやしょうがの香りをつけてもおいしい。
    ヒラマサのフライパン照り焼き フライパン照り焼きは料理の書籍にあった料理名だった気がする。照り焼き風の味のムニエルといったところ。切身に軽く塩コショウ。小麦粉をまぶしてやや多めの油でソテーする。火が通ったら切身を取りだし、市販の照り焼きのタレ、もしくはタレ(醤油・みりん・砂糖、好みで酒)、しょうがの搾り汁を入れて煮つめ、切身の上にかける。
    ヒラマサのフライ 小振りのものや鮮度的に刺身にならないものを使う。適当に切り、塩コショウして小麦粉をまぶす。衣(卵・小麦粉・水)をからめてパン粉をまぶして揚げる。パン粉の中に豊潤で柔らかい身が包まれている。
    ヒラマサの唐揚げ かまや尾に近い部分を使う。適当に切り、水分をよく拭き取る。片栗粉をまぶして二度揚げする。からっと揚がったら塩コショウ(ここではガラムマサラ)を振る。中骨などを除けば二度揚げすると丸ごと食べられる。
    ヒラマサの清蒸 兜は梨子割りにする。水分をよくとり、皿に割り箸を敷き、半割の兜を乗せる。上にねぎ、しょうがを乗せて蒸す。タレを作る。醤油(中国や台湾のものでも国産でもどちらでも)、紹興酒、魚醬を合わせて煮立てたもの。蒸し上がったら皿に溜まった汁を捨て、割り箸をとり、タレをかけてねぎや香菜などを乗せて煙が出るくらいに熱した油をかける。酒ではなくご飯に合う。
    ヒラマサの剁椒魚頭 中国湖南省・四川省などで作られている剁辣椒(ドゥラージャオ/唐辛子の塩漬け)を使う。頭は梨子割りにする。水分をよくきり、器に乗せて、酒を振り、剁辣椒をのせて蒸す。非常に簡単な料理ではあるが、和食にはない本格的な中華の味。ご飯に合う。
    ヒラマサの潮汁 あらを集めて置く、湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり差し昆布(昆布だしでも)をした水のなかで煮だして酒・塩で味つけする。非常にうま味豊かな汁となり、付着した身に甘みがある。
    ヒラマサの真子煮つけ 真子は卵粒が小さく、味がいい。真子は適当に切り、酒・みりん・醤油・水の地の中に数個ずつ落としていく。甘辛く煮つけるとご飯にも合い、非常においしい。当座のおかずとしても好ましい。
    ヒラマサの真子塩焼き 真子は皮を破かないように取りだし、強めの塩をする。水分が出たら拭き取り、少し寝かせる。半日以上密閉しておき、水分をさらに拭き取り焼き上げる。卵粒が細かくほくほくして美味。
    ヒラマサの白子焼き 白子も成熟度が低ければ非常においしい。ここでは一口大に切り、戻した昆布に乗せて振り塩をする。これを強火で焼き上げる。焼くと甘味とうまみが豊かで奥深い味わいになる。燗酒に合う。

    好んで食べる地域・名物料理

    夏の魚 徳島県海部郡海陽町宍喰では6月、7月、8月に揚がりとても味が良く値が高い。徳島県南では夏の魚だ。

    加工品・名産品

    釣り情報

    釣りの対象魚としてはもっとも人気のある魚のひとつである。山陰、関東では船釣り、関東では磯釣りでも狙える。専用の竿まである。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『魚類学 下』(落合明、田中克 恒星社厚生閣)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『商用魚介名ハンドブック』(日本水産物貿易協会編 成山堂)

    地方名・市場名

    ヒラ
    場所三重県志摩市和具、京都府宮津、鳥取、愛媛県三津・宇和島 参考文献、日比野友亮さん 
    シオ ヒラブリ
    場所三重県鳥羽 参考文献 
    ヒラス
    場所大阪、高知県志和、九州、長崎県長崎・平戸市度島・壱岐、山口県下関 参考福畑敏光さん、文献 
    マヤ
    場所富山県生地 参考文献 
    ヒラサ
    場所広島 参考文献 
    シオノコ
    場所新潟県新潟 参考文献 
    ハチ
    場所新潟県筒石 参考文献 
    セントク
    場所新潟県能生町 参考文献 
    アカユ
    場所新潟県頸城(上越市) 参考文献 
    マサ
    場所東京 備考市場などでも。 
    アオッコ
    場所東京都三宅島 サイズ / 時期小型 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ブリ
    場所東京都八丈島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    アオブリ
    場所東京都新島・神津島・三宅島・八丈島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ヒラマサ
    場所東京都東京・伊豆諸島・小笠原、神奈川県三崎、徳島県海部郡海陽町宍喰、高知 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)、長尾桂一郎さん 
    ヒラゴ[平子]
    場所長崎県長崎市長崎魚市場 サイズ / 時期小型魚 
    ハマス
    場所高知 サイズ / 時期若魚 参考文献 
    カンパチ
    場所高知県奈半利町賀領郷 参考『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版) 
    テンコツ
    場所鹿児島 参考文献 
    ハネゴ
    場所鹿児島県 参考文献 
    ヒラソウジ
    場所鹿児島県奄美大島 参考文献 
    マサギ
    場所三重県尾鷲市 
    ヒラソ
    場所山陰、高知県鵜来島 
    ヘラ
    場所福井県三国 参考文献 
    マサギ
    場所高知県熊野浦 参考文献 
  • 主食材として「ヒラマサ」を使用したレシピ一覧

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