体長25cm前後になる。側面から見ると正円に近く第2背鰭、尻鰭の軟条は伸びる。鰭は黒く、特に尻鰭は黒い。リュウキュウヨロイアジと比べると眼前のしこり状のコブのふくらみは弱く、吻にかけてのくぼみも弱い。第1鰓弓の下枝鰓耙数は20-24(リュウキュウヨロイアジは14-17)。[鹿児島県南さつま市笠沙産]
ヨロイアジの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![体長25cm前後になる。側面から見ると正円に近く第2背鰭、尻鰭の軟条は伸びる。鰭は黒く、特に尻鰭は黒い。リュウキュウヨロイアジと比べると眼前のしこり状のコブのふくらみは弱く、吻にかけてのくぼみも弱い。第1鰓弓の下枝鰓耙数は20-24(リュウキュウヨロイアジは14-17)。[鹿児島県南さつま市笠沙産]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2481/Thumb630/yoroiaji.jpg)
![鰭は黒く、特に尻鰭は黒い。[鹿児島県南さつま市笠沙産]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2481/Thumb630/yoroiaji0.jpg)
![リュウキュウヨロイアジと比べると眼前のしこり状のコブのふくらみは弱く、吻にかけてのくぼみも弱い。[鹿児島県南さつま市笠沙産]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2481/Thumb630/yoroiaji00.jpg)
![第1鰓弓の下枝鰓耙数は20-24(リュウキュウヨロイアジは14-17)。[鹿児島県南さつま市笠沙産]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2481/Thumb630/yoroiaji000.jpg)
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珍魚度・珍しさ
★★★★
正に珍魚・激レア生物魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科クボアジ属外国名
学名
Atropus armatus (Forsskål 1775)漢字・学名由来
漢字/鎧鰺 Standard Japanese name / Yoroiaji
由来・語源/田中茂穂の命名。鎧を思わせるなにかがあったのかも。また田中茂穂のヨロイアジ図はリュウキュウヨロイアジである。
〈アヂ科アヂ亞科カイワリ屬ヨロイアヂ亞屬 ヨロイアジ Caranx armatus〉。1938年時点でヨロイアヂ亞屬で和名のついている種はほとんどない。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)Forsskål
ペール・フォルスコール(ペーテル・フォルスコール)。ヘルシンキに生まれる。『諸動物の記載』【DESCRIPTIONES ANIMALIUM』(PETRUS FORSSKÅL,1732-1763 CARSTEN NIEBUHR,1733-1815】。『コペンハーゲンの教授ペーテル・フォルスコールによって東方への旅行中に観察された哺乳類、鳥類、両生類、魚類、昆虫類および下等動物の記載。著者の没後、カールステン・ニーブールによって編纂さる付録として海路の薬用草本〔の目録〕と紅海の地図を付す』。紅海東岸の魚類をミナミヒメジ、バラハタ、オオモンハタ、ナミハタ、ナンヨウツバメウオ、トゲチョウチョウウオ、モンツキクロハギほか。デンマーク国王フレデリク5世が後援して博物学者のフォルスコールが率いた6人のアラビア探検の途中、1763年マラリアのためにイェリームの町(現イエメン)にて客死。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。内湾などの沿岸の浅場。
長崎、山口県下関、駿河湾、宇和島、日向灘、[鹿児島県南さつま市笠沙]、沖縄島、宮古諸島。
台湾、香港、海南島、トンキン湾、ベトナム、タイランド湾、アンダマン海、スリランカ、西インド洋。生態
ー基本情報
九州や本州でも揚がっているものの、国内では主に亜熱帯域で揚がる魚。徐々に北上傾向にあるように思うが量的には少なく、とても珍しい。
ヨロイアジ属はすべて味がいいのだけれど、本種も同様に非常に味がいい。
まとまってとれたならぜひ流通にのせてもらいたい。
珍魚度 非常に水揚げが少なく、同定できる人も少ない。本種を手に入れるのは至難である。水産基本情報
市場での評価/流通上見ていない。
漁法/定置網
産地/鹿児島県選び方
銀色が強いもの。鰓が赤く張りのあるもの。味わい
旬は不明。
鱗は細かく弱い。取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨は柔らかい。
血合いは弱く、透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヨロイアジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ、なめろう)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、揚げる(フライ)、汁(みそ汁)、ソテー(バター焼き)クリックで閉じますヨロイアジの刺身
ヨロイアジの刺身 旬はまったくわからないが11月に来た個体には適度に脂がのっていた。鮮度もよかったので食感も楽しめ、また透明感があって血合いが弱い。これくらい刺身に向いた身質の魚も少ないのでは。脂からくる甘さ、アジ科特有のうま味の豊かさともに合わさってやたらにうまい刺身である。
ヨロイアジの塩焼き 背の青い魚ならではの強いうま味と皮目の香りが実にいい。上質の白身に血合いが小さい分酸味が少ない。ここでは二枚に下ろして骨のついた方に振り塩する。1時間以上寝かせて、じっくりと焼き上げる。脂が熱で溶け出して独特の風味が生まれていて、名状しがたい味だ。クリックで閉じますヨロイアジの塩焼き
ヨロイアジの煮つけ 1尾を二枚に下ろして骨つきの方と頭部を煮た。実にうま味の強いだしが出る。これを絡めながら煮つけていく。煮ても硬く締まらず、ふんわりと煮上がってとても味わい深い。酒、砂糖、しょうゆでこってり煮ても、酒、塩であっさり煮ても美味。クリックで閉じますヨロイアジの煮つけ
ヨロイアジのフライ 三枚に下ろして血合い骨を抜き、塩コショウ。小麦粉をまぶし溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて揚げた。揚げるとパン粉の香ばしさがあり、適度に繊維質の身が豊潤になる。アジ科ならではのうま味が実にいい。皮は引いてもいい。クリックで閉じますヨロイアジのフライ
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/伊東正英(鹿児島県南さつま市笠沙)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)