100cm TL 前後になる。やや側へん(左右に平たい)し、体高が高い。背鰭・臀鰭は若い個体でも著しく伸びない。背鰭棘から吻にかけて丸味を帯びる。大型になると身体が長くなり、吻端は前方に伸びて口よりも前にせり出す。上唇前部は頭部から分離する。マルコバンと比べて腹鰭が小さい・[31cm SL ・1.03kg]
ヨコヅナマルコバンの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![100cm TL 前後になる。やや側へん(左右に平たい)し、体高が高い。背鰭・臀鰭は若い個体でも著しく伸びない。背鰭棘から吻にかけて丸味を帯びる。大型になると身体が長くなり、吻端は前方に伸びて口よりも前にせり出す。上唇前部は頭部から分離する。マルコバンと比べて腹鰭が小さい・[31cm SL ・1.03kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/3079/Thumb630/20241205586.jpg)
![100cm TL 前後になる。やや側へん(左右に平たい)し、体高が高い。背鰭・臀鰭は若い個体でも著しく伸びない。背鰭棘から吻にかけて丸味を帯びる。大型になると身体が長くなり、吻端は前方に伸びて口よりも前にせり出す。上唇前部は頭部から分離する。マルコバンと比べて腹鰭が小さい・[31cm SL ・961g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/3079/Thumb630/20241204470.jpg)


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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科コバンアジ属外国名
Giant Oystercracker Dart Indo-Pacific Permit Oyster Pompano Oyster-eater Oyster-eater Dart
言語英語 場所オーストラリア 備考the Fishes of Australia学名
Trachinotus anak Ogilby, 1909漢字・学名由来
漢字/横綱丸小判 Standard Japanese name / Yokodunamarukoban
由来・語源/非常に大型になるため。
〈Trachinotus anak には和名がないため,鹿児島県産の標 本(KAUM–I. 123272, 体長748.0mm) に 基づき,新標準和名ヨコヅナマルコバンを提唱する.これは本種の巨躯と発達した背側筋が,大相撲の力士の最高位である横綱を連想させることに因む〉。『鹿児島県から得られた日本初記録のアジ科魚類 Trachinotus anak ヨコヅナマルコバン(新称)』(和田英敏、伊東正英 、本村浩之 2019年11月5日)
英名/Oyster-eater カキ(牡蛎)を食べる魚という意味。コバンアジ属は砂の中の貝を食べていることが多いが、今回の個体にはなにも入っていなかった。Ogilby
James Douglas Ogilby (ジェームス・ダグラス・オグルヴィ 1853-1925 アイルランドベルファースト生まれ)。魚類学者。始めは大英博物館。後にオーストラリア博物館オーストラリア移る。魚類研究をして重要な発見を数多くする。
Wada
和田英敏(Hidetoshi Wada)。1992年、熊本県生まれ。鹿児島大学で博士号を取得。在学中からシロカサゴ科魚類の研究をする。現在、神奈川県立生命の星・地球博物館。鹿児島大学在籍中から多くの論文に関わり、多くの業績を残す。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。
長崎県対馬市厳原町漁協定置網、熊本県天草市天草町下田、鹿児島県南さつま市笠沙。
台湾、オーストラリア北部、ニューカレドニア。生態
ー基本情報
2019年に国内で見つかり、和名がついたばかり。流通していないと思っている。
分類的に混乱があるので、産地もはっきりしていない。
珍魚度 どうやら珍しい魚ではないようだ。ただ、同定が非常に難しいので手に入れてもわからない可能性が高い。水産基本情報
選び方
ー味わい
旬は不明だが、12月の個体は非常に脂がのっていて味がよかった。
鱗は細かいが取りやすい。皮は厚めで硬い。骨は柔らかい。
血合いの美しい白身で非常に上質である。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヨコヅナマルコバンの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、揚げる(フライ)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル)、汁(みそ汁)ヨコヅナマルコバンの刺身(背) 今回の個体は脂が非常に乗っていたが、背の部分は脂はそこそこ。滑らかで緻密な身質をしている。また、新しくても柔らかく、舌触りがいい。うま味が非常に豊かで、脂の口溶け感と甘味が感じられる。水揚げの翌日に来た個体は3日以上刺身で楽しめた。クリックで閉じます
水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を引いて刺身状に切る。
ヨコヅナマルコバンの刺身(腹) 腹の部分は皮を引くのが難しいほど脂が強い。身が背以上に緻密で硬く感じるくらいだ。噛みしめるとじわりと染み出してくる脂に強い甘みがある。水洗いして三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮を引いて薄めに刺身に引く。クリックで閉じますヨコヅナマルコバンの焼霜造り なんとか皮を生かしたいと思って、皮霜造にしたが皮が硬くて難しかった。焼霜造りで強めにあぶったものはなんとかいけた。皮は硬いがうま味があり、その直下に液化した脂が感じられる。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。腹の身をバーナーであぶり、氷水に落とす。表面の焦げや残った鱗を取り、水分をよくきり刺身状に切る。クリックで閉じますヨコヅナマルコバンのフライ 腹の部分を揚げたら身が半液体となった。とろっと柔らかく、じわりと液体と化した脂とうま味が出てくる。どこまでも柔らかく甘味が感じられる。魚のフライとしては特上のものである。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、腹の部分を今回は皮付きのまま塩胡椒する。小麦粉をつけて溶き卵をまぶし、パン粉をつけて揚げる。クリックで閉じますヨコヅナマルコバンの塩焼き 皮の味わい、皮直下の液化してしっとりした部分、身質などはマナガツオに似ているし、ちゃんとアジ科のうま味もある。どこにも欠点のない味である。水洗いして二枚に下ろして切り身にする。振り塩をして1時間程度寝かせて焼き上げる。クリックで閉じますヨコヅナマルコバンの兜煮(煮つけ) 意外に皮に魅力が感じられなかったが、付着している身には甘みがあり、適度に繊維質でおいしい。身離れがいいのも魅力的だろう。水洗いして頭部を半割にする。湯通しして冷水に落として表面のぬめりなどを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で煮る。砂糖ではなくみりんを使ってもいい。クリックで閉じますヨコヅナマルコバンの煮食い(魚すき) 煮ながら食べると、割り下との相性が抜群にいい。煮ても硬くならず醤油ベースの割り下と一緒になってうま味が増す、柔らかいのも魅力だろう。水洗いして尾に近い部分や腹の骨つきの部分を適当に切る。湯通しして冷水に落とし、ぬめりなどを流し水分をよくきる。これを酒・みりん・醤油・水を合わせた地で煮ながら食べる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/坂田雄三さん(カギヤ 大阪市北区池田町ぷらら天満)、木戸鮮魚店(熊本県天草市五和町御領6483)
アドバイス/伊東正英さん(鹿児島県南さつま市)、和田英敏さん(神奈川県立 生命の星・地球博物館)
参考/『鹿児島県から得られた日本初記録のアジ科魚類 Trachinotus anak ヨコヅナマルコバン(新称)』(和田英敏、伊東正英 、本村浩之 2019年11月5日)