1m SL 前後になる。やや側へんし、体高がある。目は胸鰭よりも上。背から目・口に至る斜めの帯がある(成魚では不明瞭)。背鰭は長く、尾鰭下葉は白くない。
ヒレナガカンパチの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ブリモドキ亜科ブリ属外国名
学名
Seriola rivoliana Valenciennes,1833漢字・学名由来
漢字 鰭長間八 Hirenagakanpati
由来・語源 1975年前後に第2背鰭の長いカンパチ。
ブリ属はヒラマサ、ブリ、カンパチの3種だった。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)・『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955年1版・1971年校訂版)
『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)・『琉球列島産魚類目録』(PDF 原色原図提供/吉野哲夫、西島信昇、篠原士郎、吉野哲夫、西島信昇、篠原士郎 1975年09月01日)にヒレナガカンパチ。Valenciennes
アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。地方名・市場名
生息域
海水魚。沿岸の中・下層。
[富山湾 2008-2018 年に富山湾で新たに記録した魚類 木村知晴・西馬和沙・不破光大・稲村 修(魚津水族館)]、能登半島、山口県日本海側、長崎県、八丈島、小笠原諸島、千葉県外房、相模湾・[茅ヶ崎平塚]〜九州南岸・屋久島の太平洋沿岸、鹿児島県笠沙、琉球列島。
済州島、台湾、全世界の温帯・熱帯域(東太平洋をのぞく)生態
ー基本情報
世界中の熱帯・温帯域にいる魚で、熱帯に多い。千葉県外房・富山湾以南でも普通になっている。ブリ属の中ではもっとも流通量の少ないものではあるが、徐々に増えている。
カンパチと比べると味は落ちるものの、おいしい魚である。比較的価格も安値安定してきているのでお買い得かも。
珍魚度 珍しい魚ではなく、徐々に普通の食用魚になってきている。それでもブリやカンパチのように養殖していないので、多少は探す必要がある。水産基本情報
市場での評価/伊豆諸島、九州などから入荷してくる。カンパチ同様高値がつく。
漁法/釣り、定置網
産地/鹿児島県、東京都選び方
触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。大型でかつ体高のあるもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒレナガカンパチの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、カルパッチョ、焼き切り、ポキ)、ソテー(バター焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、煮る(煮つけ、ちり鍋)、汁(みそ汁、潮汁)、焼く(塩焼き、幽庵焼き)クリックで閉じます
ヒレナガカンパチの刺身[背] 非常に歩留まりがよく、血合いの色がきれい。ブリ属特有の均質で滑らかな身質である。ほんのりと酸味が感じられて、脂からくる甘味がある。普通に角造りにして味わい深い。まったりした味で実においしい。
水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて刺身状に切る。
ヒレナガカンパチの焼き切り(焼霜造り) 大型の後方部分、小振りは味わいがやや淡泊で単調である。三枚に下ろして皮目をあぶって氷水に落とし、水分をとる。冷蔵庫などで寝かせて、皮目が落ち着いたら適当に切る。やや単調な味わいであるが、皮と皮直下に味がある。クリックで閉じますヒレナガカンパチのバター焼き 徐々にカンパチよりも安くなってきている。特に小振りはそんなに高くないので、惣菜剥きである。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。食べやすい大きさに切り、塩コショウ、小麦粉をまぶして多めの油でじっくりとソテーする。仕上げにバター(マーガリン)で風味づけする。クリックで閉じますヒレナガカンパチのフライ クセのない上質の白身で熱を通しても硬くならない。揚げ物に向いている。ここでは切り身にして塩コショウする。小麦粉をまぶしてアングレーズ(卵・脂・水を合わせたもの。小麦粉を加えるとバッター液でどちらでもいい)か溶き卵をくぐらせてパン粉をつけえて短時間でさくっと揚げる。クリックで閉じます
ヒレナガカンパチの唐揚げ 頭部、切り落とした部分などを集めて唐揚げにしてもうまい。酒・しょうゆ・みりん・しょうが・にんにくなどを合わせた地につけ込んで竜田揚げにしてもいい。ここでは片栗粉をまぶしてじっくり揚げて、揚げたてに塩と香辛料(コショウ、カイエンヌペッパー、ヒハツ)を振った。クリックで閉じますヒレナガカンパチの兜煮(煮つけ) 大型のウレシイのは兜で数品作れることだろう。ここでは梨子割りにして湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・みりん・しょうゆで煮た。砂糖を加えて甘辛にしてもいいし、甘味であるみりんを抜きあっさりにてもおいしい。クリックで閉じますヒレナガカンパチの大根煮つけ 台湾では長鰭鰤というくらいだから、味的にはブリである。あらを集めて「ヒレナガカンパチ大根」にしてとても味がいい。煮上がりをそのまま食べてもいいし、なんどか煮返して食べてもうまい。長時間煮ると骨まであますところなく食べることができる。クリックで閉じますヒレナガカンパチのちり鍋 あら、腹身、中骨などから実にいいだしがでる。これで作る鍋は非常にうまい。あらは湯通しして冷水に落としてぬめりや血液、残った鱗などを流す。水分をよくきり、昆布だしに酒・塩味で煮ながら食べる。野菜などはお好みで。クリックで閉じますヒレナガカンパチの塩焼き 大型のかまの部分に振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくり時間をかけて焼き上げる。表面の香ばしい部分の下に脂を含んだ上質の白身がある。香ばしいのと芳潤が一時にくる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)地方名・市場名 ?