ギンガメアジ

Scientific Name / Caranx sexfasciatus Quoy and Gaimard,1824

ギンガメアジの形態写真

50cm SL前後になる。やや体高があり、目は吻に近い。尾鰭、背鰭は黒く、背から頭部、吻にかけてがやや直線的。胸鰭は透明もしくは黒ずむ。鰓蓋上部の黒斑は小さい。
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50cm SL前後になる。やや体高があり、目は吻に近い。尾鰭、背鰭は黒く、背から頭部、吻にかけてがやや直線的。胸鰭は透明もしくは黒ずむ。鰓蓋上部の黒斑は小さい。50cm SL前後になる。やや体高があり、目は吻に近い。尾鰭、背鰭は黒く、背から頭部、吻にかけてがやや直線的。胸鰭は透明もしくは黒ずむ。鰓蓋上部の黒斑は小さい。[20.5cm SL]50cm SL前後になる。やや体高があり、目は吻に近い。尾鰭、背鰭は黒く、背から頭部、吻にかけてがやや直線的。胸鰭は透明もしくは黒ずむ。鰓蓋上部の黒斑は小さい。[18cm SL]
    • 魚貝の物知り度

      ★★★
      知っていたら通人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ギンガメアジ属

    外国名

    学名

    Caranx sexfasciatus Quoy and Gaimard,1824

    漢字・学名由来

    漢字 銀紙鰺 Gingameaji
    由来・語源 長崎での呼び名をとって標準和名とした。「体表が銀紙を張ったように輝く」ことから。参考/『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版
    和名なし 〈アヂ科カイワリ属ギンガメアヂ亞屬 標準和名なし Caranx sexfasciatus QUOY et GAIMARD〉。ギンガメアヂ亞屬にギンガメアヂがないという状況は、『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)・『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)。ギンガメアジはロウニンアジ以外の似かよった魚の総称であった可能性がある。
    ナガエバ 古くは高知での呼び名、ナガエバ(長江場)を標準和名としていた。田中茂穂は〈従来、成魚と幼魚とが別種と考へられてた時代がある。相当美味のもので、内湾にも侵入する〉と書いている。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。内湾・サンゴ礁などの沿岸域。
    小笠原諸島、伊豆諸島、青森県津軽海峡-九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島、南大東島。若狭湾〜山口県の日本海側(少ない)、瀬戸内海。
    朝鮮半島南岸、山東半島、台湾、福建省、広東省、海南島、中沙諸島、インド-汎太平洋。

    生態

    幼魚、若魚は内湾、サンゴ礁、河口域、川にものぼる。
    ギンガメアジ ミナミギンガメアジと比べて体高がある。背鰭、尾鰭、背中の部分などが黒っぽい。鰓蓋上部の黒斑は小さい。頭部から吻にかけて緩やかなカーブを描く。
    ミナミギンガメアジ ギンガメアジよりも体高が低い。鰓蓋上部の黒斑はくっきりしている。頭部から吻にかけて急に曲がり込む。吻が短い。

    基本情報

    比較的暖かい内湾や汽水域にみられる。本州などでは若魚が多く、大型は九州や沖縄県、小笠原に多い。インド洋、太平洋の熱帯域では重要な食用魚だ。
    汽水域には若魚が普通に見られ、内湾などに多いので定置網などでしばしばとれる魚だ。
    関東などではあまりなじみがなくスーパーなどではまったく見かけないが、四国、九州では比較的食用として売られている。沖縄では広い意味での「がーら(アジ類)」のひとつ。

    水産基本情報

    市場での評価 関東の市場には希に入荷する。関西ではやや多く、九州などでは少なくない。沖縄などではよく見られるもの。関東ではあまり高くない。
    漁法 釣り、定置網
    主な産地 沖縄県、鹿児島県、宮崎県

    選び方

    できるだけ黒くないもの。触って硬く、鰓が鮮紅色のもの。

    味わい

    旬/調べているところ。九州などでは秋から寒い時期に美味だと思う。
    小さくてもうまい。大きい方がうまいとは限らない。
    鱗は軟らかくて薄い。稜鱗(ぜんご)がある。皮はやや厚い。
    透明な白身で血合いも赤いが、時間が経つと身の色が白濁し、血合いが黒みがかる。
    あらなどからいいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ギンガメアジの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、焼霜造り、セビチェ)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、焼く(塩焼き)、ソテー(バター焼き、照り焼き)、揚げる(フライ)

    ギンガメアジの焼き切り(焼霜造り) 関東で「めっき」と呼ばれている手の平に乗るサイズでも、大型に負けず劣らずうまい。今回は水洗いして三枚に下ろし、血合い骨、腹骨を取り、皮目をあぶって切りつけた。皮目の香り、身のうま味豊かであることなど、非常にウマシである。小型は刺身で食べてもおいしい。


    ギンガメアジの刺身ギンガメアジの刺身 活け締めにしたものを使いたい。野締めのなかには臭味のある個体がある。血合いが赤く、アジ科ならではのうま味があり、食感がいい。シマアジに似た身質で刺身にしてこれ以上ない身質である。


    ギンガメアジの煮つけギンガメアジの煮つけ 二枚に下ろして骨のある方を煮つけにしたもの。切り身を湯に通して冷水に落とし、ぬめりや鱗などを取り、よく水分をきる。これを酒、砂糖、しょうゆ、水(酒、しょうゆ、水でも味つけは好みで)で味つけする。しょうがは薄く切るもしくはせん切りにして最初から入れても、仕上げに搾り汁を落としてもいい。アジ科はすべて煮つけにして微意である。
    ギンガメアジのみそ汁ギンガメアジのみそ汁 小振りのものを水洗いして適宜に切り、湯に通して冷水に落とす。鱗やぬめりなどを取り、水分をよく切る。これを水から煮出してみそをとく。アジ科ならではの強いうま味が汁にでて、とても味わい深い。
    ギンガメアジの塩焼きギンガメアジの塩焼き 二枚下ろしにして骨付きの方に振り塩をする。1時間以上寝かせて、じっくり焼き上げる。なんと言っても皮目がうまい。身はしっとりと甘みがある。食べ終わったらあらに湯をかけて汁にしてもいい。
    ギンガメアジのバター焼きギンガメアジのバター焼き 小振りのものを水洗い。塩コショウして丸のまま、バターでソテーする。島豆腐などを一緒にソテーすると豪華になる。またソテーして仕上げにしょうゆをたらすとご飯に好相性である。
    ギンガメアジのフライパン照り焼き 大型を三枚に下ろして血合い骨と腹骨を取る。これを切り身にして塩コショウし、小麦粉をまぶす。これを多めの油でソテーして取りだし、フライパンにみりん・酒・しょうゆ・甘めが好きなら砂糖を入れて煮立たせてからもどす。野菜なども一緒にソテーするとうまい。

    好んで食べる地域・名物料理

    南日本。

    加工品・名産品

    釣り情報

    波止(防波堤)や汽水域でルアーなどで狙う。ギンガメアジの幼魚とともに人気があるターゲットだ。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)

    地方名・市場名

    ヒラカマジ
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ブツゴ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    アカメ ヒラバー
    場所鹿児島県種子島 サイズ / 時期幼魚 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    エバ
    場所神奈川県小田原市、徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協、鹿児島県種子島 備考榎木の葉で「榎葉」だと考えている。鹿児島県種子島では成魚。 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ゲンゴセ
    場所和歌山県串本町 
    ベッカリ
    場所静岡県・神奈川県相模湾一帯 
    メアカ
    場所宮崎県日南市目井津漁港 
    メアカアジ[目赤あじ]
    場所三重県御浜町 
    メッキ
    場所静岡県駿河湾 サイズ / 時期小型 
    キゼンメ
    備考『ぜんめ』とは〈筮(ぜん)〉に〈め〉の魚名尾語をつけたもの。「筮」は竹矢来のことで棘のある魚の意。参考:『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版」というのがある。ただし棘ではなく竹矢来の格子に組んだ真四角に由来しないだろうか?。 参考『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版 
    アカミークチミチャー エバ カマジ クチミチャー コゼン シマアジ ナガエバ ヒラアジ ヒラジ
    参考文献より。 
  • 主食材として「ギンガメアジ」を使用したレシピ一覧

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