エッチュウバイ

Scientific Name / Buccinum striatissimum Sowerby,1899

エッチュウバイの形態写真

殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。貝殻は薄く白色で淡黄触の殻皮に覆われる。殻は細い線が入り布目を思わせる。殻口は白く外側に反り曲がることがある。縫帯は低い。[山口県産]
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殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。貝殻は薄く白色で淡黄触の殻皮に覆われる。殻は細い線が入り布目を思わせる。殻口は白く外側に反り曲がることがある。縫帯は低い。[山口県産]殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。貝殻は薄く白色で淡黄触の殻皮に覆われる。殻は細い線が入り布目を思わせる。殻口は白く外側に反り曲がることがある。縫帯は低い。[島根県産]殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。貝殻は薄く白色で淡黄触の殻皮に覆われる。殻は細い線が入り布目を思わせる。殻口は白く外側に反り曲がることがある。縫帯は低い。[島根県産]殻長15cm前後になる。ふくらみがあり、縫合(層と層の間の括れる部分)がくびれる。殻は細い線が入り布目を思わせる。貝殻は白色で淡黄触の殻皮に覆われる。殻口は白く外側に反り曲がることがある。縫帯は低い。[京都府産]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足目新腹足亜目エゾバイ科エゾバイ属アニワバイグループ

    外国名

    学名

    Buccinum striatissimum Sowerby,1899

    漢字・学名由来

    漢字 越中貝 Standard Japanese name / Etyuubai
    由来・語源 「エッチュウバイ」は『目八譜』による。越中とつくが富山湾には、むしろ少ない。
    模式標本(タイプ標本)の産地は丹後沖。
    目八譜
    1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
    Sowerby
    G. B. Sowerby I ジョージ・ブレッティンガム・サワビー1世。イギリスの植物学者、貝類学者、イラストレーター。James Sowerby(ジェームズ・サワビー)の次男。

    地方名・市場名

    シロガイ
    場所京都府京丹後市久美浜 参考スーパー 
    ウスカワ
    場所新潟県糸魚川市 参考松澤周一さん(新潟県糸魚川市) 
    バイガイ
    場所福井県福井市 参考聞取 
    シロバイ[白ばい]
    場所関東の市場、鳥取県、島根県 
    シロニシ
    場所鳥取 

    生息域

    海水生。水深200〜500メートル。
    日本海西部、能登半島以西。
    韓国南沿岸。

    生息域について 能登半島以西にいるものは基本的にエッチュウバイ(左)、能登半島以東はカガバイ(右)が生息している。またカガバイは朝鮮半島東沖にも生息していると考えている。[13cm SL 新潟県糸魚川市親不知]

    生態

    基本情報

    能登半島以西の日本海に生息している。やや大型の巻き貝である。
    日本海で主に揚がる「白ばい貝」と呼ばれているものの多くが本種。主な産地は山口県と島根県。両県でとれたものが関東などにも盛んに入荷してくる。
    山陰・北陸ではおでんや煮ものだけではなく、刺身で食べることも一般的。
    関東など東日本ではあまり刺身にすることはなく、もっぱら煮て食べる。そのため、関東では小振りのものの方が高い。
    珍しさ度 一般的な食用貝である。ただし季節が限られているなど常にあるものではない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東では入荷量は多い方。値段は小さいほど高く、次いで大型のもの。中間的なものは安い。
    漁法 カゴ漁
    主な産地 島根県、山口県、福井県、京都府

    関東での値段の傾向 石川県など日本海側では刺身にできる大きいものが高い。関東では刺身にすることが少ないので、小さい方がやや高い。[築地場内]

    選び方

    原則的に生きているもの。口からゆるい液体などがこぼれ出ているものはダメ。

    味わい

    旬は不明。
    漁期が旬といってもいい。年間を通してあまり味が変わらない。
    貝殻は薄くもろい。ワタも筋肉も大きく歩留まりがいい。ワタには苦みがない。
    唾液腺などに毒を含まない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    エッチュウバイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、ソテー(中華炒め、アヒージョ)、煮る(煮つけ、塩ゆで、アヒージョ)、揚げる(天ぷら)

    エッチュウバイの刺身 刺身は柔らかく、甘みがあって非常に美味。食感の強いエゾボラと、柔らかいエッチュウバイは好みの分かれるところ。
    貝殻は包丁の峰などで簡単に割るのがいちばん簡単。ていねいに穴を開けても中身を取り出せる。内臓と蓋を取り、足を切り割って唾液腺(エッチュウバイは無毒だが刺身にするとおいしくないので)を取る。最初そのままぬめりをもみ出す。ある程度ぬめりがとれたら、塩を加えて揉み、水洗いする。あとは刺身状に切る。

    エッチュウバイの炒めもの 剥き身にして薄く切り、塩味をつけた太白胡麻油でざっと炒めたものなので、身はとても柔らかい。貝らしいうま味も堪能出来る。
    剥き身にしてぬめりをもみ出す。薄く切る。ここではギョウジャニンニクを一緒に炒めた。太白胡麻油に鷹の爪とにんにく、塩を入れて熱し、そこにギョウジャニンニクと切りつけた身を入れて短時間炒める。
    エッチュウバイのアヒージョ 剥き身にしてわたと足を分ける。食べやすい大きさに切り、多めのオリーブオイル・にんにく・鷹の爪のなかでソテーする。貝だけではなく油も食すので、貝のうま味が出てもいい。味つけは塩だけで、貝をつまみ、残りの油をパンにつけて食べる。
    エッチュウバイの塩ゆで エッチュウバイは煮ても硬くならず、足(身)に甘味がある。ワタはうま味豊かでこくのある味わいである。
    できるだけ小振りのものを選ぶとやりやすい。買い求めてきたらざっと洗う。鍋に水と塩を入れてエッチュウバイを入れて火をつける。沸騰して10分ほどゆでて鍋止めする。
    エッチュウバイの煮つけ甘辛味 煮ても身(足)は硬くならない。足自体の甘味に醤油などの調味料が加わると味わい深くなる。
    小さいものの方が煮やすい。ざっと水洗いして水をきる。鍋に酒・砂糖・醤油・水を煮立てて、少し煮つめる。ここに洗った貝を入れてからめるように煮上げる。
    エッチュウバイのかき揚げ 揚げると食感が強くなり、とても香ばしい。貝らしいうま味があり、甘い。
    むき身にしてぬめりを取る。できるだけ薄く切り、水分を切り野菜などと合わせる。小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で短時間揚げる。

    好んで食べる地域・名物料理

    日本海側の各県。
    ばいのおでん 石川県金沢市のおでんに、「ばい貝」はつきもの。この「ばい貝」は主に本種でることが多く、カガバイは少ない。
    肝煮 足の部分を刺身にして、残りの内臓部分を煮つけにする。兵庫県日本海側。

    ばい貝の塩ゆで 大鍋でかなり大振りのエッチュウバイを塩ゆでにしたもの。殻を少し割り、食べやすいように切り、ゆで汁たっぷりで出してくれる。この身が柔らかく、甘味がある。ワタの味も絶品である。食べに行った日の「ばい貝」はアニワバイ、カガバイのときもあると思われる。[たにや食堂 福井県福井市福井中央市場内]

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
  • 主食材として「エッチュウバイ」を使用したレシピ一覧

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