41cm SL 前後になる。ハタ化の中では小型。体色は様々だが赤みがかった色合いが多い。体高がありアーモンド型。背鰭棘は9。尾鰭は丸く側へんする。頭部頬のあたりに網目模様がある。[銭州産 25.5cm SL・513g]
アザハタの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ユカタハタ属外国名
学名
Cephalopholis sonnerati (Valenciennes,1828)漢字・学名由来
漢字 痣羽太 Azahata
由来・語源 『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)にアザハタがある。体に黒い不定形の斑紋(痣)がある個体がいるためではないかと思う。
Tomato hind 英名はトマト色のハインド(ユカタハタ属の魚)という意味。hind は後頭部というか、頭部に近い背の部分という意味で、ユカタハタ属の特徴が頭部から背にかけて急激に盛り上がってるところからくる。Valenciennes
アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。サンゴ礁、岩礁域のやや深場。
小笠原諸島、伊豆諸島、駿河湾、[三重県熊野市]、[和歌山県東牟婁郡]、[愛媛県宇和島]〜屋久島の太平洋沿岸、琉球列島。
台湾、香港、海南島、インド〜太平洋。生態
ー基本情報
東京都島嶼部や静岡県以南の太平洋沿岸などにいる小型のハタだが、主に伊豆諸島、鹿児島県島嶼部、沖縄県などで水揚げがある。沖縄県で、ジセイミーバイは人気のある魚のひとつでもある。
ユカタハタ属の中でも小型種なのに、身が締まっていて非常においしい。高級魚である。
珍魚度 珍魚ではない。主に東京都、鹿児島県、沖縄県で水揚げされる。流通量が少ないものの探せば手に入る。水産基本情報
市場での評価 ハタのなかではやや少ないもの。やや高値。
漁法 釣り
産地 沖縄県、鹿児島県、東京都選び方
赤いもの。張りのあるもの。目が澄んで鰓が鮮やかに赤いもの。味わい
旬は夏だと思うが、年間を通してあまり味が変わらない。
鱗は小さくて取りにくい。皮は厚い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いが赤い。身は熱を通すと適度にしまる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アザハタの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、湯引き、汁(みそ汁)、煮る(鍋、煮つけ、まーす煮)、ソテー(オイル焼き)アザハタの薄造り 釣り上げて間もない個体なので、少し寝かせてから造った。それでも少し硬いので薄めに切りつける。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取る。皮を引き、薄めに切りつける。わさび醤油、柑橘類と醤油でもいいし、ポン酢と紅葉下ろしで食べてもいい。クリックで閉じますアザハタの薄造り
身(筋肉)自体に味があり、少しだけ脂が感じられる。非常に味わい深い。
アザハタの刺身 鮮度がいいと身が硬く味がない。これを少し寝かせてから刺身にする。水洗いして三枚に下ろす。保鮮紙にくるんで2日ほど寝かせる(魚の状態によって変わる)。比較的大形であったので背と腹にわけて、背の方を平造りにする。10月の個体は脂がのいっていて皮下にうっすらと脂の層があり、口に入れると甘いと感じる。うま味も豊かで美味。クリックで閉じますアザハタの刺身
アザハタの湯引き 皮は厚みがあって硬いが、味がある。ハタ類ならではの湯引きにして皮を生かしてみた。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り。皮のまま刺身状にきる。これを塩を入れた湯にくぐらせる。やはり皮にうま味があり、嚙むほどに味が出てくる。身の脂の甘さもあいまって非常にうまい。クリックで閉じますアザハタのみそ汁(みーばい汁) 沖縄で魚汁(みそ汁)は食事の脇役ではなく主役、主菜だ。刺身などにしたときの、あらを湯通しして冷水に落とす。残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水で煮だしてみそをとく。実に深みのある味わいで残った身や皮がうまい。ご飯に合う。クリックで閉じますアザハタのちり鍋 水洗いしてあら、上身の端などを集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だし・酒・塩の地で煮ながら食べる。野菜を加えるかどうか、などはお好みで。ポン酢で食べても、柑橘類としょうゆでもいい。クリックで閉じますアザハタの煮つけ 上品な白身でいながらほどよい甘味とうま味がある。この白身のよさを引き出すのに淡い味つけがいいとは限らない。むしろこってりと甘辛に煮て、煮汁をからめながら食べた方がいい。煮て一日目はこのまま食べ、そのままラップをして冷蔵庫に入れておくと見事に煮こごる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/青木修一さん(沼津魚市場 佐政水産 静岡県沼津市)、マル幸水産(東京都八王子市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)