体長70cm前後になる。体高が高く側へんする。体色は薄茶もしくは褐色で同色系の濃い同心円を思わせる帯状の斑紋がある。尾鰭は丸い。[小笠原諸島産 40cm SL・1.478kg]
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![体長70cm前後になる。体高が高く側へんする。体色は薄茶もしくは褐色で同色系の濃い同心円を思わせる帯状の斑紋がある。尾鰭は丸い。[小笠原諸島産 40cm SL・1.478kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/1186/Thumb630/20230606029.jpg)




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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属外国名
学名
Epinephelus morrhua (Valenciennes,1833)漢字・学名由来
漢字 箒羽太 Houkihata
由来・語源 田中茂穂が標準和名を決めた可能性が高い。由来は不明だが、箒で掃いた跡のような。もしくは英名Comet grouperは「箒星(彗星)を思わせる模様がある羽太」なので単純に英訳した可能性もある。
〈スズキ科マハタ屬ハウキハタ Epinephelus cometae TANAKA〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
種小名 morrhua はイル・ド・フランスで Morue と呼ばれたことによる。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)Valenciennes
アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。
Tanaka
田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治11-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。地方名・市場名
生息域
南日本。沿岸の水深2-375mの岩礁域。
伊豆大島、小笠原諸島、相模湾〜屋久島の太平洋沿岸、奄美大島、沖縄諸島。
台湾南部、香港、西沙諸島、インド-太平洋(クック諸島以西)。生態
ー基本情報
主に伊豆諸島以南、熱帯の岩礁域に生息している、やや大型になるハタだ。関東の市場には小笠原や鹿児島県からの入荷が多い。小笠原のハタ類ではもっとも普通のもので、本来入荷量の少ないハタ類の中では見かける機会が多い。
ハタ類なので非常に高価。当然、味の点でも申し分がない。
珍魚度 珍魚ではない。都内などでは注文すれば手に入る。また鹿児島県や沖縄県でも手に入れやすい。むしろ大都会ではなく、産地以外の地方で手に入れにくい魚だと思う。水産基本情報
市場での評価 関東には主に小笠原産が入荷してくる。高価。
漁法 釣り
産地 東京都、鹿児島県選び方
触って張りのあるもの。退色して白っぽくないもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ホウキハタの料理・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、ソテー(ポワレ)、揚げる(唐揚げ)、生食(刺身、セビチェ)、焼く(ロティ、塩焼き)ホウキハタの蒸し魚 「清蒸(ちんじょん)」ともいう。蒸しものはハタ科の基本的な料理法である。頭部を使ってもいいし、切り身を使ってもいい。水洗いして適当な大きさに切る。皿にねぎやしょうがを敷いて切り身を乗せて紹興酒もしくは清酒を振る。これを10〜15分くらい蒸す。蒸し上がったら醤油・魚醬・砂糖名紹興酒を合わせて煮立たせたものをかけて香りのある野菜を乗せる。仕上げに煙が出るほど熱した油をかける。クリックで閉じますホウキハタの清蒸
酒よりも圧倒的にご飯があう。これ以上にご飯のともはとこにもない、そんな味である。
ホウキハタの鍋 非常に上品な白身で、煮ても硬くならず味がある。ここではあっさりした味の鍋にしてみた。水洗いし三枚に下ろす。中骨を適当に切り、湯通し、冷水に落として水をきり、昆布と水から煮だしてだしをとる。身は食べやすい大きさに切る。こちらも湯通しして、冷水に落として表面のぬめりなどを流し水分をよくきる。これをだし・酒・塩の中で煮ながら食べる。クリックで閉じますホウキハタのちり鍋
ホウキハタのあら煮 あらもそうだが、肝や胃袋が主役の煮つけである。肉食魚なので胃袋が大きく、肝がうまい。水洗いして、肝と胃袋、刺身などにしたときのあらを取って置く。胃袋は開いてていねいに洗う。これを湯通しして冷水に落として表面のぬめりや残った鱗を流す。水分をきり、酒・砂糖・醤油・水で甘辛く煮る。クリックで閉じますホウキハタのあら煮
ホウキハタの兜煮 ハタ科の魚のいちばんうまい部分は皮かもしれない。皮と骨に付着している身にも甘みがある。兜(かぶと)は湯通しして冷水に落とし、落としきれなかった鱗やぬめりを流す。よく水切りして、これを酒、砂糖、しょうゆでこってりと煮る。酒・塩のみ、酒・みりん・しょうゆの味つけもいい。クリックで閉じますホウキハタの兜煮
ホウキハタのみそ汁 沖縄ではこれを「みーばい汁」という。あらや刺身などで残った身を集めて湯通しする。冷水に落として鱗や血液、ぬめりを流す。よく水切りして、水から煮出してみそをとく。昆布だしで煮出すとより味わい深い。うま味の強い汁で、ご飯に合う。クリックで閉じますみーばい汁
ホウキハタの潮汁 水洗いして刺身などで残ったあらなどを集めて置く。湯通しして冷水に落とし残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒と塩で味つけする。濃厚な、うま味豊かな汁になる。汁だけでも満足度が高いが、あらに着いた身もおいしい。薬味は黒コショウ。クリックで閉じますホウキハタの潮汁
ホウキハタのポワレ 本種の皮は魚類の中でも別格のうまさなのである。この皮の味を煮つけなど以外でも味わえないかと、試行錯誤していて、結果、ポワレにいきついた。クリックで閉じます
ポワレはようするに小麦粉をつけないでソテーするというものだけど、アロゼ(ソテーしながら油をソテーしている方にかけまわす)しながらこんがりと仕上げることが重要である。本種を使ったポワレは何度か失敗している。ソテーするとこんがりと揚がらず、ねっとりするのだ。それを切身で少し寝かせてから作ることで解消できた。
まずは三枚に下ろして少し寝かせる。新鮮なものはソテーするとねっとりするようなのだ。塩コショウして少し寝かせて水分をよく拭き取ってソテーする。非常に弱い火で皮目から身が反り返らないようにソテー。ときどきアロゼする。皮目に火が通ったら返して、火を強くして皮目にアロゼしながら仕上げる。
ホウキハタの唐揚げ ホウキハタのかま、腹骨などに片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにしたもの。皮の部分がゼラチン質になり、身は繊維質でしまって甘い。表面の香ばしさとともに非常に味がいい。クリックで閉じますホウキハタの刺身 やや大振りのホウキハタを水洗い。三枚に下ろして皮を引く。これを刺身にしたもの。鮮度によっては硬いので薄めに造るといい。イヤミのない上品な味で、ほんのりとした甘味がある。背側は角造りに、腹側はそぎ造りにするといいかも。クリックで閉じますホウキハタのカルパッチョ 薄く引いても味がある。当然薄造りで食べてもいいが、少し単調なのでオリーブオイルと香りのある野菜類を一緒に食べる。皮を引きできるだけ薄く切る。皿ににんにくをなすりつけ、塩とオリーブオイルを敷き、切りつけた身を並べてとんとんとスプーンで叩いて馴染ませる。香りのある野菜や柑橘類を振り、ふたたびオリーブオイルをかける。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『高知の魚名集』(岡林正十郎 リーブル出版)
東京都小笠原支庁