マハタモドキ

Scientific Name / Hyporthodus octofasciatus (Griffin 1926)

マハタモドキの形態写真

88cm SL 前後になる(最大130cm・重さ80kg)。マハタよりも体高が高く、目がやや大きい。全体に黒く、やや側扁(左右に平たい)する。後ろから2番目の黒い横縞は1本で2本に分かれない。尾鰭は全体に暗色で丸い(マハタは後縁が白い)。
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88cm SL 前後になる(最大130cm・重さ80kg)。マハタよりも体高が高く、目がやや大きい。全体に黒く、やや側扁(左右に平たい)する。後ろから2番目の黒い横縞は1本で2本に分かれない。尾鰭は全体に暗色で丸い(マハタは後縁が白い)。後ろから2番目の黒い横縞は1本で2本に分かれない。尾鰭は全体に暗色で丸い(マハタは後縁が白い)。相模湾小田原で採取したもので、マハタモドキの可能性がある。[14cm・重さ31g]
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科マハタ属

    外国名

    学名

    Hyporthodus octofasciatus (Griffin 1926)

    漢字・学名由来

    漢字 真羽太擬
    由来・語源 マハタに非常に似て別種の意味。吉野哲夫か山口大学で魚類学の研究をしていた片山正夫(1912生まれ)がマハタと混同されていた本種に和名をつけたのではないかと思う。『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)
    マハタモドキとマハタ 『図説有用魚類千種 正』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年)掲載のマハタの絵は明らかにマハタモドキである。マハタ・マハタモドキが混同されていた

    地方名・市場名

    アラ
    場所九州北部、鹿児島県 
    アーラミーバイ
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    クロタカバ
    場所鹿児島県 
    シマモウオ[志まもうを]
    備考『麑界魚譜』(白野夏雲編、二木直喜画、白野夏雲、木脇啓四郎、二木直喜著 1911)の「志まもうを(シマモウオ)」に当たるのでは。 参考『麑界魚譜』(白野夏雲編、二木直喜画、白野夏雲、木脇啓四郎、二木直喜著 1911) 

    生息域

    海水魚。島嶼の岩礁、水深30〜350m。
    [千葉県勝浦市]、[相模湾小田原幼魚]、伊豆諸島八丈島、小笠原諸島、和歌山県白浜沖、[鹿児島県指宿市沖山川港]、奄美大島、沖縄諸島。
    インド・太平洋域。

    生態

    基本情報

    伊豆諸島や鹿児島県以南で主に水揚げがある。専門家もマハタと混同していたことがあるほど、姿がマハタにそっくり。同定が難しいので記録も乏しい。関東の市場では、「マハタ」として売られていることが多い。
    今や超高級魚のマハタと同様に取り扱われて、同様に非常に高値で取引されている。
    非常に味がよく、特に寒い時期には人気が高い。

    水産基本情報

    市場での評価 関東には希に入荷してくる。マハタモドキとしての評価はなく、マハタとして評価されて高い。非常に高価だ。
    漁法 釣り、定置網
    産地 鹿児島県ほか

    選び方

    触って張りのあるもの。体色の濃いもの。時間が経つと黒があせる。目が澄んでいるもの。

    味わい

    旬は秋から初夏だと思われる。年間を通してあまり味が落ちない。
    鱗は細かく、取りにくいので包丁で引く方がよい。皮は硬く、しっかりしている。
    胃は厚みがあり大きい。肝は美味。
    皮、骨などからいいだしが出、皮は熱を通すとぷるんとして甘みがある。


    マハタモドキのすき引き光景すき引く 鱗は細かく、取りにくいので包丁で引く方がよい。
    マハタモドキのフィレ身色 血合いが美しい上質の白身だ。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    マハタモドキの料理法・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ汁)、ソテー(ポワレ、ムニエル)、生食(刺身)

    マハタモドキのちり鍋 寒い時期、鍋物材料として非常に優れている。水洗いして刺身などにしたときに出た、あらを使うといい。むしろあらの方がおいしい。あらは集めて置き湯通しする。氷水に落として表面のぬめり、残った鱗などを落とす。水分をよくきり、酒・塩・昆布だしのなかで煮ながら食べる。野菜などは好みのものを。身も皮もうまいが、滋味豊かな汁が最高だ。

    マハタモドキの煮つけ 水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを落とす。水分をよくきり、酒・醤油・水で煮る。やや長めに煮ると軟らかく上がる。また砂糖やみりんで甘味をつけるとご飯との相性がよくなる。
    マハタモドキのみそ汁 あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを落とす。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。豆腐や季節の野菜と煮てもおいしい。みそを多めにとき入れると、ご飯のおかずになる。
    マハタモドキの刺身 あまり鮮度のいいものよりも、少し寝かしたものの方がうまい。水洗いして三枚に下ろす。皮を引き、刺身状に切ったもの。鮮度のいいものはやや硬くうま味がない。寝かせると味が出てくる。脂ののりは感じられないものの、うま味と甘味がある。
    マハタモドキのムニエル 水洗いして三枚に下ろす。少し寝かせたものを切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶしてじっくりソテーする。皮目はねっとりとして身は豊潤で甘味がある。捨てがたい味。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田中水産(鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
    『九州発 食べる地魚図鑑』(大富潤 南方新社 2011)、『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『麑界魚譜』(白野夏雲編、二木直喜画、白野夏雲、木脇啓四郎、二木直喜著 1911)
  • 主食材として「マハタモドキ」を使用したレシピ一覧

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