トビハタの料理法・調理法・食べ方/蒸す(清蒸、酒蒸)、生食(刺身、カルパッチョ、セビチェ、ゆびき)、汁(ちり鍋、潮汁、みそ汁)、煮る(鍋、煮つけ、マース煮)、汁(みそ汁、潮汁)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(バター焼き、ムニエル)
トビハタの蒸し魚(清蒸) 要するに蒸した魚に、蒸したときに出た中華風のタレをかけて、香りのある野菜をのせ、煙の出るほど熱した油をかけただけ。でもこの料理が世界的にハタ類の値を上げている気がする。特に本種のようにハタ類でもトップクラスの魚は、知名度が上がると国内でも超高級魚になるはずだ。分厚く柔らかい皮目のうまさ、端ですんなりほぐれる身の甘さなどうまさを文字に出来ないほど。ご飯にとても合う。
トビハタ鰭筋の刺身 背鰭と尻鰭を動かすための筋肉で、ヒラメの縁側と同じ部分にあたる。鰭が大きいので鰭筋も大きい。1尾でとれるのはほんの少しだが、背側や腹側よりも強い脂を感じうま味・甘味ともに豊かだ。
トビハタの刺身(背) 外見の地味な色合いとは対照的に、びっくりするほど美しい白身が登場するが、このギャップも面白い。刺身は背と腹で味が違う。背は淡泊でうま味、甘味は豊かだが、脂の口の中で溶ける感じはない。新しい内はあまり厚く切らない方がいい。またこの透明感はしっかり締めてあれば1週間は持つ。
トビハタの刺身(腹) 背よりも腹の部分に脂が多い。特に内臓に接する部分は白い層となっている。新しいと少し硬いので薄めに造る。これがやたらにおいしい。脂があるために口溶け感がして、それが甘味と感じさせてくれる。
トビハタのゆびき 水洗いして皮付きのまま刺身状に切る。これを数秒、全体にぎりぎり日が通る程度にゆびく。これを素早く氷水に落とし、水分をよく切ったもの。生とは別種のうま味がある。生よりも全体に弾力が生まれ、ほどよく魚の繊維が感じられるのもいい。
トビハタのちり鍋 水洗いして肝や胃袋などは分けておく。二枚に下ろし、頭部、骨つきの方を適宜に切る。湯通しして冷水に落とし、鱗や血液、ぬめりと流す。この作業をすると汁が濁らない。昆布だしで煮て、酒と塩で味つけしたもの。煮ながら食べるのだが、合間合間に野菜などを煮てもいい。
トビハタの兜煮 トビハタの兜の部分を湯通しして、冷水に取り残った鱗をていねいにこそげ落とす。これを酒、砂糖、しょうゆ、水で煮る。酒、塩のみの味つけでも、酒、みりん、しょうゆの味つけでもお好みで。皮の甘さ、身の締まったほお肉の味わいなど実に多彩な味わいが楽しめる。
トビハタのみそ汁 刺身などにした残りのあらを一度湯通しして、冷水に落として鱗や血液、ぬめりを流す。これを水(昆布だしでも)で煮だしてみそを溶いたもの。濃厚なうま味と甘味が感じられてとてもうまい。骨に着いた身も余さず食べて欲しい。
トビハタの潮汁 トビハタは水洗いして刺身などにした残りのあらを湯通しして冷水にとり、残った鱗、血液、ぬめりをこそげ落とす。これを昆布だし(水でもいい)で煮だして酒と塩で味つけする。薬味野菜はお好みで。黒コショウや柑橘類が合う。
トビハタのグリル 切身をオリーブオイル、白ワイン(シェリーでも)、にんにく、塩コショウでマリネして、グリルパンでじっくり焼き上げたもの。じっくり火を通すと皮目が香ばしく、ふっくらと仕上がる。仕上がりに再度オリーブオイルをかけ回す。サルサソースやソースジェノベーゼで食べてもいい。白ワイン、パンに合う。
トビハタの唐揚げ 腹側を骨と皮つきで唐揚げにしたもの。揚げることで身は鶏肉のように締まり、ほどよく繊維質で身離れがいい。表面の香ばしさに、身はジューシー、実にうまい。
トビハタの塩焼き ハタ類を焼き上げるのは難しい。時に身が締まりすぎて硬くなる。ここでは振り塩をしてビニール袋に入れて密閉。1日寝かせて焼き上げた。上質の白身でおいしい。ただ非常に高価な魚に見合った味なのかは疑問。