1m SL 前後になる。背鰭棘は8、尾鰭は湾入する。幼魚期には背の部分を中心に黄色もしくは赤色に黒い鞍掛斑紋があり、成魚になると黒い斑紋は消え、全体に褐色になり、コバルトブルーの小さな斑紋が散らばる。[体長50cm・成魚]
コクハンアラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![1m SL 前後になる。背鰭棘は8、尾鰭は湾入する。幼魚期には背の部分を中心に黄色もしくは赤色に黒い鞍掛斑紋があり、成魚になると黒い斑紋は消え、全体に褐色になり、コバルトブルーの小さな斑紋が散らばる。[体長50cm・成魚]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2398/Thumb630/kokuhanara.jpg)
![1m SL 前後になる。背鰭棘は8、尾鰭は湾入する。幼魚期には背の部分を中心に黄色もしくは赤色に黒い鞍掛斑紋があり、成魚になると黒い斑紋は消え、全体に褐色になり、コバルトブルーの小さな斑紋が散らばる。[体長47cm・若魚]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2398/Thumb630/kokuhanara00.jpg)
![1m SL 前後になる。背鰭棘は8、尾鰭は湾入する。幼魚期には背の部分を中心に黄色もしくは赤色に黒い鞍掛斑紋があり、成魚になると黒い斑紋は消え、全体に褐色になり、コバルトブルーの小さな斑紋が散らばる。[体長38cm・若魚]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/2398/Thumb630/kokuhanara0.jpg)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科スジアラ属外国名
学名
Plectropomus laevis (Lacepède,1801)漢字・学名由来
漢字/黒斑荒 Kokuhanara
由来・語源/幼魚期には、小さな縁取りのある斑紋がなく、鞍掛の褐色斑が目立つため。という意味。長年、スジハタ(スジアラ)の色彩変化だとされていた。
我が家の書籍では『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)が初出。Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。地方名・市場名
生息域
海水魚。沿岸の岩礁域、サンゴ礁域。
[三重県熊野市]、屋久島、奄美諸島、琉球列島、小笠原諸島。
少ない/八丈島、和歌山県串本、高知県柏島。
台湾南部、南沙諸島、インド-太平洋(紅海、ペルシャ湾をのぞく)。生態
ー基本情報
1950年代の国内産魚類検索にはなく、長年、スジアラの色彩変異とされてきたようだ。
熱帯域・亜熱帯域にいる大型のハタ。体高の低い、英名「Coral trout」と呼ばれているスジアラ類は熱帯域ではハタ科のなかでももっとも重要。メラネシア、ミクロネシアなど熱帯太平洋では保護の対象となっている。特に本種はスジアラ以上に珍重されている。
国内ではほぼ琉球列島でしかとれないために目立たない。琉球列島ではスジアラとともに最高級魚である。
過去に少ないながらシガテラ中毒を起こしたことがある水産基本情報
市場での評価/主に鹿児島県南部諸島部、沖縄県で流通する。高価。
漁法/刺突漁、釣り
産地/鹿児島県、沖縄県、東京都選び方
触って張りのあるもの。模様などがくっきりしているもの。味わい
旬は不明。
鱗は細かく引けない。すき引きする。皮は厚みがあって強い。骨はやや硬い。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コクハンアラの料理法/蒸す(蒸魚、剁辣魚頭)生食(刺身、セビチェ)、汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、焼く(ロティ)クリックで閉じます
コクハンアラの蒸魚 ハタ科の食べ方の最高峰は蒸す、だろう。特にスジアラ属は熱帯域で蒸し魚に盛んに使われている。そのせいで熱帯域での資源量が減っているくらいだ。頭部の鱗をていねいにとり、皿に割り箸などを渡して、底に空間を作りのせる。ショウガ、ネギなどをのせて10-15分蒸し上げる。蒸し上がったら割り箸をとり、新たにネギ、しょうがなどをのせて、タレ(ニンニク、ショウガ、中国醤油、紹興酒、海鮮スープもしくは魚醬を合わせて一煮立ちさせたもの)をかけて、煙がでるほど熱した油をかけ、新たに香菜をのせる。非常にご飯に合う。
コクハンアラの剁辣頭蒸(ドゥオジャオユートウ) 剁辣椒は中国湖南省・四川省などで作られている唐辛子の塩漬けだ。中華食材の店か、ネットで買うことができる。頭部を梨子割りにしてていねいに鱗をこそげ落とす。皿にのせて、清酒を振り、剁辣椒をのせて、ネギなどを散らして10-15分強火で蒸し上げる。剁辣椒だけの塩味で、調味料は不要だと思う。剁辣椒があるだけで作り方が非常に簡単。しかも非常にうまい。特にご飯と合う。クリックで閉じます
コクハンアラの刺身 透明感のある白身で、イヤミのない上品な味である。ただし淡泊であるかというとさにあらず、ほんのりした甘味とうま味がくっきりと舌に残る。食感もいい。この上質な白身のおいしさは文字にしようがない。食べてみるしかない。クリックで閉じますコクハンアラの刺身
コクハンアラのセビチェ 腹側の端っこや切り落とし部分を集めておく。これをライムと塩でしめる。少し置いて、青唐辛子、紫玉ねぎ、ここではトマトと合わせる。あっさりした味の中にもハタ科ならではの上品なうま味が感じられる。スピリッツに合う。クリックで閉じますコクハンアラのセビチェ
コクハンアラの水炊き 水洗いしたコクハンアラの身を適宜に切って置く。中骨、昆布だしで鍋汁を作り、コクハンアラの身を煮ながら食べる。野菜は好みで入れるといいが、あまりゴチャゴチャ入れない方がいい。これを柑橘しょうゆ、ねぎなどで食べる。クリックで閉じますコクハンアラの水炊き
コクハンアラのみそ汁(みーばい汁) コクハンアラを水洗いしてあらを集めて湯通しする。冷水に落とす、鱗などをこそげ落として水分をよく切る。これを水(昆布だし)で煮だしてみそを溶く。うま味が豊かで実に味わい深い。ご飯にも合う。クリックで閉じますコクハンアラのみそ汁
コクハンアラのあら煮 コクハンアラを水洗いし。頭部やかまの部分などを集め、湯通しする。冷水に落として鱗や滑りを洗い流し、水分をよく切る。これを酒、砂糖、しょうゆで煮る。酒、塩でも酒、みりん、しょうゆなどで煮てもおいしい。クリックで閉じますコクハンアラのあら煮
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)、川東守昭さん。繭右さん(鹿児島県屋久島町)、河村雄太さん(沖縄県石垣市)、崎原さしみ店(沖縄県石垣市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)地方名・市場名 ?
アヤアカディンニバラ
場所沖縄県伊良部島 備考綾模様のある赤い銭ニバラ(ハタ) 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03)
タクヌヤーバンニバラ
場所沖縄県伊良部島 参考山口ルミさん