ニジハタ

Scientific Name / Cephalopholis urodeta (Forster,1801)

ニジハタの形態写真

体長22cm前後になる。やや側へんし、体高はあまり高くない。尾鰭は丸く、斜めに走る白い筋模様が2本ある。[鹿児島県産]
ニジハタの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
体長22cm前後になる。やや側へんし、体高はあまり高くない。尾鰭は丸く、斜めに走る白い筋模様が2本ある。[鹿児島県産]体長22cm前後になる。やや側へんし、体高はあまり高くない。尾鰭は丸く、斜めに走る白い筋模様が2本ある。[沖縄本島産]体長22cm前後になる。やや側へんし、体高はあまり高くない。尾鰭は丸く、斜めに走る白い筋模様が2本ある。[銭州産 18cm SL・147g]体長22cm前後になる。やや側へんし、体高はあまり高くない。尾鰭は丸く、斜めに走る白い筋模様が2本ある。[銭州産 18cm SL・147g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科ユカタハタ属

    外国名

    学名

    Cephalopholis urodeta (Forster,1801)

    漢字・学名由来

    漢字 二字羽太 Standard Japanese name / Nijihata
    由来・語源 尾鰭の白い筋が二の字に見えたから「二字羽太」だと思われる。
    〈ススキ科ユカタハタ屬 〔本邦では琉球から記載されてゐるが、筆者松原は小笠原からも得た。外國ではPhilippine、東印度諸島、印度洋、Polynesia、Micronesia、Mauritisu 等に廣く分布する〕 ニジハタ(新称) Cephalopholis urodeta (SCHNEIDER)〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

    地方名・市場名

    チギノメンドリ
    場所東京都八丈島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)  
    メンチギ
    場所東京都小笠原 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)  
    アカニバラ[赤羽太]
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 

    生息域

    海水魚。水深1〜60mのサンゴ礁。
    伊豆諸島、[銭州岩礁群]、小笠原諸島、硫黄島・南硫黄島、熊野灘、和歌山県串本、高知県柏島、[宮崎県日南市油津]、屋久島、琉球列島。
    香港、台湾南部、インド〜太平洋。

    生態

    基本情報

    東京の小笠原諸島、鹿児島諸島部、沖縄などに多い小型のハタだ。
    小型なので安いものの、とても味のいい魚である。
    刺身にもなるが、主に魚汁(みそ汁)やまーす煮(塩煮)などに使われている。
    珍魚度 鹿児島県、沖縄県などでは普通の食用魚だ。ただ北海道、本州、四国、九州北部などでは手に入れるのはとても難しい。

    水産基本情報

    市場での評価 小型のハタで小笠原、鹿児島県や沖縄では普通。比較的安い。
    漁法 釣り
    産地 東京都、鹿児島県、沖縄県

    選び方

    赤いもの。身に張りのあるもの。目が澄んでいて鰓が赤いもの。

    味わい

    旬は春から初夏ではないかと思っている。
    鱗は細かく取りにくい。皮は厚みがあり硬い。骨は硬くない。
    透明感のある白身で時期にもよるが身がしまっている。熱を通すと硬く強くしまる。
    料理の方向性
    20cm前後にしかならない小型のハタで時季によってはやや水っぽい。熱を通すなら液体を使った料理法がよく単に焼くと味がない。生食は小さすぎるので歩留まりが悪いが味はいい。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ニジハタの料理・レシピ・食べ方/汁(みそ汁、潮汁)、煮る(酒塩煮、まーす煮、煮つけ)、生食(セビチェ、刺身)、揚げる(ラープ風、唐揚げ)
    ニジハタのみそ汁
    ニジハタの魚汁(みそ汁) 小型のハタ類の定番的な料理だ。ハタ類ならではの強いうま味と、上品な後味でご飯のすすむおかずにもなる。
    小型なので水洗いしてぶつ切りにして、湯通しする。冷水に落としてていねいに残った鱗などを取る。水分をよくきり、水で煮出す。あくを取りながら煮て仕上げにみそを溶くと出来上がる。

    ニジハタのまーす煮ニジハタのまーす煮 淡泊な本種の味を塩だけで引き出したもの。身は適度にしまって甘みがあり、しかも身離れがいい。
    水洗いして、鍋に強めの塩味の水を張り、丸ごとやや強火で煮る。煮汁を回しかけながら煮ると皮がはじけて皮がゼラチン質になって透明感が出る。水分を使って熱を通すとあまり強く締まらず、身離れもいい、ほぐした身を煮汁に浸しながら食べる。また沖縄の硬い豆腐や木綿豆腐を一緒に煮るとまた美味だ。
    ニジハタのセビチェニジハタのセビチェ 秋の個体は、水分が多く、刺身にするとややうま味に欠けるので塩辛さと唐辛子の辛さのセビチェがいい。
    三枚に下ろして血合い骨を抜く。皮を引き、小さく切り落とす。これをライム(レモンでも)、塩、辛い青唐辛子(ホットチリでも)、紫玉ねぎ(普通の玉ねぎでも)で和え、しばらく置く。仕上げに刻んだトマト、香りのある青み(シソ科の野菜など)を加えてもいい。
    ニジハタの刺身 非常に小さなハタだが、時季さえよければ身が締まっていて、うま味もある。刺身は実に味わい深い。
    三枚に下ろして血合い骨を抜く。これを薄く切りつける。ほどよい甘味があって食感も楽しめる。上品で淡泊な味わいで柑橘類と塩などで食べてもおいしい。
    ニジハタのラープ風ニジハタのラープ風 小型なので焼くよりも揚げた方が無駄がないし、水分の多い魚なので向いている。これをタイ料理のラープ風にしてみた。水洗いして火が通り安いように開く、水分をよくきり、そのままじっくり香ばしく素揚げする。タレを作る。魚醬(ナンプラー)とライムの搾り汁、チリソース、砂糖を合わせておく。揚げたニジハタを刻み、刻んだ香菜(パクチー)、刻んだカシューナッツを合わせヒバーツなどを振り、タレをかけて混ぜ合わせる。
    ニジハタの姿揚げニジハタの姿揚げ 小さなハタは、まるでカサゴの姿揚げのようである。まるごとかぶりつけて、さくさくと食べられる。ハタらしい締まったみの甘さも楽しめる。
    秋の小型で水分が多いニジハタは唐揚げにすると、味がいい。水洗いして火が通り安いように開き片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。揚げたてで塩コショウ、塩とガラムマサラ、塩と山椒などを振る。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/舵丸水産(東京都八王子市) 田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「ニジハタ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ