イトヒキアジ

Scientific Name / Alectis ciliaris (Bloch,1788)

イトヒキアジの形態写真

SL1m前後になる。 幼魚は身体が真四角に近く、背鰭、尻鰭が長い。頭部は背から吻にかけて丸みを帯びて目の先で直線的になる。成魚になると背鰭、尻鰭が短くなり、身体が長くなる。[SL10cm]
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SL1m前後になる。幼魚は身体が真四角に近く、背鰭、尻鰭が長い。頭部は背から吻にかけて丸みを帯びて目の先で直線的になる。成魚になると背鰭、尻鰭が短くなり、身体が長くなる。[SL10cm]SL1m前後になる。幼魚は身体が真四角に近く、背鰭、尻鰭が長い。頭部は背から吻にかけて丸みを帯びて目の先で直線的になる。成魚になると背鰭、尻鰭が短くなり、身体が長くなる。[SL17cm]SL1m前後になる。幼魚は身体が真四角に近く、背鰭、尻鰭が長い。頭部は背から吻にかけて丸みを帯びて目の先で直線的になる。成魚になると背鰭、尻鰭が短くなり、身体が長くなる。[SL55cm]頭部は背から吻にかけて丸みを帯びて目の先で直線的になる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科イトヒキアジ属

    外国名

    Giliated threadfish African pompano
    言語英語 
    絲鰺 花串 白鬚公
    言語中国語 
    Pennant-fish
    言語英語 場所オーストラリア 
    白鬚鯌
    言語中国語 場所台湾(澎湖) 
    鱟包鬚
    言語中国語 場所台湾(澎湖諸島) 
    甘仔魚
    言語中国語 場所台湾(臺東) 

    学名

    Alectis ciliaris (Bloch,1788)

    漢字・学名由来

    漢字 糸引鰺 Itohikiaji
    由来・語源 神奈川県三崎での呼び名。相模湾などでは成魚ではなく背ビレ尻ビレの伸びた幼魚が主に見られる。この幼魚期の背ビレ、尻ビレの伸びている模様から。
    〈CARANX,cuv ciliaris かんざしだい 小笠原、いとまきあぢ 紀伊・土佐〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    〈アヂ科イトヒキアヂ屬 イトヒキアヂ Alectis ciliaris〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    Bloch
    Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。内湾など沿岸の水深100mよりも浅場。
    伊豆〜小笠原諸島、[岩手県釜石]、[宮城県気仙沼]、千葉県、[相模湾では少ないながら成魚が揚がる]〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島、東シナ海中部の大陸棚縁辺域。
    幼魚が多い/北海道、[岩手県釜石]〜茨城県の太平洋岸、日本海沿岸
    希で幼魚のみ/瀬戸内海沿岸
    千島列島南部太平洋沿岸、ピーター大帝湾、山東半島、朝鮮半島南岸・東岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸、海南島、全世界の熱帯海域。

    生態

    基本情報

    本州以南に生息している。古く、暖流にのって北上してくる若い個体は、鰭が長く面白い姿をしているので認知度は高い魚だった。ただし相模湾などでは小型が多く古くから価値が低い魚だったので、定置網などに大量に入ると困るものだった。水揚げ量も安定しない状況が続いていたが、近年幼魚というよりも500gから1㎏前後の若い個体がたくさんとれるようになっている。また相模湾などでは大型の成魚も見られる。明らかに北上傾向にある。
    とても味のいい魚で、料理を選ばないので、安定的な入荷が続けば全国市場での評価が生まれそうである。たくさん揚がるようになったのでマアジのように惣菜的な料理にも生かすべきである。
    珍魚度 今や普通の食用魚だ。入荷は安定しないが通常の流通でもしばしば見かける。少しだけ努力すれば手に入る。

    水産基本情報

    市場での評価 ヒレの伸びた幼魚は秋などにまとまって入荷。手のひらサイズは今でも安いが、0.5kg前後以上は、徐々に値を上げてきている。
    漁法 定置網
    産地 神奈川県、大分県、和歌山県など

    選び方

    銀色に輝いているもの。触って張りのあるもの。眼が澄んでいるもの。

    味わい

    成魚の旬は春から初夏。幼魚は秋。大小に関わらず味がいい。
    鱗はほとんど気にならず、皮は非常に薄い。骨は柔らかい。
    透明感のある身で血合いは薄い。熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    イトヒキアジの料理・レシピ・食べ方/生食(焼き切り、刺身、カルパッチョ、セビチェ)、揚げる(フライ、甘酢あんかけ、エスカベッシュ、唐揚げ)、ソテー(バター焼き、ムニエル)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、幽庵焼き)、汁(みそ汁)

    イトヒキアジの焼き切り(焼霜造り) マアジと比べると淡泊で、背の青い魚と白身の中間的な味だ。刺身などにして嫌みがなくおいしいとは思うものの、物足りなさを感じることもある。これを皮を生かすことで解消する。
    水洗いして三枚に下ろす。背と腹に血合い骨から分けて、皮表面をあぶって刺身状に切ったもの。アジ科らしい皮目の香ばしさ。身の豊かなうま味が楽しめて非常にうまい。本州に多い若魚を使えるのも魅力だ。

    イトヒキアジの刺身 糸がなくなった大型の刺身だ。三枚に下ろし腹骨と血合い骨を取ると、背側は普通だが腹側はいびつになる。この腹側の刺身だ。比較的脂がのっていて甘味うま味豊かでとても味わい深い。
    イトヒキアジのカルパッチョ 薄切りにして、ニンニクの香りづけした皿に敷き詰め、塩コショウ、オリーブオイル、柑橘類で味つけしたもの。柑橘類は和歌山県の「さんず」を使った。
    イトヒキアジのフライ クセのない白身で熱を通しても硬く締まらない。アジ科らしいうま味豊かでフライにするとマアジに劣らない味わいになる。体高があるために見た目にもきれいである。

    イトヒキアジの甘酢あんかけ 揚げたての唐揚げに甘酢をかけたものである。酸味をおさえてご飯のおかずにする。
    あんの材料であるにんじん、ぴーまん、玉ねぎなどをせん切りにする。カツオ節出しに酢・酒・砂糖・薄口醤油・塩で味つけする。ここに野菜を入れて、片栗粉でとろみをつける。
    水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。水分をよく切り、
    小麦粉をまぶしてカリットするまで揚げる。皿などに盛り、あんをかける。
    あんが完成するのと、揚げ上がりを合わせる。
    とろっとしたあんの下の切り身をスプーンなどで割るとまだサクッとした感じが残っている。あんと身をご飯に乗せながら食べる。

    イトヒキアジの姿揚げ(唐揚げ) 小型は丸ごと、大型はあらや切り身を揚げるといい。水洗いして水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。揚げ上がりに塩を振る。中骨はともかく鰭から頭部から丸ごと食べられて美味。小さい個体は唐揚げにすると見栄えがいい。
    イトヒキアジのエスカベッシュ 本来はスペイン料理だが、要は野菜たっぷりの洋風酢漬けである。水洗いして三枚に下ろし腹骨・血合い骨を取る。食べやすい大きさに切り、塩コショウしておく。野菜はあるものでいいのでせん切りにする。白ワインビネガー・塩・砂糖・水を合わせて味をみる。酸味がちょうどよいからここに粉末のハーブブイヨン、ローリエなどを加えてせん切りの野菜をつける。ここに小麦粉をまぶして揚げた切り身を熱いうちに加える。
    イトヒキアジのムニエル 小型は丸のまま、大型は皮を引き切り身にして使うといい。水洗いして切り身にする。皮はそのままでもいいし、引いてもいい。塩コショウして、小麦粉をまぶして多めの油でじっくりとソテー。仕上がりにマーガリン(バター)で風味づけしたもの。
    イトヒキアジのバター焼き 小振りを水洗いして頭部と鰭などを切り落とす。塩コショウして多めの油でじっくりソテー、仕上げにマーガリン(バター)で風味づけしたもの。出来上がりにしょうゆをたらすとご飯に合う。
    イトヒキアジの塩焼き 塩焼きは小型よりも大型を切り身にして作った方がうまい。小さい小型は焼き上がったものにオリーブオイルをかけたり、バターやマヨネーズで食べるといい。水洗いして三枚に下ろし切り身にする。振り塩をして1時間以上寝かせてじっくりと焼き上げる。
    イトヒキアジの幽庵焼き 大型のものを祐庵地につけて焼き上げたもの。水洗いして三枚に下ろし切り身にする。振り塩をして少し置き出て来た水分を拭き取る(この工程ははぶいてもいい)。これを醤油・みりん・酒同割りの地に半日以上漬け込む。水分を拭き取り焦がさないように焼き上げる。
    イトヒキアジの魚すき(へか焼き、煮食い) 要するに魚のすき焼きである。煮汁はしょうゆ・みりん・酒・水が基本。甘めが好きなら砂糖を入れても上等なものになる。野菜もお好みで。コンニャクは島根県大田市の「煮食い」で定番の具。豆腐を入れてもいいし、ようするに何でもOK。また市販のすき焼きのたれを使ってもいい。

    イトヒキアジの煮つけ 小振りのものは適当に切り、大型魚はあらを使うといい。湯通しして冷水に落としてヌメリなどを流す。これをしょうゆ・酒・水であっさりと煮てもいいし、みりん、砂糖でこってり味つけしてもいい。頭部には思った以上に身がついていて、煮てしっとしと硬く締まらず、甘味があってとても美味しい。
    イトヒキアジのみそ汁(ガーラ汁) 沖縄では「がーら」と言われるアジ類を好んで魚汁(みそ汁)にする。アジ類はみな実にいいだしが出る。本種も同様で味のある汁に煮ても硬く締まらない身にうま味がある。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/長野淳さん(長宗商店 三重県熊野市)、さんの水産(神奈川県小田原市)
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)

    地方名・市場名

    イトマキアジ
    場所三重県二木島 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    カガミウオ
    場所三重県熊野市遊木漁港、和歌山県田辺・和歌浦・湯浅・白崎・塩屋・周参見・串本、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、高知県室戸市三津[定置]・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、聞取 
    カガミダイ
    場所和歌山、高知 参考文献 
    イトマキウオ
    場所和歌山県三輪崎 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ウマヒキ コマヒキ
    場所和歌山県串本 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ノボリサシ
    場所和歌山県田辺・和深 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    ノボリタテ[幟立て]
    場所和歌山県白浜・雑賀崎 参考文献 
    カクアジ[角鰺]
    場所和歌山県辰ヶ浜 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    アベクロギ
    場所愛媛県三島町(現四国中央市) 参考文献 
    ハニビラヒラヤグヮ
    場所沖縄 参考文献 
    ヒラソージ
    場所沖縄県南城市知念漁協 備考ウマヅラアジとともに。 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    ソージガーラ
    場所沖縄県南城市知念知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    イトヒキアジ
    場所神奈川県三崎・小田原 
    カンザシダイ[簪鯛]
    場所神奈川県三崎・神奈川 参考文献 
    イトヒキ
    場所神奈川県江ノ島、静岡県伊豆半島、和歌山県和深・辰ヶ浜 参考文献、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 
    キョウゲンウオ[狂言魚]
    場所長崎 参考文献 
    イトヒキダイ
    場所静岡県伊豆雲見 参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 
    マガツオ
    場所高知県柏島 参考文献 
    エバアジ
    場所鹿児島 参考文献 
    エバ
    場所鹿児島県南さつま市などで 備考体高のあるアジ科の総称 
    カガミエバ オキエバ ビヤンバチ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    イトマキ[糸巻き]
    場所三重県尾鷲市(参考:一日一魚)、水族志 参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)、聞取 
    バター
    場所鹿児島県南さつま市笠沙 
    カガミ
    場所三重県熊野市遊木漁港、和歌山県串本、徳島県海部郡海陽町『宍喰漁業協同組合』、高知県室戸市三津[定置]・宿毛市田ノ浦すくも湾漁協 
    ギンアジ[銀鰺]
    場所長崎県長崎市長崎魚市場 
    バックミラー
    場所三重県熊野市遊木漁港 
    ハニビラー
    場所沖縄県 サイズ / 時期幼魚・若魚 備考幼魚・若魚をハニビラー、成魚をヒラカマジー。 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 
    ユダヤーグワー
    場所沖縄県 参考文献 
    カネタタキ[鉦叩]

    ヒラカマジー
    サイズ / 時期成魚 備考幼魚・若魚をハニビラー、成魚をヒラカマジー。 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 
  • 主食材として「イトヒキアジ」を使用したレシピ一覧

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