カスミアジ

Scientific Name / Caranx melampygus Cuvier,1833

カスミアジの形態写真

SL 117cm(体長)前後になる。国内ではSL 50cm前後までが多い。脂瞼が発達し体側の後半部分に稜鱗(ぜんご)がある。胸部は完全に鱗で被われる。目が口のラインよりも上にあり、口の後端よりも後ろにある。[成魚]
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SL 117cm(体長)前後になる。国内ではSL 50cm前後までが多い。脂瞼が発達し体側の後半部分に稜鱗(ぜんご)がある。胸部は完全に鱗で被われる。目が口のラインよりも上にあり、口の後端よりも後ろにある。[成魚]SL 117cm(体長)前後になる。国内ではSL 50cm前後までが多い。脂瞼が発達し体側の後半部分に稜鱗(ぜんご)がある。胸部は完全に鱗で被われる。目が口のラインよりも上にあり、口の後端よりも後ろにある。[若魚]目が口のラインよりも上にあり、口の後端よりも後ろにある。
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科ギンガメアジ属

    外国名

    学名

    Caranx melampygus Cuvier,1833

    漢字・学名由来

    漢字/霞鰺 Kasumiaji
    由来・語源/標準和名の意味・由来、提唱時期などわからない。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)は学名もなく、『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955年1版・1971年校訂版)にも学名はあるが和名は記載されていない。『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)がいちばん古い掲載ではないかと思う。
    ドクヒラアジ 東京都小笠原での呼び名だ。『中部西南 太平洋有用有毒魚類図鑑』(原色原図提供/日本水産 檜山義夫・安田富士郎著 講談社 1972)ではドクヒラアジ。ただ他の大型のアジ科と比べて取り立ててシガテラを持つ可能性が高いわけではない。
    クロガメアジ 『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂 1981)にあるが出典が不明。
    カスミアジ(ドクヒラアジ) 『原色魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)では()内にドクヒラアジが残る。「毒平鯵」というあまりにも
    Cuvier
    バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。

    地方名・市場名

    バカアジ ドクヒラアジ
    場所東京都小笠原 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    プン
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    メッキ
    場所静岡県 備考ギンガメアジの幼魚と混称。 
    ガラ
    場所鹿児島県奄美大島 参考奄美漁業協同組合 
    ククミチャーガーラ オーバニー
    場所沖縄県南城市知念漁協 
    カスミアジ
    場所鹿児島県南さつま市笠沙 サイズ / 時期1kg上 
    キゼンメ
    場所鹿児島県南さつま市笠沙 サイズ / 時期1kg下 

    生息域

    海水魚・汽水魚。内湾やサンゴ礁などの沿岸域。
    伊豆〜小笠原諸島、屋久島、琉球列島、南大東島、尖閣諸島。
    幼魚が主/[宮城県気仙沼]、相模湾〜九州南岸の低平洋沿岸・九州西岸
    台湾、西沙諸島、インド-太平洋(ペルシャ湾をのぞく)

    生態

    基本情報

    本州の沿岸域では幼魚が多いと思う。静岡県などでメッキと呼ばれる中にも本種が混ざっている。成魚は九州、四国、紀伊半島、琉球列島に多いが、60cm前後が多い。
    熱帯の大型個体はシガテラ毒の危険があるとされる。ただし国内、沖縄県などにも大型個体は少なく、沖縄県では一般的な食用魚だ。

    水産基本情報

    市場での評価/沖縄県などでは一般的な食用魚。入荷量は少ない。一般にアジ科はガーラとして一括りになるのかも。あまり高価ではない。
    漁法/刺し網、刺突漁
    産地/沖縄県など

    選び方

    若魚は金色が強いもの。成魚は鰭際などのコバルトブルーが強いもの。触って張りのあるもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は細かく取りやすい。外皮は厚みがあって強く。内側にある白い皮は薄いが硬い。骨はあまり硬くない。
    血合いの赤い白身で透明感がある。熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    カスミアジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ)、揚げる(フライ)、ソテー(バター焼き)、汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)

    カスミアジの刺身 水揚げ時の扱い、流通上の扱いが味に大きく影響する。できれば活け締めがいい。アジ科ではあるが、マダイなどに近い風味がある。白身に背の青い魚のうまさを加味したというとわかりやすいかも。水洗いして三枚に下ろして皮を引き、刺身にする。しょうがもいいがわさびも合う。

    カスミアジのフライ 水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。小型は半身で大型は切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、衣(卵・小麦粉・水)をからめてパン粉をつけて揚げる。やや高温でからりと揚げるといい。マアジのフライと比べるとたんぱくな味わいだが、ある意味クセがなく上品。
    カスミアジのバター焼き 小型を丸のまま使った。水洗いして尾頭付きのまま塩コショウ。自宅ならば頭部、鰭などとって料理した方がやりやすい。これを多めの油でソテー。香ばしく火が通ったらマーガリン(バター)で風味づけする。しょうゆをたらすとご飯にあう。
    カスミアジのみそ汁 アジ科の魚のみそ汁は絶品である。大型ならあらを小型なら丸ごと使ってもいい。水洗いして湯通しして冷水に落とす。水分をよくきり、水から煮出してみそをとく。非常にこくのある味わい深いだしがでる。身・皮も美味でとてもおいしい。
    カスミアジの煮つけ 大型の兜を煮た。小さいものは丸ごと使うといい。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり酒・醤油・水、臭い消しにショウガで煮る。みりん、砂糖で甘味をつけるとご飯に合う。身離れがよく身に呈味成分からクル甘味がある。
    カスミアジの塩焼き 小型なら1尾丸ごとでもいい。ここでは大型なので切り身にした。塩を振り1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。アジ科特有の風味があり、しかも上品な後味、とてもおいしい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「カスミアジ」を使用したレシピ一覧

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