体長80cm前後になる。頭部と体側前半にゴマ状の黄色い斑紋が散らばる。背びれ前半は黒く、後半は赤い。尾鰭は湾入し後部上部と下部は長くのびる。尾鰭は湾入する。小型は中上背の部分にある黄色い帯がはっきりと見え黒い斑紋がある。[雌 34cm SL ・1.054kg]
タキベラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ属外国名
学名
Bodianus perditio (Quoy and Gaimard, 1834)漢字・学名由来
漢字 瀧倍良 Takibera
由来・語源 田中茂穂の命名。若い個体の体の中程に白い楕円形の白い斑紋がある。これが〈稍や瀧水の落ちているように見える為〉としている。Tanaka
田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治11-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。
Quoy
Jean René Constant Quoy(ジャン・ルネ・コンスタン・クア/1790年〜1869年)。フランスの医者であり動物学者。1817年、ジョセフ・ポール・ガイマールとともに探検航海をする。
Gaimard
Joseph Paul Gaimard (ジョセフ・ポール・ガイマール/1796年〜1858年)はフランスの博物学者で医者。1817年、ジャン・ルネ・コンスタン・クアとともに探検航海をする。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。やや深い岩礁域、サンゴ礁域。
伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄島、静岡県土肥、和歌山県[串本]・南部、高知県、屋久島、琉球列島、南大東島。
台湾、東沙諸島、南アフリカナタール〜南半球モーリシャス、オーストラリア東岸〜バヌアツ諸島。生態
ー基本情報
伊豆諸島、駿河湾以南の岩礁名サンゴ礁域に生息している大型のベラである。相模湾などでは伊豆諸島域以南にいて、なかなか北上してこない。冷たい海域を極端に嫌うのだと思われる。東京都である伊豆諸島、小笠原に多いので関東の市場でもしばしば見かける魚だ。非常に派手派手しく目立つ魚である割りに水揚げ量が少ないためもあり、流通のプロでも知らない人が多い。
大型のベラで姿が派手な割りに上品な白身魚である。見た目で判断しないでもっと活用すべきだと考えている。
珍魚度 珍しい魚ではなく東京都などでは量的には少ないが食用となっている。小売店などに並ばないので、手に入れるためにはがんばらないとダメかも。水産基本情報
市場での評価 熱帯の食用魚。やや高値。
漁法 定置網、釣り、刺し網、銛
産地 小笠原、沖縄l県、鹿児島県選び方
大きいものがおいしい。目が澄んでいて赤みのあるもの。触って張りのあるもので鰓の赤いもの。味わい
旬は夏。大きい個体ほど味があり、脂がのる傾向がある。
鱗は柔らかく大きく取りにくい。皮は厚く、骨は頭部は非常に硬く、体幹部分は硬い。
白身でやや水分が多い。くせのない味わいで、熱を通しても締まりすぎない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
タキベラの料理・レシピ・食べ方/煮る(まーす煮、煮つけ)、ソテー(ポワレ)、汁(潮汁、みそ汁、鍋)、生食(カルパッチョ、セビチェ、焼霜造り)、揚げる(唐揚げ)、焼く(塩焼き)クリックで閉じますタキベラの蒸し魚
タキベラの蒸し魚 中華料理の蒸し魚は、魚の頭などを蒸して、たれをかけ、香りのある野菜を乗せて煙が出るくらいに熱した油をかけ回したもの。白身魚にはこれ以上ないといった出合いの料理である。
タキベラの頭部は梨子割りにする。ベラ科の頭部には皮膚に埋もれた鱗があるので熱湯をかけて浮き上がらせる。鱗を取り。15分ほど蒸す。蒸し上がったらタレ(醤油・魚醬・紹興酒・砂糖・八角を一煮立ちさせたもの)をかけ、香りのある野菜を乗せて熱した油をかけ回す。
本種は厚みのある皮で、蒸し上げるとゼラチンのようにぷるんとする。身はねっとりと練り絹のような舌触りで甘味がある。これで何ばいでも飯が食えるといった味である。
タキベラの湯がけ 「湯がけ」は長崎県での呼び名で皮付きのまま刺身にして、まな板などに並べて湯をかけて氷水にとって水分をきったもの。身にも皮にも平均して熱が通る。タキベラは皮にうま味があり、身に甘味がある。この両方のよさを余すところなく引き出す。酢みそでもわさび醤油でもお好みのものをつけて食べるといい。クリックで閉じますタキベラの湯がけ
タキベラの焼霜造 刺身もおいしいが、皮目を生かす方が端的にうまい。水洗いして三枚に下ろし、血合い骨・腹骨を取る。皮を上に向けて置き、バーナーであぶって氷水に落とす。水分をよくきり刺身状に切りつける。皮は焼くと香ばしく、皮下の脂、身の甘さと非常に味わい深くなる。クリックで閉じますタキベラの焼霜造り
タキベラの皮霜造 水洗いして三枚に下ろし、血合い骨と腹骨を取る。皮を上にして置き、湯をかけて氷水に落とす。水分をよくきり、刺身状に切る。皮が強く縮むのは残念だが、皮自体の味がよくわかる。身に甘みがあり美味。クリックで閉じますタキベラの皮霜造り
タキベラの刺身 秋から冬にかけて身に張りがあり、ほどよく脂ものっている。刺身にするならこの時季かも知れない。水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて刺身状に切りつける。この時季の身には味があり、ベラ科なのでそれほどわかりやすくはないが脂が感じられる。クリックで閉じますタキベラの刺身
タキベラの鍋 非常に上質の身で皮に味がある。硬く締まらず、ふんわり柔らかく煮えるところも鍋に向いている。水洗いして二枚下ろしにして適当に切る。湯通しして氷水に落として残った鱗とぬめりを流す。今回は「あご煮干し(トビウオ)」に酒・塩で味をつけたつゆで煮ながら食べた。好みで韓国唐辛子を振ると、まさに韓国風になる。とても味わい深く、終いの雑炊もおいしい。クリックで閉じますタキベラの鍋
タキベラの煮つけ(兜煮) 水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりをていねいに流す。。これを酒・砂糖・醤油・水を煮立たせた中にしょうがと入れて煮上げる。思った以上に身がついており、食べでがある。皮のうまさは例えようがない。クリックで閉じますタキベラの煮つけ
タキベラのまーす煮 沖縄の郷土料理。水洗いし、水分をよくきっておく。中央部分が丸くくぼんだ中華鍋やフライパンなどに少量の水、塩、水洗いした本種を置き、火をつける。強火で短時間に塩水をかけ回しながら火を通す。このとき豆腐を入れると、これが主役級になるから不思議だ。上質の白身のおいしさを堪能できる。クリックで閉じますタキベラのまーす煮
タキベラのポワレ 三枚に下ろして皮付きのまま塩コショウする。鍋につぶしたにんにく、多めのオリーブオイルを入れて香り出しをする。にんにくを取り出して、皮を下にして切り身入れて火を通す。このときフライ返しなどで押さえてふくらまないようにするといい。8分通り火が通ったら返して、一度取り出す。バルサミコと白ワインでデグラッセしてソースにする。クリックで閉じますタキベラのポワレ
タキベラのみそ漬け(西京焼き) 水洗いして三枚に下ろし、切り身にする。水分をよくきり、振り塩をして水分が出て来たら拭き取る。これを白みそ・みりん・酒をねった地に1日以上つけ込む。みその塩分濃度によって漬け込む時間を変える。こがさないようにじっくり焼き上げる。くせのない白身で皮目に味がある。これをみそが引き出してとても味わい深い。クリックで閉じますタキベラのグリル オリーブオイル・白ワイン・ハーブ類でマリネして天火で焼いたものだ。本種は塩焼きにしてもおいしいが、どこにも曲がない。それを補うのが調味料とハーブだ。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。塩をしてオリーブオイル・白ワイン・ローズマリー・粒コショウで1日マリネする。これを天火で焼き上げる。クリックで閉じますタキベラの酒焼き 水洗いして三枚に下ろし、切り身にして塩を振る。1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げていく。9割方火が通ったら酒を塗りながら仕上げる。上質ではあるがやや単調な味に、酒の香りが適度な変化をつけてくれる。クリックで閉じますタキベラのフライ 非常に上質な白身で脂もあるので、熱を通しても硬く締まらない。筋肉内にうま味豊かなエキス分の存在を感じる。今回は短時間で火を通すためにフライにしてみた。三枚に下ろして皮を引き切身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし溶き卵をくぐらせ、パン粉をつけてやや高温で揚げる。身が豊潤で味があり、非常に美味。クリックで閉じますタキベラの沖縄風天ぷら 尾に近い部分が刺身にしてあまった部分を皮付きのまま揚げたもの。適当に切った身に塩コショウする。小麦粉をまぶして、沖縄の天ぷら粉をつけて揚げる。揚げるとふんわりした食感で、ほどよい甘味がある。冷めてもおいしい。クリックで閉じますタキベラの潮汁 中骨や刺身で出た皮などを集めて置く。適当な大きさに切り、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしで煮て酒・塩で味つけする。非常に味わい深い汁となる。嫌みがなく口直しにもなる。クリックで閉じますタキベラのみそ汁 あらなどを集めて置く。湯通しして氷水などに落とし、残った鱗やぬめりを流す。水から煮出してみそを溶く。野菜などはお好みで豆腐を加えてもいい。やや濃い目の味つけにしてとても味がいい。クリックで閉じますタキベラのみそ汁
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八王子総合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州で見事夫婦者のタキベラを釣り上げてきた、妻は1㎏ほど、夫は2㎏である。考えてみたら夫婦仲良く一荷で来たのだろう・・・ 続きを開く好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)