ヤシャベラ

Scientific Name / Cheilinus fasciatus (Bloch, 1791)

ヤシャベラの形態写真

35cm SL 前後になる。側ヘンし、胸鰭附近が薄いオレンジもしくは赤い帯があり、体側に暗色の横縞がある。尾鰭上下葉先端が伸びる。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科モチノウオ属

    外国名

    学名

    Cheilinus fasciatus (Bloch, 1791)

    漢字・学名由来

    漢字/夜叉倍良 Yshabera
    由来・語源/見た目の雰囲気が夜叉(鬼神)を思わせるためか。魚類の標準和名で「ヤシャ」がつくのはヤシャウツボ、ヤシャベラがある。
    『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)・『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)には学名はあるが和名はない。我が書籍での標準和名の初出は『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)
    Bloch
    Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。岩礁域、サンゴ礁域。
    鹿児島県口永良部島、口之島、奄美大島、沖縄諸島、八重山諸島。
    台湾南部、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、タイランド湾、インド-太平洋(ハワイ諸島・ライン諸島・ソサエティ諸島以東を除く)

    生態

    基本情報

    沖縄では定置網などで揚がるが食用となっているかなどは不明。

    水産基本情報

    市場での評価/不明。
    漁法/刺し網
    産地/沖縄県

    選び方

    色の鮮やかなもので張りがあり、鰓が赤いもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は薄い割りに取りにくい。皮は厚みがある。骨はあまり硬くない。
    透明感のある白身で水分が多く脆弱。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヤシャベラの料理法/ソテー(バター焼き)、煮る(まーす煮)、揚げる(唐揚げ)

    ヤシャベラのバター焼き 水洗いしていて水分が多く、触って脆弱な感じがする。頭部に咽頭歯があるので落として、塩コショウして多めの油でじっくりとソテーする。こんがり火が通ったらマーガリンで風味づけする。水分が適度に抜けて香ばしく、微かにあった臭味も消えてとても美味。

    ヤシャベラのまーす煮 水洗いして、水分をきる。これを強めの塩水で短時間で水気を飛ばすように煮る。水分の多い魚なのでやや強めにしまり、見た目が著しく悪くなったものの、味は悪くない。
    ヤシャベラの唐揚げ 水分が多い魚にもっとも適している料理法が唐揚げである。水洗いして水分をよくふき、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。中骨こそ高めだがとても香ばしくて美味。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『鹿児島県口永良部島から得られたヤシャベラ Cheilinus fasciatus の分布北限記録』(鹿児島大学 木村 祐貴, 松尾 怜)
  • 主食材として「ヤシャベラ」を使用したレシピ一覧

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