ヒレグロベラ

Scientific Name / Bodianus loxozonus (Snyder, 1908)

ヒレグロベラの形態写真

SL35cm前後になる。紡錘形で黄褐色の縦縞がある。背鰭基部に3列以上の鱗列がある。腹鰭全体、尻鰭・尾鰭の下縁が黒い。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ベラ亜目ベラ科タキベラ属

    外国名

    学名

    Bodianus loxozonus (Snyder, 1908)

    漢字・学名由来

    漢字/鰭黒倍良 Hiregurobera
    由来・語源/腹鰭、尻鰭などが真っ黒であるため。

    地方名・市場名

    ホンガチョウ
    場所東京都八丈島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    アカデー
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 

    生息域

    海水魚。岩礁・サンゴ礁域。
    伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄島、高知県柏島、屋久島、琉球列島、南大東島。
    台湾南部、南沙諸島、西沙諸島、西-中央太平洋(ハワイ諸島・マルケサス諸島・イースター島をのぞく)

    生態

    基本情報

    沖縄県では潜水漁(刺突漁)、釣りなどで漁獲されている。全般に1種類の魚の水揚げ量が少ない沖縄県でも、比較的水揚げの少ない魚。
    赤いベラの仲間は細かく区別されないで扱われるようだが、値段的なものは不明。

    水産基本情報

    市場での評価/沖縄県では少ないながらも流通する。
    漁法/潜水漁、釣り
    産地/沖縄県

    選び方

    触って張りのあるもの。鰓が赤いもの。体側の文様が退色していないもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗はあまり大きくなく柔らかいものの、取りやすいとはいえない。皮は厚みがあり強い。骨は頭部のみが硬い。
    血合いがない透明感のある白身でやや水分が多い。熱を通すとやや硬く締まる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒレグロベラの料理法/生食(刺身、皮霜造り)、煮る(まーす煮)

    ヒレグロベラの刺身 ベラ科らしい、鮮度がよくても柔らかいという身質だが、血合いがほとんどなく、見た目にもとてもきれい。また、その見た目以上に味がいい。上品な味わいのなかにふんわり口中に広がるような甘味がある。穏やかだけどとても惹かれる味である。この上品で優しい味の刺身はかなり強くオススメしたい。

    ヒレグロベラの皮霜造り ベラ科は味がないと思い込んでいたので、皮にゆをかけて食べてみた。意外なことに、皮がじゃまに感じた。皮にうま味があるし、皮直下に脂があるようにも感じるものの、単純に身(筋肉)そのもののを味わう方がいいかも。ただし、これは個人的な意見。皮霜造り、刺身を食べ比べるのも一興。

    ヒレグロベラの 体長28cmほどで「まーす煮」に持って来いって感じだ。水洗いして水分をよくきる。これを強めの塩水で水分をとばしながら煮る。やや硬く締まるものの、まずは皮の味が抜群にいい。煮上げると雪のようにきれいな白身ははぜる。適度に繊維質で身離れがよく、口の中でのほぐれ感が心地よい。実にウマシだ。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『伊豆・小笠原の魚たち』(東京都水産試験場 2004)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)
  • 主食材として「ヒレグロベラ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ