汁(ちり鍋、みそ汁、潮汁)、煮る(煮つけ、あら煮、煮凝り)、生食(刺身、焼霜造り、皮霜造り)、ソテー(ポワレ、ムニエル)

コブダイのちり鍋

コブダイのちり鍋 まずは中骨やあらと昆布でだしを取り、酒と塩で味つけする。ここで切り身や野菜を煮ながら食べる。中骨などから出た濃厚でイヤミのないだしと上質な白身を一緒に食べると際限なく箸がすすむ。野菜はなんでもよく、その季節のものを選ぶといい。

コブダイのみそ汁

コブダイのみそ汁 コブダイのあらを湯通しして冷水に落とし、鱗などを取る。よく水分を切り、昆布だしで煮だしてみそを溶く。あらから出るだしは濃厚でうま味豊か、みそがそれに深みを出している。汁として楽しむのもいいが、ご飯のおかずとして優れている。

コブダイの潮汁

コブダイの潮汁 コブダイのあらや中骨は湯通しして、冷水に落として鱗や滑りを落とす。よく水分を切り、昆布だしで煮だして酒、塩で味つけする。好みでしょうがの搾り汁を落とし込んでもいい。青みなどはお好みで。

コブダイの煮つけ

コブダイの煮つけ コブダイの切り身を湯通し、冷水に落として残った鱗や滑りを取る。よく水分をきり、しょうゆ、みりん、酒、水で煮込む。酒と砂糖、しょうゆ、水でこってりと仕上げてもおいしい。仕上げ煮しょうがの搾り汁を落とす。

コブダイの頭のあら煮

コブダイの頭のあら煮 頭部、特にこぶ下の脂身を中心にして煮つけたもの。湯通しして滑りなどをとっても煮ると汁が濁ってしまうが気にしなくてもいい。皮目、こぶ下などとろっととろけて甘味がある。冷めるそばから煮凝りになる。

コブダイの煮凝り

コブダイの煮凝り あらにを冷蔵庫で寝かせると見事な煮凝りができる。個人的にはこれに練り辛子をつけながら酒の肴にするのがすき。ただし翌朝の炊きたてのご飯に乗せた方がもっと魅力的かも知れない。どちらにしても魅力的すぎる。

コブダイの刺身

コブダイの刺身 師走に揚がった大振りの刺身。血合いの色といい、透明感のある身といい見た目にも百点満点。口に入れると途端に甘味がきて、やんわりと魚らしいうま味が口中に広がる。イヤミがないのでいくらでも食べられそうである。

コブダイの皮霜造り

コブダイの皮霜造り 三枚に下ろして、皮目にゆをかけて氷水に落として水分をよく切る。これを冷蔵庫などで少し寝かせて、完全に冷めてから切りつける。身の甘味に皮の食感と皮下の脂の甘さが楽しめる。少し皮が硬いのが難点だとは思うが、補って余りある味わいである。

コブダイの焼霜造り

コブダイの焼霜造り 三枚に下ろして皮目をバーナーなどであぶる。氷水に落としてあら熱をとり、冷蔵庫などで少し寝かせる。完全に冷めてから切りつける。やや硬い皮をあぶることで軟らかくして、この皮目のうま味を楽しむ。ポン酢、柑橘類と塩などで食べる。みょうが、青じそ、ねぎなどを合わせても一興。

こぶのムニエル

コブダイの、こぶのムニエル こぶの部分は脂の多いやや繊維質の塊である。意外に室温などでは溶けない。これに塩コショウを振り、小麦粉をまぶしてじっくり時間をかけてソテーする。表面はかりっとして中はスープの入り混じったババロアのような状態になる。うま味濃厚でいながらイヤミのない味だ。

コブダイのポワレ

コブダイのポワレ あっさりした油(グレープシードオイルや太白ゴマ油)で塩コショウしてじっくり火を通す。大型は意外にバターよりも、淡泊な油の方がよいと思われる。ソテーしたあとデグラッセ(こびりついた身やエキスをワイン、フュメ ド ポワソンなどにこそげながら溶かし込む)して酸味を加えてソースにする。

コブダイの酒蒸し

コブダイの酒蒸し 器に少しもどした昆布を敷く、そこに切り身を乗せて強火で10〜15分、加減を見ながら蒸す。蒸すことでふんわりふくらんだ身は適度に繊維質なので一片一片が剥がれ、これが実にうま味豊かでいい。皮はぷるんとゼラチン質で、これもとてもうまい。ポン酢、しょうがしょうゆなどお好みで。

コブダイの祐庵焼き

コブダイの幽庵焼き 切り身をしょうゆ(写真はたまりしょうゆ)、みりん、酒、同割りの地に半日以上つけ込んでじっくりと焼き上げたもの。調味料の味の中に本種の持つ甘味をうま味が浮き上がってくる。身の実にきめ細やかなところもいい。

コブダイの粕漬け

コブダイの粕漬け 酒粕をみりん、砂糖でうるかす。切り身は振り塩をして1時間以上寝かせる。これを粕地に半日以上つけ込んで焼き上げたもの。焦げやすいので要注意。どちらかというと粕の甘味、本種の持つ甘味が強く出て、お弁当などに入れるととても魅力的だ。