ホシササノハベラ

Scientific Name / Pseudolabrus sieboldi  Mabuchi & Nakabo, 1997

ホシササノハベラの形態写真

20cm前後になる。側扁(左右に平たい)する。黄土色もしくは緑がかった色合い、やや赤いのもある。ササノハベラ属2種は似ているが、目の下の黒っぽい褐色の筋がまっすぐに後方、もしくはほんの少し下方に曲がる。胸鰭(むなびれ)には遠く届かない。背などに斑紋がある。
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20cm前後になる。側扁(左右に平たい)する。黄土色もしくは緑がかった色合い、やや赤いのもある。ササノハベラ属2種は似ているが、目の下の黒っぽい褐色の筋がまっすぐに後方、もしくはほんの少し下方に曲がる。胸鰭(むなびれ)には遠く届かない。背などに斑紋がある。20cm前後になる。側扁(左右に平たい)する。黄土色もしくは緑がかった色合い、やや赤いのもある。ササノハベラ属2種は似ているが、目の下の黒っぽい褐色の筋がまっすぐに後方、もしくはほんの少し下方に曲がる。胸鰭(むなびれ)には遠く届かない。背などに斑紋がある。20cm前後になる。側扁(左右に平たい)する。黄土色もしくは緑がかった色合い、やや赤いのもある。ササノハベラ属2種は似ているが、目の下の黒っぽい褐色の筋がまっすぐに後方、もしくはほんの少し下方に曲がる。胸鰭(むなびれ)には遠く届かない。背などに斑紋がある。[写真は体長85mm 幼魚]20cm前後になる。側扁(左右に平たい)する。黄土色もしくは緑がかった色合い、やや赤いのもある。ササノハベラ属2種は似ているが、目の下の黒っぽい褐色の筋がまっすぐに後方、もしくはほんの少し下方に曲がる。胸鰭(むなびれ)には遠く届かない。背などに斑紋がある。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ベラ科ササノハベラ属

    外国名

    学名

    Pseudolabrus sieboldi  Mabuchi & Nakabo, 1997

    漢字・学名由来

    漢字 星笹之葉倍良、星笹葉遍羅、星細小の歯遍羅。 Hosisasanohabera
    由来・語源 背部に白点(星)のあるササノハベラという意味合い。
    古くはササノハベラは1種、 Pseudolabrus japonicus (Houttuyn, 1782) だった。それがアカササノハベラとホシササノハベラに分かれる。また Pseudolabrus japonicus (Houttuyn, 1782) は日本産のベラ科のどれにも当てはまらないためにホシササノハベラを新種記載、アカササノハベラは Pseudolabrus eoethinus (Richardson, 1846)とした。(馬渕浩司)
    ■ 「ささのは」は「笹の葉」、「細小の歯」。歯の細かいベラという解釈もあるが、新潟県寺泊での呼び名。。
    ■ 「笹の葉」に似ているベラの意味だと思われる。
    「べら」について
    ■ 「へら」は「平たい」ことをさす。「平たい魚」で「へら」。それが「べら」となる。
    ■ 「箆(へら)」に似ている。「箆」は平たく細長い。鼈甲(ベッコウ)、竹などでつくられた、物や汚れをかき出す道具。
    ■ 「べろ(舌)」に似ている。
    ■ 「べろ」「べり」、「べりべり」ともいう。
    Mabuchi
    馬渕浩司。魚類学者。
    Nakabo
    中坊徹次(1949年京都府生まれ)。魚類学。魚類の分類の上で多大な功績を残す。また魚類検索を一般人の手の届く形にする。魚類検索という意味合いでは松原喜代松の後継者とみてもいいかも。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域。アカササノハベラよりもやや浅場にいる。
    津軽海峡〜九州西岸の日本海・東シナ海沿岸、八丈島、千葉県館山湾〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、瀬戸内海。
    済州島、台湾。

    生態

    ■ 産卵期は夏から秋。
    ■ 雄を中心に縄張り、ハーレムを形成する。
    ■ 性転換する。小さいときはすべて雌、産卵後群の優位にある雄が死ぬもしくはいなくなると、大きい優位にある雌が順番に雄に性転換する。
    ■ 肉食性で環形動物、甲殻類などを捕食する。
    ■ 岩礁地帯と砂地が連続するような場所に多い。
    ■ ササノハベラ属2種ではホシササノハベラが浅場に、アカササノハベラがやや深い場所に生息。
    ■ 寒くなると砂にもぐって冬眠する。
    ■ 昼活動、エサをあさり、夜眠る(休む)。

    基本情報

    古くはササノハベラ2種(アカササノハベラ、ホシササノハベラ)は1種類であった。
    流通上、漁業対象としては2種は区別されない。
    関東ではベラ自体が安くて雑魚であるが、本種も同様。
    ほぼ流通しない。
    西日本でもキュウセンほどは馴染みがない。
    珍魚度 珍しい魚ではない。ただし関東では希にしか流通しない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東の市場などに来ることはほとんどない。雑魚なので値段も安い。これが西日本では味の良いのが知られており、安いが流通する。
    漁法 刺し網、底曳網、釣り、定置網
    産地

    選び方

    触って野締めは硬いもの。活け締めはできれば死後硬直していないもの。鰓が鮮紅色のもの。退色していないもの。

    味わい

    旬は春〜夏。
    鱗は薄く、皮はあまり硬くはないがしっかりして丈夫。骨は軟らかい。
    透明感のある白身だがやや水っぽい。
    煮てもあまり硬くはならない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ホシササノハベラの料理法・調理法・食べ方/煮る(焼き煮、煮つけ)、焼く(塩焼き、素焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)、生食(焼霜造り、マリネ、刺身)、汁(潮汁、みそ汁)
    ホシササノハベラの煮つけ
    ホシササノハベラの煮つけ 水洗いをして湯引きではなく、素焼きにする。素焼きにしたら少し落ち着かせる。冷蔵庫で数日保存がきく。これを酒・砂糖・醤油・水でこってり甘辛く煮る。酒・醤油であっさりと煮上げてもいい。煮立てもおいしいが、冷めたものもおいしい。

    ホシササノハベラの素焼きホシササノハベラの素焼き 水洗いしてよく水分を取り、そのままこんがりと焼き上げる。皮目がとても香ばしく、中はしっとりとふんわりと軟らかく豊潤である。これをしょうがじょうゆで食べる。酒の肴に持って来いである。
    ホシササノハベラのフライホシササノハベラのフライ 水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨を抜いて塩コショウする。皮は引かない方がいい。これに小麦粉をまぶして卵黄、小麦粉、水を合わせた衣にくぐらせてパン粉をつけて揚げる。パン粉の香ばしさになかはふんわりと豊潤に揚がる。
    ホシササノハベラの焼霜造りホシササノハベラの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろす。血合い骨・腹骨を取る。表面の水分を拭き取り、皮目をあぶって氷水に落とし、水分をていねいに取る。冷凍庫などに入れて、皮目を冷まして安定させてから切りつけてもいい。皮にうまさがあって身はほんのりと甘い。
    ホシササノハベラのマリネサラダ 水洗いして三枚に下ろし、血合い骨・腹骨を取る。皮を引き適当に切る。これをオリーブオイル、柑橘類、塩でマリネ、野菜と合わせたもの。キウイやアボカドなどを合わせてもおいしい。パンにとても合う。
    ホシササノハベラの刺身 水洗いして三枚に下ろして血合い骨・腹骨を取る。皮を引き適当に切る。できれば活魚を使いたいが関東ではなかなか手に入らない。食感は楽しめないがほんんのりとした甘味がありおいしい。
    ホシササノハベラの潮汁ホシササノハベラの潮汁 刺身やフライにしたあらを湯にくぐらせる。冷水に取り、ぬめりや鱗などを洗い流して、よく水を切る。これを昆布だしで煮だして酒と塩で味を調える。上品でいながらうま味豊かな汁になる。青みなどはお好みで。

    好んで食べる地域・名物料理

    瀬戸内海周辺。

    加工品・名産品

    釣り情報

    防波堤からのぶっこみ釣りや、浮きづりに釣り上がる。これらの釣りの代表的な外道。

    歴史・ことわざ・雑学など

    ■過去にはホシササノハベラとともにササノハベラとして1種であると思われていた。
    ■過去にはアカササノハベラはササノハベラの雌(メス)、ホシササノハベラは雄(おす)と思われていた。
    ■瀬戸内海、大阪湾など西日本ではよく食べられている。東日本ではあまり食べられることもない。

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)、『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日文庫)、『魚』(1940 田中茂穂 創元社)、『新釈魚名考』(榮川省造 青銅企画出版)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)

    地方名・市場名

    アオヤギ
    場所京都府丹後半島 参考京都府農林水産技術センター海洋センター 
    グンジ
    場所兵庫県竹野 参考文献 
    グンジロ
    場所兵庫県香住 参考文献 
    ムギメシ
    場所千葉県銚子 参考文献 
    ゴマンジョウ ゴマンジョオ
    場所和歌山県周参見・和深・串本・古座・辰ヶ浜 参考文献 
    アカベロ
    場所和歌山県塩屋・田辺・切目 参考文献 
    ベロ
    場所和歌山県太地・周参見・田辺・塩屋・切目 参考文献 
    モイオ
    場所富山県東岩瀬 参考文献 
    モクズ
    場所富山県魚津 参考文献 
    ノメリコ ノメリテ
    場所山口県萩 参考文献 
    ウケクマ
    場所島根県全域 参考島根県水産技術センター 
    ウケクマ ウジクマ ウチノマ ヒコジロ フクンコジ
    場所島根県東部 参考島根県水産技術センター 
    トンケイ トントン
    場所島根県松江 参考文献 
    トンケ トンケイ ヒコジロ ヒコ
    場所島根県西部 参考島根県 
    ウズクマ
    場所島根県西部・隠岐 参考島根県水産技術センター 
    フクジ ウズクマ
    場所島根県隠岐 参考島根県水産技術センター 
    ヒョコタンギザミ ヒョウタンギザミ ヒョウタンキザミ
    場所広島県 備考オハグロベラとの混同 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    ヒナギソ ヒナギゾ ヒメギソ
    場所愛媛県松山 参考文献 
    タツカリ タッカリ
    場所新潟県佐渡島 参考文献 
    カマタキ
    場所石川県能登 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    アオベロ
    場所神奈川県三崎 
    マタホ
    場所神奈川県小田原 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    カンスケベラ
    場所神奈川県野島 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    アブラコ
    場所福井県敦賀 参考文献 
    ガチガチ
    場所福岡県津屋崎 参考文献 
    クサビ
    場所長崎県平戸市 参考20190729 
    ヤナギバ ヤナギノハ
    場所長崎県長崎・壱岐 参考文献 
    ヨメッコ
    場所静岡県牧之原市川崎 参考文献 
    ムギタネ
    場所高知県沖ノ島 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    アカベラ[赤べら]
    場所神奈川県相模湾周辺、三重県尾鷲市 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    オジョウ
    場所愛知県一色 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    ササノハベラ
    場所新潟県寺泊 備考標準和名 
    スコデ
    場所山口県下関市 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    ブンジ
    場所京都府網野町 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    ベラ
    場所関東の市場、島根県隠岐 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    ホリ
    場所佐賀県唐津市 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 
    モクジ
    場所石川県珠洲市 備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 参考スーパー 
    ガチ イモホリ ヒメトコ ハチ ヒコゼ ヒコジ ダイコク
    備考呼び名・方言はアカササノハベラと混同の可能性あり。 参考文献 
  • 主食材として「ホシササノハベラ」を使用したレシピ一覧

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