60cm SL 前後になる(40cm SL 以下が多いと思われる)。体に模様がなく鯛型で側へんする。側線よりも上の鱗の列は斜め上後方へ並び、側線から下の鱗の列は体軸と平行に並ぶ。前鰓蓋骨の欠刻(前方に丸くくぼむ)は深い。上顎に犬歯がある。背鰭は鱗に覆われる部分がある。尾鰭後縁は白い(透明)。[23cm SL・398g]
オキフエダイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科フエダイ属外国名
学名
Lutjanus fulvus (Forster, 1801)漢字・学名由来
漢字/沖笛鯛 Okifuedai
由来・語源/浅場に多い魚で、沖合いにいる魚ではないために「沖」の意味など不明。標準和名は古い。
〈フエダヒ科フエダヒ屬オキフエダヒ Lutjanus vaigiensis (Quoy et Gaimard)/現シノニム〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)地方名・市場名
生息域
海水魚。稚魚から未成魚は河口域に生息。岩礁・サンゴ礁域。
八丈島、小笠原諸島、硫黄島、静岡県沼津、和歌山県串本、愛媛県愛南、高知県以布利、屋久島、琉球列島、南大東島。
幼魚/三浦半島西部、高知県以布利
台湾、広東省、海南島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、インド-太平洋。生態
ー基本情報
国内では紀伊半島や高知県などでもみられるが、主に鹿児島県以南の暖かい岩礁・サンゴ礁域で水揚げされる。比較的小振りな固体が多く、沖縄県の「びたろー」と呼ばれる魚の代表的なもの。
非常に味のいい魚だが、模様がなく地味で小型なので比較的安い。大型魚は刺身などにもなるが、小型魚はお惣菜的な料理に使われるもので、食堂の定食などでも出てくる。
珍魚度 国内でも本州などではわずかしかとれない。主に鹿児島県以南で揚がる魚で、しかも水揚げ量は少ない。水産基本情報
市場での評価 主に琉球列島で流通する。比較的安い。関東にはめったに入荷しない。姿形がいいのでやや高値。
漁法 刺し網、釣り
主な産地 沖縄県、鹿児島県、東京都小笠原選び方
鮮度落ちは遅い。全体に黄赤色で色味がしっかりしているもの。目が澄んでいるもの。鰭などの黄が鮮やかなもの。鰓が赤いもの。味わい
産卵期は夏で旬は春〜夏ではないかと思う。
鱗は硬く取りにくい。皮はしっかりしている。骨はあまり硬くない。
血合いがきれいな白身でまったくクセがなく、熱を適度に通すとしまる。アラからはいいだしが出る。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
オキフエダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)、揚げる(フライ)クリックで閉じます
オキフエダイの刺身 手に入れた個体は小型ばかりであるが、身は非常に上質で血合いが美しい。三枚に下ろしてまずは刺身となるのは必定である。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引き刺身にする。
非常に上品な味わいだが、うま味が豊かで口の中で味のだれがない。食感からして素晴らしい。これほどうまい魚はめったにない、といった感がある。
オキフエダイの焼霜造り(焼き切り) 皮は厚みがあって硬い。湯をかけても柔らかくならないので、あぶる。水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。水分をよくきり、皮目をバーナーであぶり、氷水に落とす。水分をよくふきとり切りつける。少し皮が硬いものの、噛めば噛むほどうま味が浮き上がってくる。クリックで閉じますオキフエダイのバター焼き 沖縄で小振りの固体のバター焼きを食べているので再現してみた。水洗いして水分をよくきり、塩コショウする。多めの油でじっくりと香ばしくソテーする。両面が焼けたら余分な油を捨て(捨てなくてもいい)、マーガリン(バターでも可)で風味づけする。しょうゆをたらすと、ご飯によく合う。クリックで閉じますオキフエダイの煮つけ(兜煮) 水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やぬめりなどを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水(調味料はお好みで)を沸騰させた中で煮上げる。分厚い皮にうま味がある。身離れがよく非常にうまい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー関連コラム(郷土料理)
加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)、田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)
『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社 1997)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)