20cm SL 前後になる。全体に赤く側へんする。体側に3〜4本の赤褐色の横帯がある。尾鰭の両葉は伸びない。[16cm SL・105g]
タマガシラの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![20cm SL 前後になる。全体に赤く側へんする。体側に3〜4本の赤褐色の横帯がある。尾鰭の両葉は伸びない。[16cm SL・105g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/868/Thumb630/20220516389.jpg)



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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜科イトヨリダイ科タマガシラ属外国名
学名
Parascolopsis inermis (Temminck & Schlegel, 1843)漢字・学名由来
漢字 玉頭 Tamagashira
由来・語源 神奈川県江ノ島周辺での呼び名。意味は不明。漢字「玉頭」は田中茂穂の当て字だ。
〈タマガシラ属 Scolopsis CUVIER,1817 タマガシラ Scolopsis inermis (Temminck & Schlegel, 1843)〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
日本動物誌/ファウナ・ヤポニカ(Fauna Japonica ) フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトとその後継者、ハインリヒ・ビュルゲルなどが標本を持ち帰り、川原慶賀(江戸時代の長崎の絵師)が図を書いたもののひとつ。オランダライデン王立自然史博物館のシュレーゲルとテミンクが記載。Temminck
コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
Schlegel
ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深50-210mの砂礫底や岩礁域。
日本海南西海域〜九州西岸、千葉県館山〜九州南岸の太平洋沿岸、東シナ海大陸棚縁辺域、沖縄島。朝鮮半島南岸、台湾、南沙諸島、フィリピン諸島、インドネシア、東インド洋沿岸。生態
ー基本情報
比較的暖かい海域に生息する小型魚であまりまとまってとれない。産地では定置網や延縄で揚がる。非常に美しいが、小さいので比較的安い。
くせのない白身で味がいい魚でもある。
珍魚度 珍しい魚ではない。ただし流通量が少ないので入手するためには努力を要す。水産基本情報
市場での評価 入荷量は少ない。安い。
漁法 定置網、釣り(延縄)
産地選び方
赤い色合いが強く、横縞がくっきりしているもの。触って張りのあるもの。味わい
旬は秋から春先。小型魚であり、やや深場に多く、旬がはっきりしない。
鱗は薄くやや硬いが取りやすい。皮は厚みがあるが熱に弱い。骨は細いが硬い。
透明感のある白身でやや水分が多い。熱を通しても縮まず、硬くならない。あらなどから実にいいだしが出る。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
タマガシラの料理法・レシピ・食べ方/揚げる(天ぷら、唐揚げ)、刺身(皮霜造り、焼霜造り、酢じめ)、蒸す(酒蒸し)、汁(潮汁)クリックで閉じます
タマガシラの天ぷら 手の平にのるサイズで、皮に小鯛に似た独特の風味がある。片身で揚げやすいサイズなので天種としても非常に優秀である。
水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨を取り、水分を拭き取り、軽く振り塩をする。しばらく置き、水分をていねいに拭き取っておく。小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で短時間で揚げる。
揚げると表面はさくっと香ばしく皮目に香りがあり、身は適度にしまってとても味わい深い。
タマガシラの唐揚 骨があまり硬くなく、非常に手の平級の小型魚なので、丸揚げにしてさくさくと食べられる。水洗いしてhていねいに水分を拭き取る。片栗粉をまぶして二度揚げにする。サクッとした中に皮目に甘味をともなう香りと、身の味わいが感じられる。クリックで閉じますタマガシラの皮霜造 小型で三枚に下ろしてもせいぜい6枚くらいの刺身にしかならない。とても上品な味わいだが皮目に独特の風味がある。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、水分を拭き取り、まな板などに皮を上にして置き、上から湯をかける。氷水に落として水分をよくきり、刺身状に切る。身自体にもうま味甘味があるが、取り分け皮に強い味わいが感じられる。クリックで閉じますタマガシラの焼霜造 皮に味があり、皮目をあぶるとその風味が浮き立ってくる。反対に身のうま味の陰が薄くなるので、このあたりは皮霜との好みが分かれる。水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。皮を上にして皮目をバーナーであぶって氷水に落とす。水分をよくきり、食べやすい大きさに切る。クリックで閉じますタマガシラの煮つけ 漁師さんなどは小型で、刺身などにすると歩留まりが悪いので煮つけることが多い。水洗いして鍋に入りやすい大きさに切る。小さなものはそのままでもいい。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で甘辛く煮つける。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
船からのシロギス釣り、アマダイ釣りなどで上がる。歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/岩崎薫さん(神奈川県)
『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)