SL60cm前後になる。側へんして体高があり、褐色の横帯があり(地色との差が少なくはっきりしないことも)、体側の中央付近まで伸びる。主上顎骨に鱗がある。背鰭に欠刻がなく、尾鰭は二重湾入。[33cm SL・0.97kg]
シマアオダイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![SL60cm前後になる。側へんして体高があり、褐色の横帯があり(地色との差が少なくはっきりしないことも)、体側の中央付近まで伸びる。主上顎骨に鱗がある。背鰭に欠刻がなく、尾鰭は二重湾入。[33cm SL・0.97kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/1297/Thumb630/simaaodai000.jpg)




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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目フエダイ科アオダイ属外国名
学名
Paracaesio kusakarii Abe,1960漢字・学名由来
漢字 縞青鯛 Simaaodai
由来・語源 1960年、阿部宗明の命名。アオダイ属で黄土色の薄い横縞のある魚という意味。Abe
阿部宗明(あべ ときはる Abe Tokiharu 1911-1996)。魚類学者。田中茂穂の後継者。多くの魚を記載。国内だけではなく、「新顔の魚」にて輸入、海外で漁獲される魚の魚名も多数つけている。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。主に水深100メートルより深いところ。
小笠原諸島、屋久島から琉球列島。伊豆諸島-[新島沖]、静岡県御前崎、三重県、和歌山県などでも少ないながらとれる。
台湾、東沙諸島、南沙群島、西太平洋。生態
ー基本情報
主に鹿児島、沖縄などのやや深場で揚がる魚だったが、温暖化のためか漁獲される値域が北上傾向にあり、紀伊半島、伊豆諸島などでも揚がるようになってきている。アオダイと比べると漁獲量は少ないものの、流通上での存在感を増している。
関東での定番的高級魚アオダイに似ていて、食べるとそれ以上の味なので徐々に知名度が揚がってきている。探す仲買、料理人が確実に増えている。水産基本情報
市場での評価/関東にはあまり多く入荷してこない。非常に高価。安定的な高級魚。
漁法/釣り
産地/鹿児島県、沖縄県、東京都選び方
横縞模様のはっきりしているもの。触って張りがあり、鰓が赤いもの。味わい
旬は不明。夏、秋、春に食べたがいずれも味がよかった。
鱗は普通であまり硬くなく取りやすい。皮はやや厚く強い。骨はあまり硬くない。
血合いが赤く、透明感のある白身。熱を通しても硬くしまらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
シマアオダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造り、セビチェ)、煮る(まーす煮、煮つけ)、ソテー(バター焼き)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁、潮汁)、揚げる(沖縄風天ぷら、唐揚げ)クリックで閉じます
シマアオダイの刺身 皮を引き、刺身にする。血合いが非常に美しい。身はほどよい食感でほんのりと呈味成分からの甘味が感じられる。酸味は少なく、非常に箸が進む。わさびしょうゆ、柑橘類と塩など、どのような食べ方をしてもとてもうまい。刺身としては最上級だ。
シマアオダイの刺身 4㎏以上になる本種の特徴は小振りでも味がある。背と腹を分けられるぎりぎりの大きさで脂の豊かさはないものの強いうま味が感じられる。身が滑らかで筋がなく、ついつい箸が伸びてしまうおいしさだ。[33cm SL・0.97kg]クリックで閉じますシマアオダイの皮霜造 小振りの個体の腹の部分を皮霜造にしてみた。三枚に下ろして腹の部分を皮付きのまままな板に皮目を上にしてのせ湯をかける。氷水に落として粗熱を取り、水分をよくきり、刺身状に切る。皮のうま味は焼霜造よりもわかりやすいと思う。うま味豊かな身の味も損なわない。クリックで閉じますシマアオダイの焼霜造 皮は少し硬く厚みがあるので皮霜作り(皮に湯をかける)では、柔らかくならない。比較的強くあぶって切りつける。あぶった香ばしさと皮の食感、身の甘味があいまって非常にうまい。クリックで閉じますシマアオダイのセビチェ 片身を使ってみるとどうしても無駄が出る。これをとっておき、細かく切る。塩とライム、辛いトウガラシ、トマトとマリネーする。少し寝かせて、好みの野菜などを加える。ライムの香りに塩というのは最強の取り合わせ。テキーラに合う。クリックで閉じますシマアオダイの煮つけ 比較的大形になるので、頭部を梨子割りにして半分を使って煮つけてみた。いちばんいいだしが出て、煩わしいがうま味豊かな部分である。鱗が残りやすいので湯通しして、残った鱗とぬめりを流す。これを酒・しょうゆで煮上げる。味つけはお好みで。クリックで閉じますシマアオダイのまーす煮 比較的大きくなるので頭部だけでも煮ものになる。これを少量の水と塩で煮上げたもの。強火で一気に火を通していく。煮汁が少なくなるとともに身にうま味がもどる、そんな風に思える。皮、身ともに非常にうまい。クリックで閉じますシマアオダイのバター焼き 切り身に塩コショウして皮目から多めの油でソテーする。仕上げにマーガリン(バターでも)で香りづけする。じっくりソテーすると皮が硬く香ばしく上がる。中はしっとりとジューシーでとてもおいしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『九州発 食べる地魚図鑑』(大富潤 南方新社 2011)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)