殻長15cm前後になる。貝殻に光沢があり、非常にふくらみが強い。正三角形に近くてやや丸みを帯びる。
チョウセンハマグリの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目マルスダレガイ超科マルスダレガイ科ハマグリ亜科ハマグリ属外国名
学名
Meretrix lamarckii Deshayes,1798漢字・学名由来
漢字 朝鮮蛤 Chousenhamaguri
由来・語源 『目八譜』より。江戸時代『朝鮮』という言葉は身近なところにいる(内湾の)ハマグリと似ているが、やや遠い場所(外洋に面した浜)にいる、という意味だと思う。明治・大正・昭和になると模式標本が朝鮮半島である場合や、実際に朝鮮半島で多産するためだが、江戸時代の「朝鮮」はあきらかに別の意味合い。
「はまぐり」の語源
■浜にあって「栗」に似ているから。「浜栗」。
■「はま」は「浜」、「くり」は「石」の意味。石が地中にあるに似ていることから。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。鹿島灘以南。台湾、フィリピン。
メモ/島根県にも生息。
外洋に面した砂地の潮間帯から水深20メートル付近。生態
産卵期は7月〜10月。基本情報
古くはハマグリよりも味が劣るとされて、比較的値段的にも安いものだった。
今でも内湾のハマグリに対して外洋に面した浜にいるのでバチ(場違い)という言葉が残っている。
それがハマグリの減少にともないクローズアップされて、高価なものに。
国産ものとしては小振りで出荷されているハマグリ以上に高級品となっている。
また食用だけではなく、宮崎県産の半化石化した貝殻は碁石に加工されていた。
ハマグリ属について■国内には内湾性のハマグリと外洋性のチョウセンハマグリがいる。
■2種ともに資源的、種の存亡の危機にある。
■国内に見られるほとんどが中国から輸入されたシナハマグリ。水産基本情報
市場での評価 入荷は少ない。。関東の市場では「地ハマグリ」となる。値段は非常に高値で安定。
漁法 貝桁網(底曳き網)。
産地 茨城県、千葉県、宮崎県選び方
原則的に生きているもの。貝殻の表面につやがあり、ぬるぬるしているもの。味わい
旬は春
貝殻が厚い。
いいだしが出て、熱を通してもあまり硬くならない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
汁(鍋、みそ汁、すまし汁)、蒸す(ワイン蒸し、酒蒸し、ぬた)、焼く(焼き蛤)、炊き込みご飯鍋 昆布だしに酒、少量の塩でつゆを作る。数人で鍋を囲み、ハマグリを入れては食べ尽くし、また入れては食べ尽くす。小鍋仕立てで1、2個ずつ入れながら食べてもいい。クリックで閉じますチョウセンハマグリの鍋
吸いもの 昆布だしに酒、少量の塩で味つけ。ハマグリを入れて貝殻が開いたら椀に盛る。クリックで閉じますチョウセンハマグリの吸いもの
みそ汁 鍋にハマグリと水を入れて火をつける。沸騰したなかにハマグリを入れてもいい。だしのうまさか、軟体のうまさを取るかでやり方が変わる。貝殻が開いたらみそを溶く。クリックで閉じますチョウセンハマグリのみそ汁
ワイン蒸し フライパンにオリーブオイル、刻んだにんにくを入れて火をつける。香りが出て来たらハマグリを入れて口が開いたら出来上がり。原則的に味つけは無用。コショウ、パセリなどで香りづけするだけがいい。またバターを加えるとパンに合う。クリックで閉じますチョウセンハマグリのワイン蒸し
ぬた 少量の水分でハマグリを蒸し煮。貝殻が開いたら身を取り出す。鍋に残った汁に水などを加え、青みに火を通す。青み、ハマグリを冷やしたら酢みそと盛る。クリックで閉じますチョウセンハマグリのぬた
焼き蛤 貝殻の脇の靱帯を切り取り、炭火で焼く。口が開いたらしょうゆ、酒を合わせたものをたらす。クリックで閉じます焼き蛤
炊き込みご飯 ハマグリを酒蒸しにする。身を取り出し、汁を冷やす。米をとぎ、酒蒸しの汁と水、塩、しょうゆで水加減をする。これを普通にたき、蒸らす前にハマグリの身を加える。もしくはハマグリのむき身をそのまま炊き込む。クリックで閉じますチョウセンハマグリの炊き込みご飯
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
■碁石の材料となった。那智の黒石と日向蛤の白石。
■人形の顔などを白く塗る胡粉(ごふん)の材料。
■関東の市場で「地はまぐり」というのは千葉県長生郡一宮などから入荷するものの商品名的なものだった。参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)
参考/『宮崎の食物誌』(小川喜八郎、谷山信之著 鉱脈社)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本語源大辞典』(小学館)