ワスレガイ

Scientific Name / Cyclosunetta menstrualis (Menke,1843)

ワスレガイの形態写真

直径7センチ前後になる。貝殻が厚く正円に近い。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★
      まずくはない

    分類

    軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ超科マルスダレガイ科ワスレガイ亜科ワスレガイ属

    外国名

    学名

    Cyclosunetta menstrualis (Menke,1843)

    漢字・学名由来

    漢字 忘貝
    由来・語源 『六百貝品』より。紀貫之『土佐日記』の「忘貝」とは別種であろう。由来・語源などは不明。模式標本/オーストラリア北部

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。常磐地方以南。朝鮮半島、東南アジア、北オーストラリア。
    潮間帯下部〜水深50メートルの砂地。

    生態

    基本情報

    常磐、九十九里、三河湾などではチョウセンハマグリ、アサリなどに混ざってとれるもの。
    あまり商品価値はなく、流通することも希。

    水産基本情報

    市場での評価 希に入荷してくる。安い。
    漁法 底曳き網
    産地 茨城県、千葉県

    選び方

    原則的に生きているもの。

    味わい

    旬は春
    貝殻は非常に厚く、可食部は薄い。
    熱を通すとやや硬くなるが貝らしいうま味と甘味はある。
    砂抜きしても完全に抜けないものがある。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法
    汁(みそ汁、潮汁)、蒸し煮(ワイン蒸し、酒蒸し)、焼く

    ワスレガイのみそ汁
    貝殻が重く大きいので汁にするのはやっかいであるが、基本的には汁、とくにみそ汁にするのだと思う。煮ると硬くなるが貝らしいうま味や甘味はあり悪くはない。
    ワスレガイの白ワイン蒸し
    蒸し煮 ワインとバターなどで蒸し煮にすると捨てがたい味になる。身が硬いのと砂を噛んでいるのが多いのが残念。写真は白ワインとバターで蒸し煮したもの。
    焼く 熱を通すと身が痩せて固くなる。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

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    紀貫之の歌にもあるという(もちろん本種であるかは不明)「忘れ貝」とは風雅な名前であるが、殻はぼってりと厚く見た目もきれいとはいえない。おいしくないので市場にはこないのかな? と思っていたら三河湾から入荷した。市場でも馴染みがないので最低の価格であった。
    ■刺身は決してまずくないが、個性がない。例えばバカガイの香りや赤貝の強い甘味など、取り立てて目立つものがない。また貝殻が重くて歩留りが悪いのも人気が出ないところ。熱を通すなら、焼くというのがよく、みそ汁にしても出汁が出ない上、身が硬い。

    参考文献・協力

    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)
  • 主食材として「ワスレガイ」を使用したレシピ一覧

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