オキアサリ
Scientific Name / Macridiscus multifarius Kong, Matsukuma & Lutaenko in Kong, Matsukuma, Hayashi, Takada & Li,2012

SL(殻長)45mm前後になる。三角形に近い形。コタマガイに似るがややふくらみがある。殻前端は丸く、後端は尖る。色彩の変化が大きいが、コタマガイとは違う規則性を持つ。殻頂部後部(靱帯がある方)に弱い放射肋がある。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★★ 究極の美味 |
分類 |
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ超 科マルスダレガイ科リュウキュウアサリ亜科Macridiscus属
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外国名 |
ー
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学名 |
Macridiscus multifarius Kong, Matsukuma & Lutaenko in Kong, Matsukuma, Hayashi, Takada & Li,2012
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漢字・学名由来 |
漢字 沖浅蜊
由来・語源 『目八譜』より。
Synonym
Gomphina semicancellata (Koch in Philippi, 1843)
Venus semicancellata Koch in Philippi, 1843
目八譜 1843(天保14)、武蔵石寿が編んだ貝の図譜のひとつ。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。 武蔵石寿 武蔵石寿(むさし・せきじゅ 明和3-万延元年 1766-1861)。450石取りの旗本。本草学、貝類。西洋で生まれて新しい分類学も取り入れようとしていた。『目八譜』(掲載1064種)、『甲介群分品彙』(掲載605種)、『介殻稀品撰』など。現在使われている標準和名の多くがここから来ている。
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地方名・市場名 [?] |
ハタビ 場所徳島県 アサリ コダマガイ ナミアソビ[波遊] ナミセンガイ ハマグリ 参考文献より。 |
生息域 |
海水生。潮間帯下の砂底。
房総半島以南。台湾、中国大陸南岸。 |
生態 |
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基本情報 |
流通するものは鹿児島県西岸でしか見ていない。コタマガイに似ているのもあるが、ほとんど知られていないと思われる。 |
水産基本情報 |
市場での評価/流通は非常に限定的。まだ鹿児島県でしか見ていない。
漁法/採取
産地/鹿児島県 |
選び方 |
原則的に生きているもの。 |
味わい |
旬は春だと思う。
貝殻はやや厚め。剥きにくい。
軟体は熱を通しても硬くなりすぎない。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
オキアサリの料理法/汁(すまし汁、みそ汁)、煮る(酒蒸し、ワイン蒸し)、ご飯(炊き込みご飯、リゾット)  オキアサリのみそ汁
オキアサリのみそ汁 アサリよりも少し大きく、貝殻に厚みがある。アサリほど強いうま味はないが軟体から上品なうまみが出て、イヤミのない汁になる。軟体も硬くなりすぎずなかなか味がいい。  オキアサリのすまし汁
オキアサリのすまし汁 ザルなどに入れてていねいに洗う。これを水(l昆布だしでもいい)から煮出して酒と塩で味つけしたもの。味つけは、しょうゆよりも本種の持ち味が生きる。二枚貝のうま味が堪能できる。  オキアサリの酒蒸し
オキアサリの酒蒸し ザルなどに入れて貝殻と貝殻をゴトゴトいわせながらていねいに洗う。これを酒と貝から出る水分だけで蒸し煮する。日本酒でなくても白ワインでもいい。短時間で蒸し煮することで軟体があまり硬く締まらす。強いうま味が感じられる。  オキアサリの炊き込みご飯
オキアサリの炊き込みご飯 本料理に使ったものは砂を噛んでいなかったので貝殻ごと炊き込んだ。剥き身を使ってもいいが、小振りの二枚貝ならそのままの方がうま味が出る。強い二枚貝のうま味と香りがご飯に移ってとても美味。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
●Macridiscus semicancellata (Koch in Philippi, 1843)は中国西部からベトナムに分布して本種に酷似するが別種とのこと。 |
参考文献・協力 |
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局) |
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