SL 25cm前後になる。いわゆるメバル型。特徴はくっきりした背中の褐色の文様。斑紋がぼんやりとしてはっきりしないウスメバルとはここで見分けがつく
トゴットメバルの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属外国名
Saddled brown rockfish学名
Sebastes joyneri Günther, 1878漢字・学名由来
漢字 戸毎目張
由来・語源 神奈川県三崎での呼び名に基づく。「ともとめばる」が転訛したという説がある。「ともと」=「外庭」であり、「家の前の庭(磯)にいるメバル」の意。Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深15m〜水深100m以上のやや深い岩礁域。
函館、青森県〜九州北西部の日本海沿岸、青森県〜高知県柏島の太平洋沿岸、愛媛県伊予市。鬱陵島、台湾、広東省。生態
ー基本情報
ウスメバルと同じように沖合にいることからオキメバルなどともいう。
神奈川県、静岡県、山陰などでは珍しくなく、単にメバルとして取り扱われるが、流通量は実は非常に少ない。
ウスメバルよりも小振りであるので、値段的にやや下がるが、高級魚の範疇に入る。水産基本情報
市場での評価 ウスメバルと混同されている。値段はやや高値。時に非常に高いことがある。
漁法 釣り
産地 静岡県など選び方
全身に赤味を帯びているもので、斑文の濃いもの。味わい
旬は冬から春
鱗は細かく取りやすい。皮は意外にしっかりしていて焙ったり、湯をかけてもべとつかない。
透明感のある白身で、熱を通しても硬くならない。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
調理法煮つけ、塩焼き、唐揚げ、汁、刺身
クリックで閉じますトゴットメバルの煮つけ
煮つけ
上品な白身で煮ても硬くならない。身離れがよく身が口の中でほどよくほどける。甘味もうま味もある。塩焼きクリックで閉じますトゴットメバルの塩焼き
焼いても硬く締まらない。皮に好ましい風味があり、実に味わい深い。焼きたてが美味しい。唐揚げクリックで閉じますトゴットメバルの唐揚げ
小振りのものはじっくり揚げると丸ごと食べることができる。身がふっくらするのも特徴だろう。
汁 潮汁、みそ汁にして美味。
刺身 身にうま味はあまりなく、皮を生かした皮霜造り、焼霜造りに向く。みそ汁 小振りのものを水洗いして適宜に切り、昆布だしで煮てみそを溶いたもの。実にいいだしが出て上々の味。クリックで閉じますトゴットメバルの刺身 単に刺身にしたものと、焼霜造りにしたもの。刺身は端正な味ではあるが、少し味わいにかけるところがあってもの足りない。それを補うのが皮で、焼霜造りがいちばんいいかも。クリックで閉じますトゴットメバルのフライ 水洗いして三枚に下ろして、腹骨と血合い骨は抜く。皮はつけたままでもいいが揚げると曲がる。塩コショウして小麦粉をまぶして、卵黄・小麦粉・水をあわせた衣とつけ、パン粉をまぶして揚げる。上質の白身で揚げても硬く締まらず、イヤミのない味で非常に美味。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
関東での釣りでは、外房の勝浦くらいから北はウスメバルであり、相模湾、駿河湾では本種である。相模湾ではマダイやアジ釣りの外道としてもよく釣れる。たぶん本種を専門に狙う船はないと思うが、100〜150メートルほどの水深ではまとまって釣れる。歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『原色魚類大図鑑』(安倍宗明 北隆館)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)