SL 67cm前後になるとされるが、もっと大きくなると思う。メヌケ類ではいちばんずんぐりしている。胸鰭の上後半は丸い(全体に丸く見える)。背鰭・腹鰭・尻鰭・尾鰭の縁辺は黒い(はっきりしない場合もある)。頭部背の部分に暗色横縞がない。眼窩下縁に棘がない。頭頂に棘(細長く表面だけが出ている)がある。涙骨の棘は下に向かって棘状に伸びない。[38cm SL ・1.715kg]
ヒレグロメヌケの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属外国名
学名
Sebastes borealis Barsukov, 1970漢字・学名由来
漢字/鰭黒目抜 Hireguromenuke
由来・語源/背鰭・腹鰭・尻鰭などの縁辺が黒いことから。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深100-600mに多く1200mよりも浅場。
北海道オホーツク海沿岸、北海道〜岩手県までの太平洋沿岸。
オホーツク海、千島列島、カムチャツカ半島南岸〜ベーリング海・アリューシャン列島、アラスカ湾〜カリフォルニア州南部。生態
ー基本情報
東北でも希に揚がるが生息域は国内産目抜け類の中でもっとも北に生息域をもち、主に北海道羅臼などが産地だ。メヌケ類のなかでもっとも大きくなる。
1970年まで学名がなく、和名はその後についたはずだ。古く北洋漁業などで20kgもある大型の「目抜」が水揚げされていたという人がいるが、その正体が本種であった可能性が高い。
オオサガと比べると入荷量は少なく、オオサガと比べると少しだけ安い。
珍魚度 流通量はメヌケ類の中ではいちばん少なく。羅臼など産地でなければ手に入りにくい。水産基本情報
市場での評価/入荷量は「目抜け」のなかでもいちばん少ない。非常に高価。
漁法/刺網
産地/北海道、青森県、岩手県選び方
触って張りのあるもの。赤が強いもの。鰓が赤いもの。味わい
旬は秋〜春ではないかと思う。
鱗は細かく薄く取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身だが、時間が経つと少し白濁する。束状の筋繊維はなくスポンジ状で脂などは混在して熱を通すと液化する。血合いはやや強い。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒレグロメヌケの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ、鍋、内臓などの塩ゆで)、焼く(漬け魚、塩焼き)、生食(皮霜造り、刺身)、汁(潮汁、みそ汁)、揚げる(みそ汁)クリックで閉じます
ヒレグロメヌケの煮つけ 頭部、かま下などと肝、胃袋などを集めて置く。切身使ってもいいが、大型なのであらを使った方が合理的だ。湯通しして、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆ・水で煮る。みりん、砂糖を使ってもいい。要するに煮つけは好みに仕立てるのがいいのだ。皮も身も柔らかく、どことなく脂の存在を感じる。非常に味わい深い。
ヒレグロメヌケの鍋 水洗いして刺身にしたりムニエルにしたりしたときの切れ端、あらを集めて置く。湯通しして冷水に落として残ったぬめりや鱗を流す。水分をよく切っておく。昆布だしに酒・塩で味つけする。場合によってはだしを使ってもいい。このつゆで野菜と一緒に煮ながら食べる。食べるときはつゆと一緒に。もの足りなかったらポン酢か柑橘しょうゆで食べる。クリックで閉じますヒレグロメヌケの潮汁 あらや鰭際、中骨などを集めて湯通しする。冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。濃厚でいながら後味のいい上質の汁になる。みそ味にしてもいい。クリックで閉じますヒレグロメヌケの白みそ漬け(西京漬け) 目抜け類は古くから漬け魚の材料として重要であった。今では高すぎてとても加工業者が使えるものではなくなったが、自家用にはぜひ作ってみて欲しい。振り塩をして表面の水分をだし、白みそ(ここでは京都市内の白みそ)をみりんでゆるめた時に1日以上漬け込む。焼いても硬くならず、筋肉の層にばらけて甘味がある。非常に美味だ。クリックで閉じますヒレグロメヌケの塩焼き 焼いても硬くならず、筋肉・皮周辺がとてもジューシーでゼラチン質に富んでいる。ここではカマの部分に振り塩をして1時間以上寝かせてじっくりと焼き上げた。皮の香ばしさと、ゼラチン質の食感、身の甘さが感じられてとても味わい深い。クリックで閉じますヒレグロメヌケの天ぷら 身(筋肉)は筋繊維があまり感じられず、スポンジのようで網目状の中に脂が混在している。切り身にして小麦粉をまぶして衣をつける。高温で揚げる。身はふんわりとふくらんで中に空洞ができ、食べると豊潤で甘みがある。実にうまい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)