25cm SL 前後になる。形はカサゴに似ているが、眼の真下、頬部分に刺があり、鮮やかな赤色で黄色い網目状の模様がある。尾鰭は截形に近くて少しだけ丸い。
アヤメカサゴの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科カサゴ属外国名
学名
Sebastiscus albofasciatus (Lacepède,1802)漢字・学名由来
漢字 文目笠子、文目瘡子 Ayamekasago
由来・語源 神奈川県三崎での呼び名。カサゴ(ウッカリカサゴも含めて)と比べると、赤と黄色の文目(模様)が印象的だから。
また、植物のアヤメも、その花弁の根元から中間までに見られる複雑な文様から、文目、綾目とかくことからまったく縁がないとはいいきれない。
Lacepède
Bernard Germain Lacepède(ベルナール・ジェルマン・ド・ラセペード 1756-1825 博物学者、音楽家。フランス)はビュフォン(Georges-Louis Leclerc de Buffon 博物学者。リンネとは違った配列を試みた)の後継者。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深110〜210m(通常150m附近)の岩礁域。
岩手県洋野町角ノ浜〜九州南岸の大平洋沿岸(茨城県以北は少ない)。瀬戸内海西部(少ない)、新潟県〜山口県の日本海沿岸(少ない)、九州北岸・西岸、屋久島沖、東シナ海大陸棚縁辺。
済州島、台湾北部、澎湖諸島、香港。生態
卵胎生。基本情報
比較的知られているカサゴなどと比べるとやや深場にいる。主に太平洋側、九州などで上がる魚で、単にカサゴとして取引されている。ウッカリカサゴとともに、浅場にいるカサゴよりも味が落ちるもののやや高値をつける。
あまりたくさん入荷してくるものではないが、関東の市場などでは普通。
単にカサゴとして料理され、料理店などでも提供されている。水産基本情報
市場での評価 九州などからときにまとまって入荷してくる。色合いもきれいなので、やや高値で取引されている。ウッカリカサゴと入合でくることも少なくない。
漁法 釣り
主な産地 福岡県、長崎県、愛媛県選び方
赤い色合いの鮮やかで黄色い筋がくっきりしているもの。鰓が鮮紅色のもの。味わい
旬は夏から春だと思う。年間を通してあまり味は変わらない。
鮮度落ちは比較的早く、食感などはすぐに失われる。
鱗は細かく薄く取りやすい。皮は厚みがあり強い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アヤメカサゴの料理法・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚)、煮る(鍋、煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁、潮汁)、生食(焼き切り・焼霜造、刺身)クリックで閉じます
アヤメカサゴの蒸し魚(清蒸) 鱗をブラシなどで徹底的に取り、水洗いする。水分をよくきり、皿に長ネギなどを並べ、その上に乗せ、酒を振る。これを10分前後蒸し上げる。たれ(中国醤油・魚醬・酒)のをかけて香りのある野菜をのせて煙が出るくらいに熱した油をかける。酒よりもご飯にとても合う。
アヤメカサゴの鍋 ていねいに鱗を取り、水洗いして適当に切る。熱湯に通して冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよく切っておく。昆布だしに酒・塩で味つけする。ここで野菜や豆腐などと煮ながら食べる。実に味わい深いだしが出て、身も皮も非常にうまい。仕上げの雑炊も絶品。クリックで閉じますアヤメカサゴの煮つけ 水洗いして、水分をよくきる。これを湯通しし、冷水に落として残った鱗やぬめりととる。酒、みりん、しょうゆの味つけであっさりと煮上げたもの。酒・塩、酒・砂糖・しょうゆなどの味つけでもいい。要するに自分の好みを大切に。脂のあるものは身がふっくらと仕上がり、ないものは痩せて締まる。脂ののったものは甘味が強く軟らかくておいしい。クリックで閉じますアヤメカサゴの塩焼き 大振りのものは適宜に切り、ときには二枚に下ろしたものを使う。水洗いして切れ目を入れて振り塩。半日ほど寝かせてじっくりと焼き上げる。皮目に甘味があっていい味である。脂の少ない個体はやや硬く締まる傾向がある。クリックで閉じますアヤメカサゴのみそ汁 小振りのものを水洗いして胃袋や肝などを分けておく。これを適宜に切り、胃袋や肝も一緒に湯通しし、冷水に落として残った鱗やぬめりと流す(必須ではない)。これを水から煮だし、みそを溶く。豊かなうま味を持つ汁であらに付着した身にも甘味があってうまい。ご飯に合う。クリックで閉じますアヤメカサゴの潮汁 水洗いして大振りのものはあらだけでもいい。小型は適当にぶつ切りに。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、冷たい状態から昆布だしに入れてアクを取りながら煮出す。酒・塩で味つけする。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)