オウゴンムラソイ

Scientific Name / Sebastes nudus Matsubara 1943

代表的な呼び名ソイ

オウゴンムラソイの形態写真

体長23cm前後になる。背鰭棘は13。背鰭直下に無鱗域がある。ムラソイとの違いは体側には黄金色・赤色の様々な形の斑紋がある。[オウゴンムラソイ型]
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体長23cm前後になる。背鰭棘は13。背鰭直下に無鱗域がある。ムラソイとの違いは体側には黄金色・赤色の様々な形の斑紋がある。[オウゴンムラソイ型]体長23cm前後になる。背鰭棘は13。背鰭直下に無鱗域がある。ムラソイとの違いは体側には黄金色・赤色の様々な形の斑紋がある。[アカブチムラソイ型]体長23cm前後になる。背鰭棘は13。背鰭直下に無鱗域がある。ムラソイとの違いは体側には黄金色・赤色の様々な形の斑紋がある。[オウゴンムラソイ型]体長23cm前後になる。背鰭棘は13。背鰭直下に無鱗域がある。ムラソイとの違いは体側には黄金色・赤色の様々な形の斑紋がある。[オウゴンムラソイ型]背鰭直下に無鱗域がある。頭部の左右幅は広く眼隔域はくぼみ、上から見ると瞳が見える。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属

    外国名

    学名

    Sebastes nudus Matsubara 1943

    漢字・学名由来

    漢字 黄金斑曹以、黄金群曹以 Ougonmurasoi
    由来・語源 赤い斑紋のある個体もいるが、「黄金」の個体についたオウゴンムラソイの方が古い和名であるため、赤い斑紋のある個体についた和名アカブチムラソイが消滅する。「黄金」は模様の色から。ムラソイはむらのある(はっきりしない)斑紋があるため、もしくは群れ(群れが添加して「むら」に)を作る「そい」であるため。
    過去のソイ属、メバル属の変遷
    ソイ属(1938)→ クロソイSebastes schlegelii Hilgendorf, 1880、キツネメバルSebastes vulpes Döderlein, 1884、コウライキツネメバルSebastes ijimae (Jordan & Metz, 1913)、ゴマソイSebastes nivosus Hilgendorf, 1880、シマゾイSebastes trivittatus Hilgendorf, 1880、タケノコメバルSebastes oblongus Günther,1880、ムラソイSebastes pachycephalus pachycephalus Temminck and Schlegel,1843、ヨロイメバルSebastes hubbsi (Matsubara, 1937)、コウライヨロイメバルSebastes longispinis (Matsubara, 1934)
    メバル属クロソイ亞属(1955)→/ オウゴンムラソイSebastes pachycephalus nudus Matsubara, 1943、ホシナシムラソイ(シノニム)、アカブチムラソイ(シノニム)を追加
    『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)・『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)
    Matsubara
    松原喜代松(Matsubara Kiyomatu 兵庫県現宝塚市 1907-1968)。1932年、坂本喜代松(Sakamoto)から婿養子になり松原喜代松に改名。水産講習所(後の東京海洋大学)に入学。京都大学初代農学部水産学科教授。『日本産魚類検索』、『魚類の形態と検索』など魚類学史上重要な著書を多く残す。

    地方名・市場名

    キンジ ゴマガラ
    場所岩手県 参考岩手県水産技術センター 
    ソイ
    場所東京都 備考ムラソイやキツネメバルなどとともに。 参考スーパー表示、市場などで 
    ハチガラ
    場所北海道函館市 

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域。
    北海道小樽・積丹半島〜九州北岸の日本海、函館、津軽海峡、陸奥湾〜岩手県の太平洋沿岸、千葉県小湊、神奈川県三崎、瀬戸内海、大阪湾、愛媛県伊予。
    中国山東省、韓国釜山。

    生態

    卵胎生。

    基本情報

    ムラソイはムラソイ、ホシナシムラソイ、オウゴンムラソイ、アカブチムラソイの4亜種が、ホシナシムラソイがムラソイと同種に、アカブチムラソイがオウゴンムラソイと同種に、計2種に統合された。
    オウゴンムラソイは北海道から岩手県に生息するとされるが、主に岩手県、北海道南部から入荷してくる。比較的北海道・東北との結びつきが強い東京周辺では単に「そい」としてスーパーにも並ぶし、食堂などでも使われている。目立たないが日常的な魚のひとつだ。
    珍魚度 珍しい魚ではない。ただし産地以外に流通することは少なく、また同定が難しいので入手は困難だと思われる。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷量は少なめ。やや高価。
    漁法 釣り
    産地 北海道、岩手県

    選び方

    触って張りのあるもの。目が澄んでいるもの。

    味わい

    旬は春から初夏だと思うが、はっきりしない。
    鱗は細かく取りやすい。皮は厚く硬い。骨はやや硬め。
    透明感のある白身で熱を通すと少し縮む。骨やあらから非常にいいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オウゴンムラソイの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、生食(刺身、焼霜造り)、焼く(干もの、塩焼き)
    オウゴンムラソイの煮つけ 東京都内などでは煮つけにすることが多い。本種のもっとも一般的な料理だと考えている。水洗いして切れ目を入れて湯通しする。氷水などに落としてぬめりや残った鱗を流す。これを酒・醤油・水で煮上げる。砂糖、みりんなどで甘味をつけてもいい。やや長めに煮つけると柔らかくふっくら上がり、とてもおいしい。ご飯にも合う。

    オウゴンムラソイのみそ汁 みそ汁は魚料理の中でももっとも重要なもので、単に汁でもあり、主菜ともなり得る。あらを使ってもいいし、小ぶりのものはぶつ切りにしてもいい。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。うま味豊かで滋味を感じる汁になる。身も皮もおいしく、ごちそうの類いだと思う。
    オウゴンムラソイの唐揚げ 水洗いして、厚みがあるので頭部や体幹部に包丁を入れて火が通り安くする。水分をよくきり、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。骨が硬いので丸ごととまではいかないものの、大方が食べることができる。香ばしくてうまい。
    オウゴンムラソイの一夜干し(干もの) 水洗いしたら開く。肝や卵巣は今回はそのままつけた。立て塩に20分ほど浸して水分をよく拭き取り、半日程度干した。塩が馴染むのと、うま味も干すことで凝縮される。単に塩焼きにするよりもおいしい。
    オウゴンムラソイの塩焼き 水洗いしたら水分をよくきり、振り塩をしてビニール袋などに入れて半日程度寝かせる。塩が馴染んでからじっくり焼き上げる。短時間寝かしたものよりも味わい深くなる。皮目の風味がよく、身は淡泊で嫌みがない。
    オウゴンムラソイの焼霜造 水洗いして三枚に下ろす。血合い骨と腹骨を取り、水分をよく拭き取る。皮目から湯をたっぷりかけて氷水に落とす。水分をよくきり刺身状に切る。ソイ類の欠点は多くの個体で身自体にはあまり味がないことだ。これを皮が補ってくれる。
    オウゴンムラソイの刺身 カサゴ亜目の魚は筋肉の弛緩が早い。基本的に生食には向かないが、希に鮮度のいいものが入荷してくる。水洗いして三枚に下ろし、血合い骨・腹骨を取り、皮を引き刺身にする。やや淡泊に過ぎるものの嫌みのない味わいである。酢コチュジャン、塩・ごま油などで食べてもおいしい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    ■ 浅場、船での餌釣り(サバ短冊、イカ短冊)。
    ■ 磯のぶっこみ釣り。
    ■ ルアーの対象魚。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「オウゴンムラソイ」を使用したレシピ一覧

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