23cm SL 前後になる。赤く体高が高く、赤さの濃い斑紋がある。涙骨(上顎の上)には2つの棘がある。下顎先端の突起は目立たないず、下顎は少しだけ前にでている。頭頂棘がある。頭頂棘は眼の後ろの細長い隆起に見える。鰓蓋に黒い斑紋がある。[21cm SL・244g]
カタボシアカメバルの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属外国名
学名
Sebastes kiyomatsui Kai and Nakabo,2004漢字・学名由来
漢字 肩星赤目張 Ktaboshiakamebaru
由来・語源 古くはウケグチメバルの成長段階での変異とされていたもの。メバル属で鰓蓋骨上の黒い斑紋から
学名の「kiyomatsui」は松原喜代松への献名。Kai
甲斐嘉晃。魚類学。カサゴ類の分類。
Nakabo
中坊徹次(1949年京都府生まれ)。魚類学。魚類の分類の上で多大な功績を残す。また魚類検索を一般人の手の届く形にする。魚類検索という意味合いでは松原喜代松の後継者とみてもいいかも。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深250m前後。
福島県いわき市沖、[東京湾千葉県金谷]、相模湾〜和歌山県那智勝浦。生態
基本情報
福島県以南、和歌山県までの太平洋沿岸の深場にいる。釣りや底曳き網でとれるが量的には非常に少ない。近縁のウケグチメバルに似ているが明らかに文様が異なる。鰓ぶた上の黒い斑紋の違いなどから区別がつく。長い間、ウケグチメバルと混同されていたようだ。これを京都大学の中坊徹次氏と甲斐嘉晃氏が新種として発表したもの。
小型種ではあるが、とても味のいい魚でまとまって揚がり、認知度が上がれば人気が出ると思われる。水産基本情報
市場での評価/入荷は非常に希。アコウ、ウスメバルなどと混同されている可能性が強い。やや高値。
漁法/釣り、刺し網
産地/千葉県、神奈川県、静岡県選び方
ー味わい
旬は不明。
鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあるが硬くない。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いは弱い。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
カタボシアカメバルの料理・調理法・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ汁)、生食(皮霜造り)、揚げる(唐揚げ)クリックで閉じます
カタボシアカメバルの鍋 1尾で1人前もしくは2人前の小鍋仕立てである。水洗いして適当に切る。肝や胃袋は取り分けておく。湯通しして冷水に落として残った鱗やヌメリを流す。水分をよくきり昆布だしに酒・塩の中で肝や胃袋などとともに煮ながら食べる。やや長めに煮た方がふっくらとして柔らかい。うま味が豊かで甘味のある身と皮、胃袋などの味も抜群にいい。仕上げは雑炊である。
カタボシアカメバルの煮つけ 鱗を取り、ずぼ抜きにして内臓を取る。湯通しして冷水に落としてぬめり、残った鱗を流す。水分をよくきり、酒・醤油・水にしょうがの千切りを加えて煮上げる。煮ても硬く締まらず、身がふっくらしている。身離れがよくほんのりと甘味があってとてもおいしい。クリックで閉じますカタボシアカメバルのみそ汁 小型を丸々使ってみそ汁にしてみた。水洗いして適当に切る。湯に入れ、冷水に落として表面のぬめりや残った鱗をていねいにとる。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。カサゴ亜目ならではの強いうま味、付着したみの味わいともに最上級である。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/青木修一さん(駿河湾底引き網 沼津佐政水産) さんの水産(小田原市 ■https://www.sanno-suisan.com/) マル幸水産(八王子市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、京都大学博物館