SL 80mm(殻長)前後になる。スダレガイ属の中では殻高がある方だ。貝殻の模様は多様で、ふくらみがやや強い。不規則で低い同心円肋で被われる。殻頂附近では平滑。
アケガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)








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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目マルスダレガイ超科マルスダレガイ科リュウキュウアサリ亜科スダレガイ属外国名
学名
Paphia vernicosa (Gould,1861)漢字・学名由来
目八譜
1843(天保14)、武蔵石寿(武蔵孫左衛門)が編んだ貝の図譜のひとつ。図は服部雪斎が描く。武蔵石寿は貝類を形態的に類別。1064種を掲載する。現在使われている標準和名の多くが本書からのもの。貝類学的に非常に重要。
武蔵石寿
武蔵石寿(むさし・せきじゅ 玩珂停、明和3-万延元年 1766-1861)。石寿は号、本名は武蔵孫左衛門。250石取りの旗本。赭鞭会。本草学、貝類。西洋の新しい分類学も取り入れようとしていた。『目八譜』(掲載1064種)、『甲介群分品彙』(掲載605種)、『介殻稀品撰』など。現在使われている標準和名の多くがここから来ている。地方名・市場名
生息域
海水生。水深10-50mの砂地。
北海道南西部から九州。朝鮮半島、中国。生態
ー基本情報
アサリよりもやや沖合に生息する。内湾でとれるもので、主にアサリの代用品として同様に利用されていた。アサリの減少から活貝、加工品として需要が高まっている。
また二枚貝自体が減少傾向にあるので、重要性が増している。
珍しさ度 昔はあまり流通しなかったが、アサリの減少から見る機会が増えた。水産基本情報
市場での評価 時にまとまって入荷してくる。値段は安い。輸入の冷凍剥き身は安い。
漁法 貝桁引き網
産地 国内では三河湾、海外では中国、ベトナムなど選び方
国産は原則として活け。生きのいいもの。貝殻の表面の滑りに透明感のあるもの。味わい
旬は春から夏
貝殻はあまり厚みがなく硬い。足は赤い。
クセがなく旨みが薄い。熱を通すと硬くなりやすい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
アケガイの料理・レシピ・食べ方/汁(みそ汁、塩汁)、煮る(酒蒸し、ゆでる)、焼く(焼き貝)、揚げる(天ぷら)クリックで閉じます
アケガイのみそ汁 アサリなどと比べるとうま味が少ないがあっさりして嫌みがない味わい。軟体が硬いがもっとも簡単な基本的料理だ。
ザルなどに入れて流水でごしごし洗う。水分をよくきり、水から煮出してみそをとく。
アケガイの酒蒸し ザルなどにいれてざくざくと流水で洗う。水分をよく切り、鍋などに入れて酒を振り、蒸し煮にする。貝殻が開いたら出来上がり。できるだけ短時間に仕上げる。軟体はやや硬くなるが美味。オイルを使ったり、ワインで蒸し上げてもいい。クリックで閉じますアケガイの醤油煮 比較的味のない軟体であるが、醤油とみりんの味がプラスされて、捨てがたい味になる。クリックで閉じます
流水などで洗い。鍋にみりん・醤油を煮立たせた中で転がすように煮る。貝殻が開いたらすぐに別の器に移す。アケガイのアヒージョ アヒージョはにんにく風味のオリーブオイルで煮るという料理。剥き身と干しトマトのオリーブオイル漬け、キプロス島の岩塩を加えて上下の火で熱を通す。貝を食べた後には残ったオイルをパンに浸して食べて欲しい。クリックで閉じますアケガイのなめろう 剥き身にして内臓を取る。これをさっとゆでて氷水に落とす。これをみそ、ねぎ(玉ねぎ)、青じそなとと叩く。水分が出てしまうので少量作り、短時間で食べるといい。これを焼くとさんが焼きになる。クリックで閉じますアケガイのパスタ パスタはマファルデを使った。パスタをゆで始める。フライパンにつぶしたにんにくとオリーブオイルを入れて火をつけ、オリーブオイルににんにくの風味がついたら貝を入れて開いたら取り出す。後のフライパンにバターを加える。好みでワインを入れてもいい。少し煮立てて、ここにゆで上がりのパスタを入れてからめ、皿に盛り、取って置いた貝を戻す。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
佃煮釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)