6cm SL前後になる。口は小さく後端は目の中央部直下よりも前にある。下顎の方が前に出て、受け口である。頭部に眼上に感覚器の開孔部分がある。産卵期には黄色い横縞が出る。雌は通常第1背鰭後半に黒色斑がある。[青森県産 婚姻色の出ているもの]
ジュズカケハゼの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウキゴリ属外国名
学名
Gymnogobius castaneus (O'Shaughnessy 1875)漢字・学名由来
漢字 数珠掛鯊 Juzukakehaze
由来・語源 体側に数珠を掛けたような縞模様があるため。
ハゼの由来・語源
■ 「古語には濁点がなく〈はせ〉であったはず。陰茎を〈はせ〉〈はせお〉といった。陰茎に似た形の魚」。
■ 「『弾塗魚』は良くはねる。〈はぜる〉魚の意」。
■ 「すばやく水中を駆ける魚であるから『馳せ(はせ)』が「はぜ」になった。地方名・市場名 ?
生息域
淡水魚。平野部の湖沼、その周辺の水路、ため池、河川の下・中流域、河川敷の湧水。
北海道日高地方〜渡島半島、青森県〜兵庫県円山川の本海側、青森県〜神奈川県相模川の太平洋側、東京都千代田区。
長野県諏訪湖、栃木県中禅寺湖にも移入。生態
一生を淡水で生きる。
トンネル状の巣穴を掘り、産卵期は春。基本情報
東日本・北日本の大きな河川の河口域・汽水域にいて、国内での生息域が広い。
今現在では青森県、秋田県などで水揚げされ「ごり」として取引されているもの。
底生ではなく浮遊するので漁が行いやすく、比較的まとまってとれるのでハゼ類の加工品としても重要なもの。東京都内の佃煮店などの「はぜの佃煮」、石川県金沢市などの「ごりの佃煮」など比較的加工品原料としての流通が多いものと思われる。
古くは日本各地の河口域などで大量にとれて、例えば江戸時代の江戸、東京市になっても地元産でまかなえたのだと考えている。
小型で骨が軟らかく食べやすいので、鮮魚としても魅力的なものだ。
珍魚度 珍しい魚ではないが、同定が非常に難しい。手に入れても本種であるかわからないかも知れない。水産基本情報
旬は秋〜春。
小型なので基本的には丸のまま利用されている。
鱗は小さく気にならない。皮は薄い。骨は軟らかい。選び方
退色して白っぽいものは古い。味わい
旬は不明。
非常に小さな魚なので鱗や骨などは気にならない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ジュズカケハゼの料理・レシピ・食べ方/揚げる(唐揚げ)、煮る(煮つけ、佃煮)、汁(みそ汁)ジュズカケハゼの唐揚げ(ごりの唐揚げ) まだトレイにのった状態で、数匹が生きているようなものを選ぶといい。ザルなどに入れて流水で洗い水分をよく切っておく。片栗粉をまぶして二度揚げしたもの。さくさくと香ばしくて、ほんのり苦みがある。唐揚げのなかでも屈指の味だと思う。ビールに合う。クリックで閉じますゴリの唐揚げ
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)