8cm SL 前後になる。体に目立った斑紋はなく全体に黄色み(飴色とも)を帯びている。第一背ビレの後端に小さな黒い斑紋がある。尾柄部は細長い。
イサザの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)


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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウキゴリ属外国名
学名
Gymnogobius isaza (Tanaka)漢字・学名由来
漢字 魦、細小魚 Standard Japanese name / Isaza
由来・語源 琵琶湖周辺での呼び名を標準和名としたもの。琵琶湖では「いさだ」とも言う。細小魚(いささうお)の転訛したもの。細小(小さな)魚(うお)という意味。地方名・市場名 ?
生息域
淡水魚。成魚は琵琶湖の水深30mよりも深場にいて産卵期に浅場に移動する。成魚は水深100mにもいるが70m前後が多い。
琵琶湖固有種で北湖に生息。生態
産卵期は4〜5月。
湖の岸、小石などのある場所で産卵する。
石の下に雄が産卵室を作り、雌を誘い産卵させる。
孵化後、仔魚は沖合で浮遊生活を送り、7月中旬くらいから深場に移動する。
昼間は深場にいて夜になると水温の高い表層域でプランクトンをあさる。
寿命は1年、もしくは2年。基本情報
琵琶湖周辺では重要な魚。9月から3月くらいが漁期。
ハゼ類の中でももっとも味がよく、湖魚のなかでも高級である。
伝統料理の「いさざ豆」、佃煮などに加工されている。
また鮮魚は「じゅんじゅん(すき焼き)」などにも使われる。
珍魚度 鮮魚として流通しているのは滋賀県と京都市内くらいだ。手に入れるためには旅に出るしかない。水産基本情報
市場での評価 琵琶湖周辺でのみ取引される。湖魚のなかでは高価なもの。
漁法 沖曳き網(漁期は9月から4月)
産地 滋賀県琵琶湖北部選び方
飴色で退色していないもの。腹などが割けていないもの。味わい
旬は12月から5月。
小魚なので丸ごと食べる。
骨が軟らかく、いいだしがでる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
琵琶湖周辺。
いさざの唐揚げ イサザを唐揚げにしたもの。「唐揚げ天ぷら」とも。
いさざ豆 ウキゴリ属のイサザと大豆を煮たもの。湖魚と大豆を煮るのは琵琶湖周辺の代表的な郷土料理。なかでもやや高級なもの。もともとは琵琶湖周辺の家庭料理だったが、今は川魚店などで買う人が多いという。クリックで閉じます
イサザのじゅんじゅん(すき焼き) 滋賀県ではすき焼きのことを「じゅんじゅん」という。牛肉の「じゅんじゅん」もあれば、湖魚の「じゅんじゅん」もある。
湖魚では主に、ウナギ(ニホンウナギ)、ナマズ(イワトコナマズ)、そしてイサザが使われる。
イサザは割り下(酒・みりん・醤油・水)で煮ると、とても柔らかく煮上がり、食べやすいし、味がある。水産生物を使ったすき焼きの中でも最上級の味である。
加工品・名産品
基本的に佃煮になることが多い。イサザ豆(いさだ豆) 琵琶湖周辺では「エビ豆」とともに有名である。下煮して柔らかくなった大豆とともに煮上げたもので、琵琶湖周辺にはたくさんの業者が作っている。味のベースは同じだが、味つけに個性が感じられて楽しい。お土産にも最適である。クリックで閉じますイサザの佃煮 琵琶湖周辺でいろんな種類の湖魚の佃煮が売られているが、中でも高級な素材である。琵琶湖周辺で手に入れやすいもののひとつだ。濃い味つけながら身が柔らかく、調味料に負けないうま味がある。とてもご飯に合う。クリックで閉じます関連コラム(加工品)
なれずし探し近江の旅 産物編 「いさざ豆」
大豆ものが大好きなので、琵琶湖に行ったらイサザと大豆を炊いた「いさざ豆」か、スジエビと大豆を炊いた「えび豆」を必ず買い求めてくる。 滋賀県で、「えび豆」は比較的・・・ 続きを開く釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『琵琶湖の魚類図鑑』(藤岡康弘/琵琶湖博物館特別研究員・川瀬成吾・田畑諒一/琵琶湖博物館学芸員) サンライズ出版株式会社 2024)、『湖魚と近江のくらし』(滋賀の食事文化研究会 サンライズ出版 2003)、『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『湖国琵琶湖の魚たち』(滋賀県立琵琶湖文化館 第一法規)