1m SL 重さ45kgを越える。全体に黒い。やや細長い菱形で口が大きい。上目(左目)は頭部背縁にある。
カラスガレイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★
これは常識食べ物としての重要度
★★★★
重要味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上目硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜科カレイ科カラスガレイ属外国名
学名
Reinhardtius hippoglossoides (Walbaum, 1792)漢字・学名由来
漢字 烏鰈 Karasugarei
由来・語源 色合いが黒いため。古くはカラスガレヒ。神奈川県三崎の呼び名だが、相模湾ではめったにとれない。
〈〔神奈川縣三崎〕 (異體亜目)カレヒ科カラスガレヒ屬カラスガレヒ Reinhardtius matsuurae JORDAN et SNYDER〉。Reinhardtius matsuurae Jordan & Snyder, 1901の小種名、matsuurae は人名なのか地名なのかは不明。
福島県常磐沖の個体の標準和名をフユガレイとしていたこともある。Reinhardtius oleosus Tanaka, 1918 ( Atheresthes evermanni Jordan & Starks, 1904 アブラガレイのシノニム) 。Walbaum
ヨハン・ジュリアス・ウォルバウム(1724〜1799年 ドイツ)は博物学者で医師。カムチャツカのサケなどを記載する。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深50メートルから2000メートル。
北海道全沿岸、東北地方太平洋沿岸、相模湾、駿河湾、三重県志摩。[山形県]、高知県土佐湾。
日本海北部、オホーツク海、チュクチ海〜カリフォルニア半島北部、アメリカニュージャージー、グリーンランド沿岸、アイスランド沿岸、スバーバル諸島沿岸、バレンツ海、アイルランド沖、北部大西洋。生態
イカ、タコ、エビ、小魚類などをエサとする。基本情報
本州中部でも発見されるが主に東北以北に生息している大型のカレイだ。北洋でアブラガレイとともに、戦前、戦後と安いカレイとして出回っていた。脂が強いため戦前などは安いカレイの代名詞だった。また形態、食味、値段がアブラガレイと似ているのでしばしば混同されている。
近年、国産は少なく、むしろロシア、アメリカ、デンマーク、アイスランド、ポルトガルなどからの輸入ものがほとんどを占めている。フィレで小売店、スーパーなどで並んでいて「ロシア産」、「アメリカ産」とあると本種もしくはアブラガレイである可能性が強い。ある意味、国内ではもっとも一般的なカレイといってもいいだろう。
缶詰や漬け魚(味噌漬け他)などにも加工される。くせがなく小骨もないので和洋関わらず使えて便利な魚だ。もちろん味もいい。
戦後から高度成長期には安いすし店などで「銀ガレイ」などとして出されていたことがある。また、回転寿司などで人気の高い「縁側(えんがわ)」は本種かアブラガレイのものだ。
珍魚度 国産の丸のままの鮮魚はなかなか手に入れにくい。探すのも大変である。冷凍フィレなどは比較的手に入れやすい。水産基本情報
選び方
切り身で売られている。身に厚みがありふっくらしてくぼんでいないもの。ドリップがおきていないもの。味わい
旬は不明。主に冷凍切り身で出回るので旬は気にしなくていいかも知れない。
鱗は薄く小さく取りやすい。皮はしっかりして強い。骨は軟らかい。
白濁した白身で、脂が非常に強い。室温に置くと脂がにじみ出てくることもある。適度に繊維質であるが、水分も多いようで熱を通すと崩れやすい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
カラスガレイの料理法・調理法・食べ方/刺身(鮮度のよい近海もの)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル、ごま油焼き)、揚げる(フライ、唐揚げ)クリックで閉じます
カラスガレイの刺身 冷凍だからまずいのであって、鮮度がよければ刺身は抜群にうまい。北海道羅臼・紋別などから鮮度がいいものの入荷を見る。また少ないながら駿河湾でも揚がる。白いのにトロっとしてカレイとは非なる味わい。古く「銀がれい」として人気のすしダネだったわけがわかる。
カラスガレの煮つけ 冷凍フィレをもどし、ペーパータオルなどに巻き、水分を切る。切り身をまな板などに並べて湯をかけて霜降りにする。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油水を湧かした中に落として煮つける。あまりアクは出ないが、脂が強いわりに魚らしい旨味には欠ける。旨味調味料などを使うか、強い味つけにした方がいい。煮汁とともに食すのがいい。クリックで閉じますカラスガレイのムニエル 皮なしの冷凍フィレを買いもとめて、適宜に切る。塩コショウしてソテーする。ソテーしている間は返すとき以外は触らないこと。表面は香ばしく、脂がバターと融合して口に入れるととろける。クリックで閉じますカラスガレイのブランダード この料理はパンの副菜として作ってきたもので、あえて当てはめると「リエット」になりそう。カラスガレイのフィレを適宜に切り、バターで炒めて細かくつぶす。このときマッシュルームやアスパラガスを入れるのが好きだ。塩コショウして、細かく繊維状になったら牛乳を加えて適度な硬さに仕上げる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
2000年を過ぎても、回転寿司にて「ヒラメの縁側(えんがわ)」と表示されていた。参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『北の魚』(吉本光一 朝日新聞社)、『食卓にのる 新顔の魚』(海洋水産資源センター新魚食の会 三水社)