ナガブダイ

Scientific Name / Scarus rubroviolaceus Bleeker, 1847

ナガブダイの形態写真

50cm SL 前後になる。やや細長い。吻部外郭はほぼ直角、頬の鱗列数は3列。[雄 40cm SL ・1.743kg]
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50cm SL 前後になる。やや細長い。吻部外郭はほぼ直角、頬の鱗列数は3列。[雄 40cm SL ・1.743kg]背から頭部にかけてなだらかに下がり、吻部外郭は口に向かってほぼ直角。[雄 40cm SL ・1.743kg]頬の鱗列数は3列。[雄 40cm SL ・1.743kg]50cm SL 前後になる。やや細長い。吻部外郭はほぼ直角、頬の鱗列数は3列。[雌]
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系ベラ亜目ブダイ科アオブダイ属

    外国名

    学名

    Scarus rubroviolaceus Bleeker, 1847

    漢字・学名由来

    漢字 長部鯛 Nagabudai
    由来・語源 体高がなく細長く見えるため。もしくは頭部が長いためか?
    〈ナガブダイ属ナガブダイ Scarops rubroviolaceus BLEEKER(現在シノニム)〉。『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)
    Bleeker
    Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。

    地方名・市場名

    アカヌイ
    場所沖縄県伊良部島 性別雌 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    タマター
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    アカバチキ ワカサ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    アカボーラー
    場所沖縄県石垣島 性別雌 
    ハーブシー
    場所沖縄県石垣島 
    イラブチャー
    場所沖縄県 備考ブダイ類の総称。 

    生息域

    海水魚。サンゴ礁域。
    八丈島、和歌山県串本、高知県柏島、小笠芦原諸島、屋久島、琉球列島、南大東島。
    台湾、東沙諸島、南沙諸島、タイランド湾、インド・西太平洋域。

    生態

    基本情報

    沖縄県では比較的見かける機会の多いブダイ。沖縄県では大型のブダイ類が高値をつける。本種もゲンナー(ナンヨウブダイ)などに準じて大きくなるために、やや高値で取引されている。くせのない白身でうま味が豊かであることから人気も高い。

    水産基本情報

    市場での評価/沖縄や鹿児島県島嶼部では比較的競りにかかる機会が多いもの。やや高値。
    漁法/追い込み漁、刺突漁
    産地/沖縄県、鹿児島県

    選び方

    触って張りのあるもの。退色していない鮮やかな青色をしているもの。

    味わい

    旬は不明。7月後半の個体は身に張りがあり美味。生殖巣は膨らんでいなかった。
    鱗は大きく手で取ることができる。皮は厚みがあって強い。骨は頭部咽頭歯周辺のみ硬い。
    白身で血合いは目立たない。熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ナガブダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(皮霜造)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、蒸す(蒸し魚)、揚げる(天ぷら)、汁(みそ汁)、ソテー(バター焼き)
    ナガブダイの皮霜造 水洗いする。鱗は手で取る方がやりやすい。三枚に下ろして血合い骨を切り取る。水分をよく拭き取り、まな板に皮を上にしておき、布巾をかぶせて湯をかけて氷水に落とす。粗熱をとり、布巾にくるんで水分をよくとる。これを刺身状に切る。身に甘味があるもののやや淡泊であるが、皮と皮際にうま味がある。

    ナガブダイの兜焼き(塩焼き) 水洗いする。頭部は梨子割りにして内側の汚れなどをよく取り去る。水分をよくきり、振り塩をする。1時間以上寝かせる。場合によっては1日以上寝かせてもいい。焼く前にふたたび水分を拭き取り、じっくり焼き上げる。思った以上に食べられる部分があり、とても香りがいい。皮の味、身の味わい最上級である。
    ナガブダイの兜煮(煮つけ) 水洗いして頭部を梨子割りに。鰓周り、心臓周りの汚れを流し、水分をよくきる。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・みりん・醤油・水をわかした中に入れて煮上げる。砂糖などで甘くしてもおいしい。味つけはお好みで。皮も身も素晴らしい味わい。
    ナガブダイの蒸し魚 ここでは剁辣椒を使った。タレと香りの野菜を使って清蒸にしてもいい。皿に切り身を乗せて酒を振る。剁辣椒を適当に乗せて蒸し器で10〜15分蒸す。剁辣椒は非常に辛いので量はお好みで。身はふっくらとふくらんで柔らかく、剁辣椒の塩気ととても合う。
    ナガブダイの沖縄風天ぷら 衣に味をつけて揚げたもので、長崎でも同様のものが作られている。水洗いして切り身にする。適当に切れ目を入れて火を通り安くする。水分をよくきり小麦粉をつけて衣をつけて揚げる。衣は小麦粉・ガラムマサラ少々・塩・少量の砂糖。やや高い温度で揚げる。さくっとして身に味がある。冷めてもおいしい。
    ナガブダイのみそ汁 刺身などにしたときのあらなどを集めて置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。実にうま味豊かな汁になり、身も皮もとてもおいしい。ご飯に合う。
    ナガブダイのバター焼き 水洗いして三枚に下ろし、切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶしてじっくりと多めの油でソテーする。仕上げにバター(マーガリン)で風味づけする。皮目は香ばしく、身は柔らかく美味。

    好んで食べる地域・名物料理

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    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「ナガブダイ」を使用したレシピ一覧

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