ソテー(バター焼き)、煮る(塩煮、しょうゆ煮)、生食(刺身、ポキ、カルパッチョ)、揚げる(素揚げ、フリット、フライ)、汁(みそ汁)、焼く(塩焼き)
ヒラニザのバター焼き 非常に緻密な白身なのに熱を通すとふっくらとする。ソテーするとそれに香ばしさが加わる。切身にして塩コショウ、それを多めの油でソテーする。仕上げにマーガリン(バター)で風味づけ。このまま食べてもいいが、しょうゆを少したらすととてもご飯に合う。
ヒラニザのまーす煮 強めの塩水で短時間で煮上げるもの。ここでは兜の部分を使う。梨子割りした頭部を強めの塩水で煮上げる。「まーす煮」本来は液体を飛ばしきる料理法だが、適度に残して仕上げる。身をほぐしながら煮汁と一緒に食べる。豆腐を一緒に煮るとこれがまた非常にうまい。
ヒラニザの煮つけ 切身を湯通しする。冷水に落としてぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、酒・みりん・しょうゆ味・水で煮る。ここでは豆腐、玉ねぎ、青菜と一緒に煮たが、魚単体で煮てもいい。意外に臭みはほとんどなく、食べやすい。ご飯に合う。
ヒラニザの刺身 鮮度がよいときに内臓を取れば身に臭みはない。緻密で上質なので、刺身は非常においしい。3月長崎県で揚がった個体は脂ものっていた。口に含むと脂が溶けるときの甘味がきて魚本来のうま味がくる。非常に美味。
ヒラニザのポケ(ポキ) 刺身などにするとどうしても端切れや尾に近い部分などが出る。これを集めて置く。トマトやアボカド、ルッコラなどの野菜を適当に切り、合わせて好みの味つけをする。ここではしょうゆ・ごま油、スイートチリソースを使ったが、しょうゆではなく塩でもいい。また柑橘類を使ってもおいしい。
ヒラニザのカルパッチョ 身は非常に緻密で、血合いがよわく、白身として実にきれい。これをできるだけ薄く切る。皿ににんにくをなすりつけ、オリーブオイル、塩を入れて、切身を並べていく。上からも塩とオリーブオイル、コショウなどを振り、馴染ませて好みの野菜を散らす。味わいが多彩であるのに、後口が軽い。白ワインに非常に合う。
ヒラニザの素揚げ 沖縄県石垣島のウミンチュは魚を唐揚げではなく、素揚げにすることが多いという。これは熱帯域でも同じ。素揚げの方が軽い味わいで、食べやすいからかも。手でばらしながら、チリソースやしょうゆなどをつけて食べる。ご飯やパンにとても合う。
ヒラニザのポテト&チップス 切身に衣をつけて、ポテトと一緒に揚げたもの。衣は小麦粉・卵・酢・少量のオイルもしくはマヨネーズ・ビール。さくっと軽く揚がり、中がふんわりして甘味がある。柑橘類や酢を振るといい。
ヒラニザのフライ 大型なのにフライ用の切身になる。これに塩コショウして、小麦粉をまぶし、バッター液(卵・小麦粉・水)もしくは溶き卵をからめて、パン粉をつけて揚げる。揚げても身は硬く締まらず、筋肉の層に肉汁が感じられてとてもおいしい。
ヒラニザのみそ汁 頭部やあらを集めて置く。湯通しして冷水に落としてぬめりなどを流す。これを水から煮出してみそを溶く。とてもうま味豊かでしかもイヤミのない汁になる。沖縄県ではこれを「魚汁」といい、ご飯の主菜とする。
ヒラニザの塩焼き ニザダイ科なので焼いてうまいはずがないと思い込んでいた。鮮度がいいときに焼くと少し硬く締まる。振り塩をしてビニール袋などに入れて1日寝かせて焼き上げると、さほど強くしまらない。やや淡泊ながら美味。