オニテングハギ

Scientific Name / Naso brachycentron (Valenciennes, 1835)

オニテングハギの形態写真

雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[沖縄県石垣島産 雄 48cm SL 重さ2.56kg]
オニテングハギの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[沖縄県石垣島産 雄 48cm SL 重さ2.56kg]雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[石垣島産 雌 28cm SL 重さ520g]雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[熊本県天草牛深産 雄 48cm SL 重さ2.4kg]雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[熊本県天草牛深産 雄 48cm SL 重さ2.4kg]雄90cm SL 前後になる。雌68cm SL 前後になる。口が小さく体高があり側へんする。雄は前頭部の角状突起が長く、雌は丸く微かに突出する程度。尾柄部に2個の骨質板がある。尾鰭上葉・下葉の後端は伸びる。背鰭の途中で山なりに隆起する。[石垣島産 雌 28cm SL 重さ520g]口が小さく体高があり側へんする。尾柄部に2個の骨質板がある。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★★
      めったに出合えない
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目ニザダイ亜目ニザダイ科テングハギ属

    外国名

    学名

    Naso brachycentron (Valenciennes, 1835)

    漢字・学名由来

    漢字/鬼天狗剥  Onitenguhagi
    由来・語源/雌は小型で、雄は非常に大きく頭部の角も大きいため。「鬼」は大きく厳ついという意味で、「天狗剥」はテングハギ属という意味合い。
    『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)には和名がある。
    Valenciennes
    アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。

    地方名・市場名

    ヌーママスゥ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    ヒレーカー
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    チヌマン
    場所沖縄県石垣市 備考大きなチヌマンといい、テングハギなどと区別しているらしい。 参考河村雄太さん 

    生息域

    海水魚。岩礁域、サンゴ礁域。
    [相模湾(1996年9月8日に湾奥部の藤沢定置で漁獲)]、[熊本県牛深/雄]。
    鹿児島県屋久島・口永良部島、琉球列島。
    台湾、インド-太平洋(紅海・ミクロネシア・ハワイ諸島・イースター島を除く)。

    生態

    基本情報

    テングハギ(チヌマン・ヒレーカー)は沖縄県でも人気があり、重要な食用魚だが、オニテングハギは水揚げが少なく認知度は低い。特定の呼び名はなく、他のテングハギとともに「チヌマン」、「ヒレーカー」と呼ばれて売られているようだ。
    これが北上傾向にある。相模湾で発見され、熊本県牛深でも水揚げを見ている。牛深で8月17日に水揚げされた雄は非常に脂がのっていた。味はテングハギ属の他種と同様に抜群にいい。雄は超大型なのでとれれば高値がつきそうだ。
    珍魚度 明らかに珍魚である。テングハギは沖縄県では人気のある食用魚だが、本種はめったに揚がらない。

    水産基本情報

    市場での評価/沖縄でも入荷は希。やや高値。
    漁法/刺突漁、刺し網
    産地/沖縄県

    選び方

    触って張りのあるもの。

    味わい

    旬は晩春から夏だと思う。2022年08月の個体は最上級の味であった。
    鱗はサンドペーパー状で皮ごと剥ぐことができる。骨はあまり硬くない。
    血合いの弱い白身で熱を通しても硬く締まらない。
    旬の夏で雄なら五つ星の味だ。
    半身 8月20日、熊本県牛深で揚がった個体の半身だ。脂が非常に豊かで全体が白濁している。その上、身がしまっている。
    脂玉 腹腔後部左右に脂の玉が隠れている。これも旬の証拠となるかも。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オニテングハギの料理・レシピ・食べ方/揚げる(素揚げ、唐揚げ)、焼く(塩焼き)、生食(刺身)、ソテー(バター焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)

    オニテングハギの素揚げ ニザダイ科やモンガラカワハギ科などの魚は、沖縄県のウミンチュもそうだが、熱帯域では片栗粉をまぶして唐揚げにすることなく、素揚げにすることが多い。こちらの方が皮がかりっと揚がって味わい深い。ここでは頭部を使ったが、体幹部分を使ってもおいしい。水洗いして梨子割りにしたらていねいに水分を拭き取る。皮付きのまま揚げ油にゆっくり入れて最初は低温で仕上げに高温で揚げる。皮はやや硬めながら皮の直下の脂が溶け出した部分が非常に味わい深い。ここでは醤油とレモンで食べたが、ご飯にも合う。

    オニテングハギの内臓脂肪の唐揚げ 8月に牛深で揚がった個体は内臓に大量の脂をため込んでいた。かなりしっかりしていたので、腸など消化器を除去して片栗粉をまぶして高温で揚げてみた。時間が経つとさくっとした感覚がなくなるものの、とても味が濃く、うま味・甘味豊かで非常に美味。口溶け感もある。
    オニテングハギの障子焼き 三枚に下ろして出た中骨の腹部に振り塩をする。1時間以上寝かせてじっくり焼き上げる。すぐに脂が染み出してきて香ばしい香りが漂ってくる。この脂で表面が揚げたようになる。矢鱈にうまし。
    オニテングハギの塩焼き 水洗いして三枚に下ろして皮付きのまま振り塩をする。1時間以上寝かせてじっくり焼き上げる。焼いても硬くならず、香がとてもいい。身は適度に繊維質で甘味がある。実にうま味豊かでご飯に合う。。
    オニテングハギの背刺身(雄やや大型) 初秋、8月後半の雄の背の部分だ。水洗いして皮を引くのが苦労するくらいに脂がのっていた。脂が強くて味は単調ではあるが、口溶け感がありとろっと甘味を感じる。食感もいい。[雄 48cm SL 重さ2.4kg]
    オニテングハギ腹部脂玉周辺 腹腔の真後ろ、脂の玉を抱えているあたりの刺身だ。筋が少なく、やや単調な味わいではあるが、脂の口溶け感からくる甘さが際立っている。大型魚は部位によって刺身の味わいが異なるところが魅力だ。[雄 48cm SL 重さ2.4kg]
    オニテングハギ抱き身(内臓を包んでいる部分) いちばん身が薄い部分にあたる。血合いが赤く、脂の口溶け感からくる甘味だけではなく魚らしいうま味もある。そしてなによりも食感が心地よい。[雄 48cm SL 重さ2.4kg]
    オニテングハギの刺身(雌やや小型) 水洗いして三枚に下ろして阿川を引き刺身に。身は水揚げからの時間もあるのか柔らかく脆弱であったが、くせのない味で、ほんのり甘味があった。とれたてなら食感もほどほどあるだろうので、うまいのではないかと思う。[雌 28cm SL 重さ520g]
    オニテングハギのバター焼き 三枚に下ろして皮を剥く。塩コショウして多めの油でじっくりこんがりソテーする。仕上げにバターで風味づけをする。ソテーしても身は硬く締まらず、ふっくらとして柔らかい。身自体にも味がありとてもおいしい。
    オニテングハギ内臓脂肪の煮つけ 脂がのっている時季の個体には内臓脂肪がぎっちり詰まっている。熱を通すとちょうど豚肉を思わせる食感になる。内臓脂肪は適当にほぐし、軽く湯通しする。これをしないと煮汁が濁り重たい味になる。氷水に落として水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸騰させたなかで短時間煮る。
    オニテングハギの煮つけ 頭部の皮は剥がしにくいのでそのまま煮た。食べるとき皮をまず外してザラザラしているので身と皮際だけを食べる。身は煮ても軟らかくとろっとして甘味がある。魚らしいうま味も豊かで非常にうまい。
    オニテングハギのみそ汁 頭部やあらを集めておく。内臓脂肪があれば味は格段に上がる。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。みそはやや多めがいい。実にうま味豊かな汁になる。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/河村雄太さん(沖縄県石垣市)、坂田雄三さん(おさかなやさん かぎや 鍵谷商店/ぷらら天満)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)
  • 主食材として「オニテングハギ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ